2023/03/19
らーめん 宣ノ土@三軒茶屋 「特製らーめん」

三茶に豚骨の新店ができたとか。場所は田園都市線駅と世田谷線駅の乗り換え経路にある「すずらん通」内で、「らーめん 佐とう」があった場所。オープン直後のブレを嫌う私にしては珍しく、オープン3日目の夜にはすで様子見、3, 4割の客入りだったためそのまま入店しました。

2月オープンのこのお店、ネット情報ではムジャキ系との噂で、内装・外装はじめ備品関係も、玄人的な抜け目ない仕上がり。豚骨専門店ゆえ、麺メニューは「らーめん」とトッピングバリエーションですが、「水餃子」とお酒があって、チョイと一杯できるところが「すずらん通」っぽいサービスですな。それに「替玉1回無料」というのも、昔は当たり前でも、令和の新店では貴重なサービス。価格構成から見て、「特製らーめん」(900円)がお得な気がしたので、ポチッとな。

豚骨専門店ですので、当然麺の硬さが選べますが、「ハリガネ」と「バリ」(カタ)の間に「バリバリ」があるのがチャームポイント。「ハリガネ」は、よく替玉用にオーダーして、配膳され丼投入する頃にはバリカタになっているという使い方をしますが、それでもバリカタよりも少しカタい状態だったり。だったら、最初から「バリカタ」の一段上のカタさが欲しいと思ったこともありましたな……ここは当然、「バリバリ」で。(後客のお兄さんは「カタめ」で頼んでいましたが、通り向こうの家系店に行ったほうがよさそうですぜ)。
おぉ、いかにもゼラチン質タップン・タップン的な印象のスープ表面。麺がダレるまえに、速攻でスープをひと口……見たまんま、ゼラチン質タップン・タップンですな。圧力寸胴で炊き込んだというこのスープ、豚の臭みやクセを抑え込んで、旨味だけを抽出する手法ですが、使う部位や炊き込み方では豚骨のゼラチン質&コラーゲンが大量に抽出されて、ひと口目から唇がビタビタ張り付く感じ。カエシはかなり強めに効かせており、キレッキレ。ゼラチン質のふくよかさと豚の旨味、それらを醤油のキレでビシッと引き締めるという……いかにもムジャキ的な、優等生的な模範解答。
麺は、極細ストレート。カタさはまさに「ハリガネ」未満の「バリ」(カタ)以上で、ゆで時間が短いため、注文してコートを脱ぎ、席に座る前には配膳されます。麺箱には「麺の麻生」の文字があり、平塚に本社がある「麻生」製の模様。そのためか博多麺とは加水率が違って少し高め、食感・ノド越しのツルリ感が強くて文句ありませんが、ゆで時間が短くなるため、これで「ハリガネ」「バリバリ」のゆで分けは、3秒も違わない職人技でしょう。
具材は、デフォの「らーめん」に対して、チャーシュー2枚追加(3枚)、味玉と海苔も追加され、これで、デフォと150円違いなら「特製」の名に偽りなし。それに、豚骨店にしては味付け濃いめの肩ロース・チャーシューが、キレたスープに実によく合い、味玉も驚きの完成度。さりげなく、こんなクォリティの味玉つけていますが、このレベルの品は滅多にありませんな。

都心の豚骨専門新店はいまや希少な存在ですが、先日訪店した三田の新店も圧力釜使用で、「豚の旨味」にフォーカスした仕様。これに加えて、圧力釜でゼラチン質&コラーゲンもガッツリ炊き出して、それで旨味が薄まらないようカエシでキレをビシッと加え、麺も敢えて博多麺を使わないという……新発想で新たな「地平」を目指した一品。既存のイメージに染まり切ったキャラクターを、庵野秀明が全く新しい角度から見つめなおそうとしているように、コイツは「シン・ウルトラマン」ならぬ、「シン・豚骨」。いずれ「シン・鶏白湯」、あるいは「シン・豚骨魚介」なんてのも、今後あってよさそうな気がしますな……まずは、生まれたての「シン・豚骨」に、拍手。
店舗情報は、こちら。
【記事ご参考になりましたら、こちら(↓)の方をポチッとな】
FC2 Blog Ranking