2019/02/06
中華そば 竹むら@目黒 「つけ麺」

ギリギリと、体を締めつけるような厳しい寒さ。もう松の内もとっくに過ぎていますが、目黒・権之助坂商店街ではまだ「謹賀新年」、寒風になびく垂れ幕が、いっそう寒さを誘います……新店「竹むら」を再訪。

11月オープンのこのお店、先日は「中華そば」をいただいて、「大山鶏と水+隠し出汁」というシンプルな構成なのに、軽快感と芳醇感が見事に両立した味わいに驚きました。コイツは早めに「つけ麺」(800円)もいただいておこうと、再訪した次第。
深い醤油色のつけ汁と、明るい色合いの麺・具材が、見事なコントラストの丼景色。つけ汁をレンゲですくうと、透明な鶏油による分厚い層。そのままひと口いただきますと……芳醇な鶏の風味が大爆発。丸鶏使用ゆえ、ただでさえ豊かな味わいの鶏スープですが、「中華そば」より鶏油と醤油ダレを強化して、「芳醇&軽快」な味わいを、さらに豊かな風味とパワフルなコクにパワーアップ。いきおい隠し出汁による軽快感は弱まりますが、旨味のシナジーはそのままで、いやぁ……すぐにでも麺を浸したい。
麺は菅野製麺製で、「中華そば」の中細とは変えてあり、やや太めの中太で、扁平した断面の熟成多加水麺。中細麺よりも、さらに弾力と粘りが強く感じられ、歯をシッカリと受け止めるような噛み応え、それでいてツルリと実に滑らかなノド越しで、まさにつけ麺用の麺としては理想的。食感が咀嚼を誘い、小麦の甘みが力強く広がります。
コイツをつけ汁につけ、ズバァ~~ッとイキますと……最初は、上からつけ汁に浸して食べていましたが、これだと鶏油を主に拾ってしまい、丸鶏の風味だけが絡む感じ。麺をつけ汁に投入し、丼を持ち上げて縁に口をあて、ズズ~ッとすすり込むようにいただきますと……コイツがなんとも、言葉にできないほどの極上の味。250gの麺がどんどん喉奥に消えていきます。
具材は、麺にのるチャーシュー、メンマにナルト、それにつけ汁にもサイコロ・チャーシューがいくつか沈んでおり、薬味のネギもタップリ浮きます。チャーシューは、豚肩ロースを低温で仕上げたもの、通常こういうタイプは風味が弱めのモノが多いのですが、非常に豊かな味わいで、コイツは驚き。薄切りですらこうですから、サイコロ・チャーシューではさらに味が力強くて大満足。そして、なんといっても白眉はネギで、非常に芳醇な味わいのスープゆえ、これくらい多めに薬味をきかせたほうが、両者の「共振」も最大に。
割りスープは、注文ごとにポットで提供。中身はカツオ・煮干し出汁のようで、ムンムンとしていた鶏油の押し出しがサッとやわらぎ、本来の軽快感がグッと強まる上に、旨味のシナジーがグングンまして……いやぁ、極上のドラマが、ここに見事なエンディングを迎えます。

こういうタイプのつけ麺としては、個人的には水道橋や神保町の「勝本」などがトップクラスと思っていますが、それに勝るとも劣らない珠玉の一品。あちらはすでに行列店になり、私には縁遠い存在となりましたが……こんな極上の一杯を、行列なしでいただけるとは、なんたる幸せ。入口には持ち帰りもできるコーヒーも準備され、この季節にはうれしいサービス。目黒にまた一つ、「通いの店」ができたようです。
店舗情報は、こちら。
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