らーめん 稲荷屋@稲荷町 「コンソメ スペシャリテ風」(1・2月限定)

稲荷屋@稲荷町・20170223・交差点
 稲荷町は、昔から志の高い店が出現する街ですが、自己ルールによる行動圏ギリギリ外側。本当にそうか、1, 2度テストしましたが、やはり外側。それでも、この「稲荷屋」だけはあきらめきれず、いずれ訪れるつもりでしたが……いかにも店主さんが得意そうなメニューで限定をやるというので、たまらず訪店。
稲荷屋@稲荷町・20170223・店舗
稲荷屋@稲荷町・20170223・券売機
 元はホテルのフレンチ・シェフだった高橋氏が、2015年3月にオープンさせたこのお店、そこで「コンソメ スペシャリテ風」(900円)なる限定を出すというのですから、自己ルールでガンジガラメのこの私も、理性が吹っ飛ぼうというモノ。さすがに人気店で、店が面した浅草通りはさほどの人通りではないのに、店内はほぼ満員か数人待ち。カウンターとテーブル合わせて20席近くある店ですが、なんとワンオペ。高橋さんの鬼神のような切り盛りで何とかなっていますが、傍から見ていても結構つらい……
稲荷屋@稲荷町・20170223・コンソメ稲荷屋@稲荷町・20170223・スープ
 あまりにも美しく、あまりにもフレンチな丼景色。まずは、スープを一口……麺と一体化させるべく、緻密に計算されておりますな。コンソメとはいっても、フレンチで供されるような「濃厚野菜」的なモノではなく、鶏の風味・旨味をふくよかに表現しながら、野菜の深い味わいが、鶏に寄り添うように取り巻くように……そして、小麦の甘みを待っています。
稲荷屋@稲荷町・20170223・麺
 麺は、多加水の細縮れ。かん水的な雑味の少ないピュアな味で、柔らかめのゆで加減で強調された、小麦の甘みがスープと合体すると……なんとも「長閑(のどか)」で、深く心が落ち着くような味わい。なんというか……農園のベンチで背伸びしながら、地平線まで見晴るかす、風にたなびく黄金色の麦穂を無心で眺めているような……深い深いリラクゼーション。
稲荷屋@稲荷町・20170223・具材
 具材は、フォアグラの小片と粒状のトリュフ、そして少量の薬味。フォアグラは、極めてフレッシュな食感と味わい、ラーメン店でこのクォリティを常時維持するのは難しいと思われますが……たまたま食材入荷のタイミングと合ったのかしら、いずれにしても超ラッキー。また、トリュフを削らず粒状で絡ませるあたりが実に非凡で、キリッと引き立ったトリュフの味わいが、悠揚迫らぬ麺・スープの世界観に、実にウィットの効いたアクセントを加えます。

稲荷屋@稲荷町・20170223・告知
 土地柄、常連さんも多い店内。隣に座った若い常連二人組は、両肘張って3人分のカウンターを占拠した上、トッピングで二郎風にカスタマイズした「背脂醤油」を一口食べては、ティッシュを2、3枚使うものですから、見る間にティッシュの山が出現……私が浸っていた芸術的な「田園風景」とは対極的な、修羅の世界が30cm横にあります。そろそろ客層を選んだ方が良いのでは……もともと資金が溜まったら、JR線沿いに店を構えたいと語っていたご主人。私の地元、有楽町・新橋あたりに移動して、本格フレンチ風なラーメンを出すつもりはないかしら……この一杯なら、1,200円は出すけどね。

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Only One Noodle 壱富士@目黒 「壱富士ラーメン(トマトソース)」

壱富士@目黒・20170220・ビル入口
 思わずうめき声が出そうなほど、凍えた北風が吹きすさぶ夜、コイツはもうラーメン食べずにはおられません。先日美味さに驚き、さらに新メニューも追加との情報を得た、目黒「壱富士」を再訪。場所はちょっと分かりにくいのですが、目黒駅西口前のビル群を左手から10mほど回り込み、ご覧の入口から入ればその地下です。それにしても、この入口は何回撮影してもピンボケになってしまうのですが、なにかイワクがあるのかも。
壱富士@目黒・20170220・店舗
壱富士@目黒・20170220・ソース
 メニューは基本「壱富士ラーメン」(800円)一本で、これに好みの香味ソースを指定して、味のバリエーションを楽しむ趣向。前回は、基本の「鶏油ソース」でいただきましたが、1月オープン以来「欠番」になっていた「第3のソース」が気になっておりました。2月1日、それが「トマトソース」であることが判明し提供開始、早速これに挑戦。さらに、前回オミットしてしまった「塩味玉」(100円)もあらためて追加。
壱富士@目黒・20170220・トマト壱富士@目黒・20170220・スープ
 おぉ、予想通り「鶏油ソース」とは全く異なる、鮮やかな「朱色」のスープ。まずは、スープを一口……ほほぅ、この「旨味」のコラボは目からウロコ。ラーメンにトマトを使うと、その独特の風味・旨味と酸味が味を完全に支配されてしまいがちですが……その難点を完全に克服。オリーブオイルに無添加トマトとタマネギを溶かし込んだというこのソース、タマネギの甘みでトマトの酸味が和らげられ、ベースの丸鶏のふくよかさを損ねることなく、むしろ風味をクローズアップ。さらに、鶏・魚介系の旨味(イノシン酸系主体)とトマトの旨味(グルタミン酸系主体)が見事にシナジー。そして、オリーブオイルが丸鶏のコッテリ感を適度に抑えて、サラリとした味わいに仕上げています。まさに「一石三鳥」の驚異的な効果。
壱富士@目黒・20170220・麺
 麺は中細ストレート。デュラム粉が使用されているため、実にハッキリとした甘みがありますが、スープがソースで一層「煌びやか」な味になっていますので、両者のコラボも実にドラマティック。いやぁ、マジでコイツは美味い!
壱富士@目黒・20170220・チャーシュー
 具材は基本的に前回と同じで、チャーシュー、メンマ、「しゃぶしゃぶ餅」に薬味類、それに今回追加の塩味玉。スペイン産のロース肉使用で塩麹で仕上げたチャーシューは、前回も驚いたほどの逸品ですが、今回は表面の味付けをやや強めた上に、厚切りで食べ応えをプラスしており、さらに進化の跡が見えます。
壱富士@目黒・20170220・塩玉
 塩味玉は、カウンターのガラス壺の中で塩ダレに浸かっているものを、目の前で取り出しトッピング。その味わいも実にユニークで、「塩」なのに全く塩っぱくなく、逆に黄身や白身の甘みがグンとアップ、こりゃ「塩大福」なんかと同じエフェクトですな……永らく食べ歩いておりますが、こんな味玉は初めてです。

壱富士@目黒・20170220・スイーツ
 トマトソースをアトヅケしているため、敢えて混ぜ込まずにいただけば、「一石三鳥」効果が寄せては返すような「ゆらぎ」を伴って感じられるところも、実に心憎い演出で全く食べ飽きしません。多くの場合、「トマト=味の支配」を意味し、対抗処置として濃厚動物系を使ったり、いっそ対抗を諦めイタリアンに仕上げたりと、この業界にも苦闘の歴史がありますが……まさに「破壊的イノベーション」。是非一食をオススメします。

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プロフィール

miles

Author:miles
 千葉南西部や都心のラーメンを食べ歩きながら、某サイトへ5年にわたりアレコレ書いてきましたが、都心に引越し連載も1,000回を越えたあたりでこちらへシフト。他の話題についても「So What?」な気分で、アレコレ書いていこうと思います。
 とはいえ、ほとんどラーメンの話題になってしまうのか……

年齢:オッサン
仕事:新橋系サラリーマン
オッサンゆえの自己ルール:
 ・6人以上の店外行列はパス
 ・週4杯、日1杯以内
 ・連食・副食・大中盛NG
 ・移動は電車&徒歩
 ・移動時間30分以内
 ・飲み後のシメNG

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