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中華そば専門 田中そば店@末広町 「中華そば」

田中そば店@末広町・路地
 末広町に進出してきた「田中そば店」、イソイソと日曜昼に訪れましたが……軟派オタクの巣窟となり果てた秋葉原でも、まだパーツ屋が多く残るこの界隈は、週末ともなれば硬派オタクがドッと群がり、「田中そば店」も結構な行列、とても近寄れませんでした。そこで、雨の金曜夜に再訪。
田中そば店@末広町・店舗
田中そば店@末広町・券売機
 券売機は店外にありますが、大きなテントが張ってあるため傘なしでもOK。「肉そば」や「山形辛味噌」なんかにも激しく惹かれますが、雨のためウォーキングが出来ませんので、大人しく「中華そば」(700円)と「味付玉子」(100円)で。
田中そば店@末広町・卓上
 さすがに夜は多少空いており、5割ほどの客入り、ただし客はドンドン回転しております。厨房は二人で切り盛り、白い割烹着に白鉢巻きというキッパリとした潔さ。一方カウンターでは、「アキバ食い」(丼を抱え込むように上半身をカウンター上に伏せ、上目づかいで携帯をイジリながら丼の縁で麺をすするという、アキバでよく見かける奇妙な食べ方)するオタク達と、好対照の風景です。丼は約8分で到着。
田中そば店@末広町・中華そば
田中そば店@末広町・スープ
 では、スープを一口……くわぁ、コレは美味い! なんともクリアな味わいの塩豚骨(注)、豚骨に鶏ガラを加えた優しいコクの動物系、これに煮干・昆布系と思われる魚介系の旨みが加わりますが、クセを抑えて透明な旨みだけを全体に「凛」としみ渡らせており、「スパッ」と切れ味するどい塩ダレで仕上げています。店員さんのキリッとした姿勢が、そのまま味に投影されているような潔さで、こういう味は滅多にない。
田中そば店@末広町・麺上げ 麺は、かなり太めの中太で、平打ちストレート。六町「田中商店」がサードブランドとして立ち上げた時のコンセプトは「喜多方」だったと聞きますが、縮れもなくソフトな食感で、かなりイメージが異なります。かん水を抑え小麦のスマートな風味をダイレクトに伝える「うどん」的なニュアンスの麺ですが、「一本気」な味わいのスープには、むしろこの方がよく合うかも。
田中そば店@末広町・メンマ 具材は、チャーシュー、メンマ、ネギに味玉。実は一番印象的だったのはネギで、どうということはないフツーのネギですが、スープの味わいがクリアなせいか、ネギ本来の新鮮な風味がダイレクトに伝わってきて、「これが薬味というものか」と、思わずその効果を再認識。チャーシューも適度な味付けで肉汁タップリ、これなら3枚で十分で、「肉そば」だとバランスが崩れるかも。醤油で濃く味付けたメンマも、極上の仕上がり。
田中そば店@末広町・唐華 さて終盤、卓上の「特製唐華」を一サジ加えますと、パッとスープが赤みを帯びて、非常にきれいな色彩変化。辛味と同時に、海老の香ばしい風味と旨みが加わって、コクにグッと厚みが増します。いやぁ、コレは美味い、たまりません。

田中そば店@末広町・メニュー ちょっとエロティシズムを感じるほど、「官能的」な美味しさ。透き通るようなスープから姿を現す、白蛇のような純白の麺、そして「唐華」によって桜色に色づく肌……お互いが絡むほどに味が深まり、汗をかくほどに興奮が高まる……なんか、映画「鬼龍院花子の生涯」の世界観のような。こんな艶っぽい一杯を、こんな無粋な街で出してはいけません。是非、本所・両国か、新橋・品川あたりで(その方が通いやすいし)。

 店舗情報は、こちら

(注)「醤油ラーメンではないか」とのご指摘をいただいておりますが、お店の公式HPにも「スープは豚骨を濁らせないように炊き、塩だれで味を整える」とある通り、作り手の「塩&豚骨」という意図がよく伝わってくる一品ですので、敢えて分かりやすく「塩豚骨」と表現させていただいています。

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コメント

No title

 初めまして、貴兄のブログを拝見しつつ、ラーメン食べ歩きのご参考にさせて頂いております。

 コチラのような良店が秋葉原にできるのは、足しげく通う身としては有り難い限りです。若輩かつ軟派な身分ではありますが、今後、秋葉原の更なる「食」の発展を願っております。

 故に、昨今のオタク文化は何分理解しがたい所も多々あるとは思いますが、どうかこの街を「無粋」と評することをご再考頂ければ幸いです。軟派には軟派なりの、一つの信念をもってこの街を愛しているもので…。

 突然の長文、申し訳ございませんでした。それでは、失礼いたします。

Re: No title

 秋葉原は、数々の偉大な文化を生み出しましたが、「食」に関しては残念ながら多くのものを残せていません。再開発とか、いろいろ事情はあったと思いますが……

 この日は、左隣が「アキバ食い」、右隣は鼻かんだティッシュを大量に丼に放り込み、そして二人ともカウンターに上げもせず黙って退店(この店はカウンターに上げるよう目の前に掲示があります)……私もアチコチ食べ歩いていますが、全般的に秋葉原は客のマナーがイマイチで、おそらく「食」以外への愛の深さに比べて、相対的に「食」への愛が希薄なのでしょう。おそらくそれが、この街に「食文化」が根付かない理由の一つなのかも知れません。

 「食」が愛されず「食文化」がなかなか育たない街は、「食」を愛する人から見れば、「無粋」といわれても仕方ありません。でも、私も若いころから秋葉原が好きで、週末は駅入り口の「いすゞ」で一杯食べて、買い出しに繰り出したものです。ああいうお店が長く続けられるよう、「食」を大事にする街になるといいですね。

No title

塩豚骨?馬鹿舌なの?これ醤油ラーメンですよ

Re: No title

> 塩豚骨?馬鹿舌なの?これ醤油ラーメンですよ

はじめまして。そうですね、馬鹿舌かもしれません……

この一品については、カエシに薄口醤油を使っているのかも知れませんが、
お店の公式HPでも、
「スープは豚骨を濁らせないように炊き、塩だれで味を整える」
http://www.tanaka-shoten.net/menu/tanakasoba.html

とあるように、お店の意図は「塩」にあるようで、私にもそのイメージがよく伝わってきました。
そこで、読み手の方にはまず「塩豚骨」をイメージしていただく方がわかりやすいと思い、そう書きました。

例えば、田中玄さんの「玄流塩ラーメン」のように(他店では「伝説の塩」と表記することも)
http://milessmiles.blog.fc2.com/blog-entry-36.html

カエシに醤油を使っても、作り手の意図は「塩」にある場合があります。

その意図をどのようにお伝えするか、悩ましいところですね。
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プロフィール

miles

Author:miles
 千葉南西部や都心のラーメンを食べ歩きながら、某サイトへ5年にわたりアレコレ書いてきましたが、都心に引越し連載も1,000回を越えたあたりでこちらへシフト。他の話題についても「So What?」な気分で、アレコレ書いていこうと思います。
 とはいえ、ほとんどラーメンの話題になってしまうのか……

年齢:マジ・オッサン
仕事:銀座・新橋から離れ、今は世田谷系・半フリーランス
オッサンゆえの自己ルール:
 ・6人以上の店外行列はパス
 ・週3杯以内、日1杯以内
 ・連食・副食・大中盛NG
 ・移動は電車&徒歩
 ・移動時間30分以内
 ・飲み後のシメNG

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