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日本橋室町 焼豚 福の屋@三越前 「焼豚中華そば」

福の屋@三越前・20230813・コレド入り口
 沖縄付近で停滞している台風が、動き出したと思ったら九州縦断との進路予測、翌週に広島へ帰省する予定でしたが、こりゃキャンセルですな……土曜はもともと日本橋で土産物を買う予定でしたが、キャンセルに納得できず、一応ウィンドウショッピング。そのついでに、新店「焼豚 福の屋」で一杯ひっかけることにしました。
福の屋@三越前・20230813・店舗
福の屋@三越前・20230813・メニュー
 6月オープンのこのお店、コレド室町に入っていますが路面店形式で、建物の外から出入りするかたち。業界の某有名系列に関係があるとのネット情報、「福」の字が好きなあそこかしら。メニューは基本の「焼豚中華そば(醤油、塩)」と、あとはトッピングのバリエーション。ひとまず基本の「焼豚中華そば(醤油)」(1,380円)をオーダー。
福の屋@三越前・20230813・卓上
 オーダーが終わると、お茶を「桂花蜜烏龍」(烏龍茶)か「茉莉緑茶」(ジャスミンティー)から選ぶことができ(能書は下掲)、また煮豚バラの焼豚が1枚供されます。これがいずれも驚きのクォリティ。ジャスミンティーは飲んだ瞬間、硬質な「コク」が感じられ、思わずグラスに見入ってしまうほど。ジャスミンティーにコクを感じたのは、初体験かも。バラ肉焼豚は、脂身の部分と赤みの部分を均質に味付け、しかも柔らかく仕上げるという、実はできそうでできない高度な技。ラーメンを食べる前から、気分が高揚してきました。
福の屋@三越前・20230813・醤油福の屋@三越前・20230813・スープ
 おぉ、麺がほとんど見えないほどナミナミと注がれたスープ、焼豚の鮮烈なピンク色、なんとも「美麗」な丼景色。まずは、スープをひと口……これぞまさに「シンプル イズ ベスト」。ベースは鶏豚と思われますが、鶏油を使って風味としては鶏を強調。そして最大のポイントはこの醬油ダレで、甘みを抑えたシンプルな味わいですが、コイツをかなり濃く使って、いわゆる「タレで引っ張る」スタイル。リスペクトする先人が「白河に通じる」と評されていましたが、まさにその通り。
福の屋@三越前・20230813・麺
 麺は、中太ストレート。くどくない程度のもちもち感と、スムースなのど越し。中加水ゆえ後半に向けてスープを吸い、麺肌が醤油色に微妙に色づいて、微妙にザラつきのある麺肌が、スープを適度に持ち上げて、コイツを頬張り噛みしめますと……醬油濃いスープが麺の甘みを最大限に引き出して、いやぁこれぞまさしく「中華そば」。余計な装飾がない分、本質的な美味さがストレートに力強く伝わってきます。
福の屋@三越前・20230813・具材福の屋@三越前・20230813・焼豚
 具材は、焼豚2枚とメンマにほうれん草、それに海苔と薬味のネギ。焼豚はメニューに記載されている「釜焼焼豚ロース」と「釜焼焼豚モモ」で、いわゆる「吊るし焼き」によるものとおもわれますが、はっきりとスモーキーな風味がついており、「吊るし」時に燻製的な技術も使っているのでしょう。2枚とも、派手な味付けは避けて肉本来の旨味を引き出し、それを醤油濃いスープで引き立てようというアプローチで、いやもうハマりまくり。焼豚の製法なんかも、白河っぽさを感じますが、あえてナルトを載せないのは、精一杯のカモフラージュか。

福の屋@三越前・20230813・お茶メニュー
 スープや麺を、徹底的に「引き算」で仕上げてあるからこそ、焼豚やメンマ、お茶といった「足し算」の存在感がクッキリと引き立つ、実に見事な演出ですな。こんな極上クォリティのラーメンが、焼豚専門店の余技でできるわけもありません。私が予想するあの系列ならば「さもありなん」ですが……外したら恥ずかしいので、しばらくは様子見ということで。

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Homemade Ramen 麦苗室町@三越前 「醤油らあめん」

麦苗室町@三越前・20230806・コレド室町
 この週末は、子ども達は夏休み入りで梅雨明け初日。三越前から新日本橋あたりの地下道を少し歩こうと思っていましたが、人出が多くてすぐ断念。コレド室町の宿題店をのぞいてみることに。
麦苗室町@三越前・20230806・店舗
麦苗室町@三越前・20230806・能書き
 4月オープンのこのお店、お昼時とあってコレド室町の飲食店はどこも行列ができていましたが、「麦苗室町」は客入り6割程度。非常に意外に感じましたが、どうやら設備内のレストラン案内に料理写真ではなくロゴマークのみを掲示していること、大森「麦苗」といえばラヲタにとっては超有名ブランドですが、一般的な認知度はまだ低いことなどが影響している模様。
麦苗室町@三越前・20230806・メニュー
 メニューは「らあめん」と「つけめん」でいずれも醤油か塩。季節柄「つけめん」にググッと惹かれましたが、「麦苗」といえば「らあめん」ですし、私はまだ未食ですから、まずは「醤油らあめん」(税込1,210円)で。よほど美味いのか、先客からは「和え麺」(330円)の注文が続出しておりましたが、自己ルールではNGですので、グッと我慢。
麦苗室町@三越前・20230806・醤油麦苗室町@三越前・20230806・スープ
 淡めの醤油色を背景に鶏油の黄金色と、チャーシューと赤玉ねぎのピンク色が映える、なんとも美しい丼景色。では、スープをひと口……出ました、「引き算」を突き詰めることで、食材による「歪み」を排除するアプローチ。イリコと鶏を主体にしたシンプルな構成ですが、イリコの雑味やクセが取り払われて旨味と風味だけがピュアに抽出され、鶏からも特有のムワッとしたエグ味が取り払われて……まるで、抽象画のような、シンプルにして力強い表現。舌を全方位から包み込んで、ジンジンと沁み渡ってくるような美味さですな。
麦苗室町@三越前・20230806・麺
 そして、この自家製麺が凄い。一見、何の変哲もない中加水・中太ストレート麺、シッカリとしたコシの麺をジックリ噛み込めば……驚くほど豊かな、小麦の甘みと風味。コイツがスープの旨味をジンジンと吸って、両者一体となって舌の上に「これぞラーメン」という醍醐味を、思う存分ブチまけます。なるほど、これぞ店名「麦苗」が示す「境地」というわけですな。
麦苗室町@三越前・20230806・具材麦苗室町@三越前・20230806・チャーシュー
 具材はチャーシュー2種とメンマ・海苔、それに薬味はネギと赤玉ねぎ。チャーシューは、炙りを入れたバラ肉と、低温調理の肩ロース。麦と鶏とイリコが中心というシンプルな味空間ですので、焼きの入ったバラ肉が醸す「ムワッ」とした豚脂のクセと、低温調理ゆえのシンプルな豚肉の旨味が、実に効果的なアクセントを加えます。そして、これらチャーシューが加える効果の微妙な「やりすぎ感」を、赤玉ねぎとネギの薬味で抑えようという、見事なバランス感覚。いやぁ、実に非常に考え抜かれた「配役」ですな。

麦苗室町@三越前・20230806・写真
 和風ラーメンの美味さとは何か、その命題を哲学的なレベルまで突き詰めた、驚くべき一杯。その「追求」のひたむきさを、食べ手にピュアに伝えている背景は、この「水」なのかなと思われたり。能書きでは、水道水から塩素はもちろんミネラルやカルシウムまで取り去ったという「純水」を使っているとか。卓上のお水も「純水」だそうですが、雑味の一切ない、何ともクリアでピュアなお水ですな……最も美しい色は、純白を突き詰めたキャンバスにしか描けない、そんな突き詰め方が爽やかで素晴らしい、清々しい一杯でした。

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日本橋 らぁ麺 めだか堂@新日本橋・神田 「熟麹もろみ醤油のつけそば」

めだか堂@新日本橋・20230723・南口
 土曜昼時は、熱中症予報で「危険」となってしまい、実際猛烈な暑さと湿度。加えて少し降っては日が照って、繰り返し蒸し返すという……ウォーキングは諦めて、新日本橋の新店「めだか堂」へ(写真は神田駅南口、お店は新日本橋駅からとほぼ同距離)。
めだか堂@新日本橋・20230723・店舗
めだか堂@新日本橋・20230723・能書き
 6月オープンのこのお店、あの「支那そばや」プロデュース店で、PB食品開発の会社とのコラボで立ち上げたとか。「めだか」とは、こだわり抜いた麺と出汁とカエシの、それぞれ頭一字をとって名付けたそうです。特に、カエシに「もろみ」という、まだ発酵熟成中で醤油となる手前の素材を使っているところが特徴だとか。
めだか堂@新日本橋・20230723・メニュー
 メニューは「熟麹もろみ醤油」の「醤油らぁ麺」と「醤油つけそば」。初訪なので筆頭メニューの「醤油らぁ麺」からいくべきところですが、なにせ地獄のような蒸し暑さから逃れた直後ですので、申し訳ありませんが「醤油つけそば」(1,200円)でいかせていただきます。なお、オープニング・サービスなのか、卓上のQRコードから同店のインスタをフォローすれば、味玉サービスとのこと。メニューを見ると、「名古屋コーチンの半熟味付け玉子」は300円もするじゃないですか……普段はチラシ・サービスなどは使わない私ですが、思わずフォローしてしまいました。
めだか堂@新日本橋・20230723・つけめんめだか堂@新日本橋・20230723・つけ汁
 華やかさと深さを併せ持つ、ダークブラウンのつけ汁が、印象的な丼景色。まずは、つけ汁をひと口……いやぁ、少なくとも私は経験したことのない、「和」にして「革命的」な味わい。主役はやはりカエシで、大豆を発酵中ゆえに醸されるこの「もろみ」。醤油のような味噌のような、まろやかにして深く濃い味わいを中心に、麹で豊かな「まろみ」が加えられ、さらに酒粕や魚介で甘みと旨味が加えられるという……実にまろやかで、実に深みのある味わい。このカエシに対してベースの方は、軍鶏や地鶏を念入りに組み合わせたもので、驚くべきことにあの重厚なカエシに対して、全く負けていません。いやぁ、コイツは凄い。
めだか堂@新日本橋・20230723・麺
 あの「支那そばや」のことですから、麺については盤石の仕上がり。北海道産小麦を使い、多加水麺なのに豊かに小麦の風味・甘味が伝わってくるところが、「ラーメンの鬼・佐野」マジックですな。口腔でうねるようなしなやかさと、喉奥へ向け跳ねるようなビビッド感、「支那そばや」ならではの完成度ですな。少量の昆布水に浸しての提供ですので、その味わいも最大限に高められています。コイツをつけ汁にくぐらせ、ズバァ~~ッとイキますと……このカタルシス、いやもう、言葉になりません。目を中空に泳がせながら、この極上の世界にひたる幸せ。食べ歩きをしていてよかったなと、しみじみ感じる瞬間ですな。
めだか堂@新日本橋・20230723・具材めだか堂@新日本橋・20230723・チャーシュー
めだか堂@新日本橋・20230723・味玉
 具材は、チャーシュー、メンマ、海苔にネギ、そして追加の味玉と味変用の果汁。個人的に、特に強調したいのはこのネギ。実に深く円熟した味わいの「もろみ」や麹・酒粕、これに完成度MAXの麺や地鶏スープなど、すべてがまとまり「閉じた」味空間を作りがちなこの料理だからこそ、細切りにして辛味・風味を強調したこの青ネギが、目を見張るような「薬味」効果を発揮します。
 さらに強調したいのは、味変用に添えられた果汁で、中身は「四万十ぶしゅかん」という、ライムのような柑橘類。高知では「酢みかんの王様」と呼ばれているようですが、実に鮮やかにして爽やかな酸味、つけ汁にはもともとわずかな酸味が加えられていますが、この果汁を少しずつ加えることで、重厚で「閉じた」味空間に爽やかなキレが増していき、味空間が舌に対してだんだんと解放されていく過程を体感できます……味玉のレベルの高さも、画像をご覧になればすぐご理解いただけるかと。
めだか堂@新日本橋・20230723・スープ割り
 割りスープは、メニュー記載では(写真は上掲)「羅臼昆布とめだか堂鶏出汁の追いだし」。コイツをまた、少しずつ加えながら味わえば……濃厚にして重厚な序盤のストーリーが、様々な刺激が加わって大きく激しく展開し、それがベーススープの鶏と昆布の旨味に、収斂しつつフェードアウトしていくような味の展開。特に、麺を浸した昆布水が、最後に「伏線」として回収されていくあたりが、ドラマ性を感じさせますな……

めだか堂@新日本橋・20230723・口上
 一説には4%を越えつつあるというインフレ時代、ラーメンもデフォで1,000円越えが当たり前のようになっており、牛丼やカレーなどマスプロ製品とは違う存在であることが明白になってきましたが……文句なしに、時代の最先端と最高峰を同時に実現させた、「至高」の一杯。映画にもリピーターの方がおられますが……私が次回行列なしに、このクォリティでこの一杯を食べられるなら、この「醤油つけそば」に3,000円払っても不満はありません。ラーメンとはそういう「至高」を追求すべき存在だと、厳しく広く教えて下さった佐野実氏に、拍手。

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拉麺 はま家@小伝馬町 「しそ塩そば」

はま家@小伝馬町・20230624・交差点
 極度の体調不良のまま、2週間働き詰めた強行日程、おかげで週末ウォーク&食べ歩きも3週間ぶり。平日昼営業のみだった六本木の間借り店が、路面店としてオープンしたと聞きつけ、小伝馬町へ。
はま家@小伝馬町・20230624・店舗
はま家@小伝馬町・20230624・券売機
 6月オープンのこのお店、2017年に仙台で創業し、2021年に六本木の餃子店で間借り営業開始。その実力の高さはすぐにネットで知れ渡りましたが、なにせ平日昼のみ営業では……それが路面店になり、土曜も夜も営業となってチャンス到来。メニューは「しそ塩そば」「ゆず塩そば」「牡蠣とあさりオイル塩そば」「同醤油そば」の4系統、「黒毛牛すき重」(500円)などご飯ものも充実しております。まずは筆頭系列から「しお塩そば」(1,000円)をポチッとな。
はま家@小伝馬町・20230624・しそ塩はま家@小伝馬町・20230624・スープ
 おぉ、丼上部に多めに広がる青じそオイルが、「嵐の前の静けさ」を暗示する丼景色。このオイルを混ぜずに、まずはスープをひと口……いわゆる和風の「貝出汁」にとらわれない、豊かで奔放な表現力で、コイツはスゴい。メインは濃厚な蛤出汁ですが、六本木時代から牡蠣やアサリなども使い、しかもそれらを一部「貝油」にして使っているといわれており、確かにスープ表面に黄金色の油が浮いていたり。この油にオリーブオイルを使っているような雰囲気で、さらに大葉オイルも混じり込んで、券売機にあるような「ボンゴレみたいな貝のパスタ」的な雰囲気で、お味も超濃厚。出汁にたよらずオイルベースで味わいと濃厚感を打ち出していくという、和とイタリアンなアプローチのハイブリッドですな。
はま家@小伝馬町・20230624・麺
 麺は、菅野製麺製の中細ストレート。湯切りのスタイルが面白く、テボの中で箸で麺線を整えながらゆで湯をスムーズ落としつつ、丼にあけた時点ではすでに麺線が整っているという、初めてお目にかかるテクニック。味わいは、北海道産小麦特有の穏やかで力強いものですが、ツルリとした口あたりとノド越しが、どこかパスタのような雰囲気もあって、スープの表現手法とドンピシャリ。「ボンゴレみたいな貝のパスタの感じ」という、まさにイメージ通りの仕上がり。
はま家@小伝馬町・20230624・具材はま家@小伝馬町・20230624・チャーシューはま家@小伝馬町・20230624・はまぐり
 具材は、チャーシュー、蛤と、メンマにホウレン草。注目はメンマ(券売機上では「湯葉筍」)なのですが、終盤までメンマだと気づかず(「かんぴょう」かな?と思っていた)単独写真がなくゴメンナサイ。どうやら貝オイルや塩ダレで直接味付けてあり、この一杯のエッセンスのようなキリッとした味わいが、スープや麺に強いメリハリを加えていって、いやぁ……コイツは絶品。「特製」にすれば別皿でタップリついてくるようですが、トッピング追加もおススメです。

はま家@小伝馬町・20230624・卓上
 味空間を、出汁で形成する和の技術と、オイルで形成するイタリアンな技術をハイブリッドさせて、和でもイタリアンでも到達できない、「異次元」への道を拓いて見せた一品。私も学生時代を京都で過ごしていた頃に感じましたが……日本に蔓延する既存の価値観にとらわれずに、目のさめるような「異次元」への道を拓く天才は、既存の価値観が最も濃密に充満する東京では生まれない。そしていま、「異次元」への扉が目の前で開きつつあります。まだ梅雨真っただ中ですが、仙台が生んだ革新的な「夏への扉」に、拍手。

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HACHIKI 八起庵 日本橋店@三越前 「京の鶏SOBA」

八起庵@三越前・20230225・三越
 京都の鶏料理専門店「京の鳥どころ八起庵」、すでに神楽坂や池袋東武、横浜高島屋にも出店していますが、今回麺にフォーカスしたお店を三越前に出したとか。かつて京都に住んでいたこの私、そんな店あったっけと本店住所を検索すると、なんと川端丸太町で1970年創業……かつてバイクで頻繁に走り回っていた界隈なのに、自らの不明を恥じるばかり。早速訪店。
八起庵@三越前・20230225・店舗
八起庵@三越前・20230225・路上看板
 昨年12月オープンのこのお店、三越前駅から首都高上野線にむかって東に200mほど歩いたあたりで、あの「室壱羅麺」のほど近く。それにしても「室壱羅麺」もオープンから14年、街の発展にも支えられたのでしょうが、これほどの長寿店になるとは。
八起庵@三越前・20230225・券売機
 メニューは麺を中心に親子丼などとのセットを展開。麺メニューは「京の鶏」「京の鴨」の2系統、水炊き風のスープだという「京の鶏SOBA」(税込み976円)を、ポチッとな。厨房はオープンキッチンで、カウンター前の仕切りも低く調理工程が丸見え。麺ゆでと手鍋によるスープ温め、それにセットの親子丼用の親子鍋の温めを同時進行させて、しかも1ロット・セット2人分をすべて同時に仕上げるという超人技。コイツは一見の価値ありですぜ。
八起庵@三越前・20230225・鶏水炊き八起庵@三越前・20230225・スープ
 一見して、鶏水炊き鍋のインスパイヤだと分かる丼景色。まずは、スープをひと口……いやぁ、旨味重視の穏やかな味。昆布出汁に鶏を合わせ、骨が煮崩れるまで長時間炊き出したというこのスープ。ラーメン業界的な鶏白湯とは、濃厚さが段違いに上ながら、炊き込んだ分乳化も深いので、舌触りの優しさに加えどこかアッサリ感も漂って、さらに博多水炊き(後述)とは違う優しいキレの加え方で、「濃く優しい」、独自の「京風感」を出していますな……実に巧みな味造り。
八起庵@三越前・20230225・麺
 麺は、京都の老舗「麺屋 棣鄂」製で、やや細めの中太ストレート。麺表面の粒々模様からもわかる通り、全粒粉を9%使用とのことで、驚きなのは絶妙のゆで加減。重みのある口あたりと歯応えですが、ノド越しはツルリと実にスムーズ、さらに十分なコシも感じられて……オープンキッチンゆえゆで工程がよく見えますが、タイマーも使わず、場合によってはゆで後に湯気にあてたり一瞬水にさらしたり、実に自在な麺の仕上げ。それでこのクォリティですか……長年食べ歩いてきましたが、ちょっと目からウロコが2, 3枚。
八起庵@三越前・20230225・具材八起庵@三越前・20230225・鶏チャーシュー
 具材はまさに水炊き鍋風で、鶏肉に白菜・ネギと紫タマネギ、それにごく少量の柚子。鶏肉は細かく切り分けたモモ肉で、能書きでは「独自の方法で熟成させ、旨味を凝縮させて」いるとか。実際、鶏モモ肉は素材と仕込みの良し悪しとが、食べ手にダイレクトに伝わってしまう食材で、それを汁モノでキチンと胸張って主張してくる店は、高級中華店かラーメン店でもごく限られます。さすが京都の有名店、胸張って堂々と中央突破、そんな見事な鶏の味わいですな……この鶏がタップリ入る、「京の水炊きSOBA」でもよかったかも。

八起庵@三越前・20230225・卓上
 関西で「水炊き」というと、昆布出汁で食材の味を煮出して、ポン酢系のタレでいただくという、京都で言えば「湯豆腐」的な料理。鶏白湯の濃厚な味わいを楽しむのは、「博多系」だと思っていましたが……ただ、「もつ鍋」でも「鶏水炊き」でも、塩分による「濃厚感」演出が強いのも「博多系」で、そこを穏やかに味わい深く修正したのが、この「京風水炊き」なのでしょう。いいじゃないですか……私の心は今、鴨川を渡って丸太町通から東大路通を左折して、百万遍に向かっています……

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プロフィール

miles

Author:miles
 千葉南西部や都心のラーメンを食べ歩きながら、某サイトへ5年にわたりアレコレ書いてきましたが、都心に引越し連載も1,000回を越えたあたりでこちらへシフト。他の話題についても「So What?」な気分で、アレコレ書いていこうと思います。
 とはいえ、ほとんどラーメンの話題になってしまうのか……

年齢:マジ・オッサン
仕事:銀座・新橋から離れ、今は世田谷系・半フリーランス
オッサンゆえの自己ルール:
 ・6人以上の店外行列はパス
 ・週3杯以内、日1杯以内
 ・連食・副食・大中盛NG
 ・移動は電車&徒歩
 ・移動時間30分以内
 ・飲み後のシメNG

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