2019/09/08
中華そば 陽気 大手町店@中電前(広島) 「中華そば」

8月も最終週になって、ようやくとれた夏休み。広島の実家へ戻るとアレも食え、コレも食えと家庭料理三昧、ラーメン食べる隙もありませんでしたが……わずかな間隙を見出して、「陽気 大手町店」へ。場所は広電宇品線が通る鯉城通りに面しており、電停「中電前」のすぐ近く。

1957年に創業した屋台「しまい」から、暖簾分けされたのが「陽気」と「すずめ」、もちろん味もスタイルも似ていました。私は小学校の頃まで観音「すずめ」の近くに住んでおり、両親が共働きだったため、毎日お好み焼きかラーメンかという生活でしたが……その「すずめ」も2015年に閉店。その後にに引っ越した先は、何の因果か江波「陽気」とは徒歩圏で、こちらにもお世話になりましたが、最後に食べたのは12年前。今は支店が広電「中電前」と横川にあるようです。

麺メニューは「中華そば」のみ、具材のバリエーションもなく、江波の本店では暖簾をくぐったらすぐ「1枚」「2枚」と注文するのが慣わしでしたが、券売機もその通りの構成。とりあえず、「中華そば」(600円)をポチッとな。カウンターについて食券を差し出しながら、江波本店のようにニンニクを入れるか聞かれるのを期待していましたが、その風習はなくなった模様。
広島モンの血が、全身で沸き上がってくるような、光り輝く「麗し」の景色。まずは、スープをひと口……「すずめ」とは違う、「陽気」独特の柔らかな味わい。「しまい」系は、カテゴリーとしてはいわゆる「豚骨醤油」になりますが、実際には動物系は豚骨と鶏ガラで、豚骨強めの「剛」の味わいが「すずめ」で、鶏ガラを強めソフトで滑らかな味わいとしたのが、「柔」の「陽気」。醤油ダレも、キレやコクでは敢えて攻めず、ホンワカとした「日常」的な味わいを下支え。ランチ・ローテーションに、週2、週3で入れたくなるマイルド感。
麺は中細ストレートで、博多系の極細よりは太く、標準的な中華麺(中太)よりは細い、「しまい」系独特のセッティング。12年前に食べた時より、もう一歩踏み込んだ柔らかめのゆで加減で、この方がスープのソフトな味わいにはよく合いますが、低加水麺にスープを吸わせる遊びの「余白」が、ちょっと小さくなったような。私のような「広島原人」にとっては、麺のカタさを指定するなんて、想像を絶する「蛮行」ですので、これはこれで受け入れましょう。
具材は、チャーシューに広島細モヤシ、そして万能ネギと、由緒正しき「しまい」系のラインナップ。広島モンが最もコダワるのは、細モヤシの香ばしい風味とカタメの食感ですが、コイツはチョイと育ち過ぎなのか、フツーのモヤシに近い「シレッ」とした風味・食感で、なんとも残念。チャーシューは、伝統的なモモ肉に対して、肩ロースも混じっているようで、こんなところにも時代の流れを感じます。

この日は開店(11時)直後に入店しましたが、働き人に混じってお子さん連れのお母さん。幼い兄妹2人で、1枚シェアするようですが、どうやらいつものことのようで大人しくモグモグ。味も優しく、お子様連れにも入りやすいのが「陽気」の強味なのか……その昔の「すずめ」は、肉体労働者で溢れかえり、おでんとビールで盛り上がって、家族客が入るのはチョイと難しい雰囲気でしたが(私のようなガキが一人でモグり込むことは可能)……消えてしまった「しまい」系と、支店を増やす「しまい」系、その差は案外こんなところにあったのかも知れません。
店舗情報は、こちら。
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