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つけめん・らぁめん 本田麺業@神田 「自家製手揉み つけめん」

本田麺業@神田・20230304・神田
 東十条の大行列店「ほん田」、一昨年(2020年)に秋葉原へ進出してきたときはかなり驚き、なんとか行列回避できないかと、雨・風など悪条件の日を選んで3回ほどチャレンジしましたが……いつも大行列。1月、神田にセカンド・ブランド店「本田麺業」ができたと聞いた時も、所詮縁のない店と思っておりました。
本田麺業@神田・20230304・店舗
本田麺業@神田・20230304・券売機
 週末ウォーキングの起点となる神田駅北口へ移動中、なにげなく西口の「本田麺業」前を通りがかりますと……なんと、営業中なのに行列がない。入口から店内を伺っても、わずかながら空席あり、是非もなく入口脇の券売機へ。
 麺メニューは、「自家製手揉み」を冠する「つけめん」「らぁめん」で、いずれも醤油と塩があります。トッピングも、「焼焼」とは別に「大山どり」「鴨ロース」「海老雲吞」などがあるユニークなラインナップ、「おかわり つけスープ 醤油・塩」が300円というのも、面白い趣向ですな……まずは、筆頭メニューと思われる、「自家製手揉み つけめん 並」(1,000円)を醤油で。支払いは現金の他、クレジット、交通系電子マネー、QR決済に対応。
本田麺業@神田・20230304・つけめん本田麺業@神田・20230304・つけ汁
 オーダー後15分ほどで、「大山どり」と味玉が麺皿に載る「上」が配膳されかけましたが、オーダー違いを指摘すると、2, 3分後には食券通り「並」が到着、リカバリが早い。まずは、つけ汁を一口……なるほど、コイツは高度なワザ。卓上のQRコードから能書きが読めますが、大山鶏、国産豚、乾物などからとったというベーススープ、どちらかといえば鶏主体で旨味重視の味設計。醤油ダレも、濃さよりも旨味重視の設定ですが、両者がクロスするとコクがグンと深まり、結構強めの酸味が加えられていますが、風味・旨味はビクともしないという……さすが「ほん田」と唸るしかない、ハイクォリティ。
本田麺業@神田・20230304・麺
本田麺業@神田・20230304・粉袋
 麺は、ご覧のような超幅広の平打ち手揉み縮れで、店内の製麺コーナーで打った自家製麺。当日ちょうどカウンタの左端に着席していましたが、真横に合ったのがご覧のような「もち姫」の粉袋。「もち姫」って「うどんやパンに使う粉では?」と思いつつ、そのままひと口いただきますと、プルプルッとしたビビッドな口あたりと、モッチモッチと超重量級の弾力とコシ。それに、能書きでは「限界の加水率」で打った多加水麺だということですが、これが噛めば噛むほどと実に甘い。
本田麺業@神田・20230304・麺あげ
 コイツをつけ汁にくぐらせ、ズバァ~~ッっとイキますと……サラリとしたつけ汁に、ツルッツルの麺肌の組み合わせは、いくら縮れがあるとはいえ汁持ち上げはイマイチで、しかも麺の風味・甘みも強いとあっては、さすがに麺が勝ち気味。こういう場合は、つけ汁の丼を持ち上げて、縁から麺とつけ汁をズズズ~~ッとすすり込むに限るのですが……いやぁ、コイツは美味い。酸味のキレで引き締まる、鶏豚の旨味とコクと醤油のコクが、麺の風味・甘みと深くシナジー。こういう高みのカタルシスは、久方ぶりですな……さすが「ほん田」、見事な完成度。
本田麺業@神田・20230304・チャーシュー本田麺業@神田・20230304・メンマ
 具材は、チャーシュー、メンマと、薬味のネギ。チャーシューは、厚切りを細く切り分けたものに、端の切り落としがガッツリ入り、結構スゴい量になっていますが……これはおそらく、オーダーミスに対するお詫びが含まれていると思われ。煮豚タイプにして脂分を抑え、肉の旨味を淡白に表現して、つけ汁のコクと麺の甘みに合わせようという設計思想で、このあたりもさすが「ほん田」、文句のつけようがない完成度。メンマもよく考えられており、食感はコリコリとカタめで、醤油味濃いめ。これもプリモチの麺に絡むことを計算した設計で、実際見事な食べ心地。ちなみにネギは、京都の九条ネギ使用で、少量ですがザックザク。
本田麺業@神田・20230304・スープ割り
 スープ割りをお願いすると、「柚子か生姜か」を訊かれます。このつけ汁は、酸味によるコクの演出が絶妙なので、これを壊さないよう「生姜」でオーダー。すると、ごらんのようなカップで割りスープが提供され、コイツを加えていただきますと……酸味がスッと消えて、動物系と醤油のコクが、今度は生姜でアクセラレートされるという、新潟長岡の味空間。最後まで楽しませていただきました。

本田麺業@神田・20230304・製麺コーナー
 つけ汁と麺のバランスのとり方に、食べ手側のひと工夫は必要ですが、それをクリアした先にあるのは……おそらく現時点で、日本最高峰の味空間。正直言って最近食べ歩くほどに、「値段は高くなったけど、味のレベルは明らかに落ちてきたなぁ」とシミジミ感じておりましたが……この一杯で、少し気を取り直しました。厨房に「ごちそうさま」とあいさつすると、それを待っていたかのように席の近くまで来てお礼をしてくださった方……私の記憶に間違えなければ、「ほん田」の代表、本田裕樹さんじゃないかしら。オーダーミスのお詫びだとしたら……さすが「一流」は、違いますなぁ。

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神保町 可以@神保町 「生姜醤油ラーメン」

可以@神保町・20230121・交差点
 年末進行から引き続きの忙しさ、日曜も早朝から休日出社となるかは、土曜17時までに決めて連絡があるという……なんとも中途半端な週末。とはいえ、約1カ月半ぶりの、仕事から解放された食べ歩き、とりあえずは宿題だった神保町の新店をめぐりましたが……1軒目は臨休で、2軒目は第1・3土曜定休で直撃、3件目は何と前日金曜の営業をもって閉店……こんなとき、私はいつも「可以」のお世話になることに決めています。
可以@神保町・20230121・店舗
可以@神保町・20230121・券売機
 言わずと知れた、高田馬場「渡なべ」系のこのお店、それゆえラーメンの完成度は激戦区・神保町でもトップクラスですが、行列なしでフラリと入れるというありがたさ。メニューは「生姜醤油ラーメン」と「煮干し中華そば」、それに「濃厚つけめん」がレギュラーで、新春恒例の味噌をまだやっていないか淡い期待を持っていましたが、さすがに終わっておりました。それでは約2年ぶりに、メニュー筆頭「生姜醤油ラーメン」(930円)を、ポチッとな。
可以@神保町・20230121・生姜醤油可以@神保町・20230121・スープ
 脂がキラキラと光る華やかなスープに、青菜、ナルト、海苔が乗るという、新潟は長岡のご当地ラーメン「長岡生姜醤油」特有のスタイル。まずは、スープをひと口……いやぁ、相も変わらずキレッキレ。ベーススープはゲンコツ主体のようで硬質なコク、これに生姜のソリッドなキレがカッチリと食い込んで……ここまでは以前と同じですが、醤油ダレのコクと旨味がより深くなっているような印象で、これで全体の味わいに幅というか余裕が生まれているような印象。相変わらず生姜が強烈ですので、この改良は「吉」と感じましたな。
可以@神保町・20230121・麺
 麺は中太の弱縮れ。加水率はやや高めで、プリッとした口あたりとツルリとしたススリ心地、そして実にスムースなノド越しと、食べ応えは文句なし。以前は、スープのキレで麺の甘みを際立たせるようなバランスでしたが、心なしか麺の甘さが力強くなっているような……微妙に加水率を変えたのかしら。スープもキレに加えてコクが深くなっていますので、両者のコンビネーションも、さらに高いレベルに昇華していますな。
可以@神保町・20230121・具材可以@神保町・20230121・チャーシュー
 具材は、チャーシュー、メンマ、青菜にナルトと海苔、そして薬味のネギ。今回非常に驚いたのはこの肩ロース・チャーシューで、火の通り方といい焼き目のつき方といい食紅の彩りといい……コイツはいわゆる「吊るし焼き」なんじゃなかろうか。特有のプリッとビビッドな食感、焼きでしか引き出せない肉の旨味、そして絶妙の味付けと、文句のつけようがない最上の一品。思わず帰り際に券売機をもう一度確認しましたが……これが200円でチャーシュー増しにできるとは。次回からはかならず「焼豚」マシですな。

可以@神保町・20230121・麺箱
 何もかもが値上がりする昨今ですが、この「生姜醤油」も2年前より130円の値上がり。しかし、スープも麺もチャーシューも破格のプログレス、それに週末だというのにワンオペという営業努力で、これなら納得するしかありませんな。激戦区・神保町でもトップを争う完成度、グルメサイトに誘導され極寒のなか大行列のお店もいくつかありますが……果たしてこんなハイレベルな満足度が得られるかな。是非一度、お試しあれ。

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羹と麺 嘉六田@神保町 「光(中華麺)」

嘉六田@神保町・20230128・明治大学
 なにやら「天下一品」関係のお方が、ソレっぽいスープのお店を出したとか。30年以上前、京都で過ごした学生時代からお世話になっている「天下一品」、コイツは聞き捨てなりませんな。場所は明大通り沿いで、明治大学にほとんど隣接。大人気のうどん屋さんの隣の建物が取り壊されたため、裏手から明大が非常にはっきりとよく見えます。
嘉六田@神保町・20230128・店舗
嘉六田@神保町・20230128・口上
 12月オープンのこのお店、難しい漢字が使われている店名は、「あつものとめん かんだ」と読みます。能書きによれば、「羹」(あつもの)とはスープのことを指しているとか。定休が、日曜に第1・3土曜と変則的、土曜食べ歩きがメインの私は、ちょっと訪店が遅れてしまいました。それにしても、立派な立地に立派な外装・内装、これ本当に個人店なのかしら。
嘉六田@神保町・20230128・メニュー
 メニューは「羹」と「麺」の組み合わせで選ぶシステム。鶏と野菜の濃厚白湯で醤油味のスープ「光」には、「中華麺(九州細麺)」か「蕎麦(二八)」を、アッサリ系の塩味スープ「銀」には「中華麺(手揉み平麺)」か「蕎麦(二八)」を合わせられます。とりあえずは、「光」&「中華麺」(890円)をオーダー(後払い制)、すると「ニンニク入れますか」と店員さん……いやぁ、懐かしい。どう懐かしいかは後ほど解説。
嘉六田@神保町・20230128・光嘉六田@神保町・20230128・スープ
 丼に顔を近づけると……おぉ、どこか天一の「こってり」っぽい臭いがしますな。チャーシューやメンマの質感、ネギの盛りっぷりと、昔の天一を彷彿とさせる丼景色。まずは、スープをひと口……なるほど、敢えて野菜でデチューンしましたか。基本的には天一と似たスタイルで、鶏肉を炊き込んだような濃厚な鶏白湯がベース、ただレンゲの写真からもわかる通り、かつてのベジポタ系のように野菜をタップリと炊き込んであり、動物系のクドさをおさえつつも濃厚感を落とさないという、天一のデチューン型。野菜では特にニンジン(?)が面白く感じられ、甘味とコクを微妙にアップ。
嘉六田@神保町・20230128・麺
 麺は、極細のいわゆる博多麺、ご主人はきっと、長年天一に勤める中で、何時かはこれを、やってみたかったんでしょうな……そんな想いが伝わります。低加水で甘みが強い麺とは言え、天一の「こってり」ではどうしても麺が負けてしまう。そこで、スープの濃厚感を野菜でデチューンして、甘味なら最強クラスの博多麺と合わせることで、はじめてあの天一専用麺とは違う麺を、合わせることができる……そんな見事なコンビネーション。ご主人の、長年の夢をかなえる味なのかもしれません。
嘉六田@神保町・20230128・具材嘉六田@神保町・20230128・チャーシュー
 具材は、チャーシュー、メンマと、ネギがタップリ。チャーシューは、モモ肉を煮豚スタイルでシッカリと味付け薄切りで仕上げるという、往年の京都の本流に近いスタイル。東京のFC店では、バラロールだったりして驚くこともありますが、これが本流なんだよな……しかも、驚くほどの薄切り、オールドファンには感涙モノです。メンマもほとんど天一そのもの、ネギはさすがに九条ネギは避けたようですが……使っちゃえばよかったのに。
嘉六田@神保町・20230128・味変
 終盤は味変に挑戦。野菜でコクを弱めたこのスープに、卓上の「熟成みそ」を使って「喝」を入れてみますが……質感は、天一が卓上に置く「辛子味噌」の辛くないバージョン。八丁味噌的なコクと甘さに辛味が微妙に絡んで、ググっと全体のコクを持ち上げますが……スープの野菜類とは微妙な相性。天一の呪縛から離れて、麦味噌ベースにしてみるとか、ひと工夫あってもいい気がしました。

嘉六田@神保町・20230128・卓上
 注文時に聞かれる「ニンニク入れますか」……いまや覚えている人も少ないと思いますが、昔「天下一品」で「こってり」を注文すると、かならずこの質問があって、「入れてください」とお願いすると、最初からニンニク辛味調味料がひとつまみ入って提供されていました。それを聞かず、「ニンニク入りでネギ大、学割り使います」と注文するのが、私の大学時代の口癖でしたな……(ちなみに当時は「こってり」以外の麺メニューはなし)。この件といい、チャーシューのスタイルといい、スープのデチューンの鮮やかさといい……ずいぶん昔から、京都・本店&銀閣寺道店のスタイルを直に知る方がやっているような気がします。天一マニアの方には、特におすすめ。

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辛焦がし味噌たん麺 一向@神保町 「辛焦がし味噌たん麺」

一向@神保町・20221210・路地
【まだ師走の頃の食べ歩き】

 週末にもビシバシ仕事が入る今年の師走、毎週土曜のウォーキング&食べ歩きの時間だけは捻出すべく、今日も5時半起きで仕事。しかしランチタイムは不幸の連続で、湯島・小川町と2軒連続で臨休直撃、さらに歩いて神保町にたどり着きました。ずっと未食のままだった「一向」(ひたすら)へ。
一向@神保町・20221210・店舗
一向@神保町・20221210・券売機
 2020年8月オープンのこのお店、店名通り結構辛いと評判で、辛さが苦手な私としては、「いつか」と後回しにしているうちに2年以上が経ってしまいました。オープン時、メニューは「辛焦がし味噌たん麺」一本だったようですが、その後「辛焦がしらー油まぜそば」「煮干しそば」も加わっています。まずは、「辛焦がし味噌たん麺」(900円)をポチッとな。
一向@神保町・20221210・能書き
 食券を渡す際に辛さを選べますが、「無」から「激辛」まで7段階、さらに有料で「極辛」「天辛」も選べます。「無」は申し訳ない気がしたので、「普通」の下の「少辛」で。調理は中華鍋を2つ使い、片方で味噌を盛大な炎でガンガン焦がしてスープを加え、もう片方では野菜類をガンガン炒めて、マー油をタップリ入れた丼で、麺と一緒に合体させます。
一向@神保町・20221210・辛焦がし味噌一向@神保町・20221210・スープ
 野菜にふりかけられたスパイスと、スープを覆うマー油の組み合わせから、「味噌」とは思えない丼景色。スパイスをスープに馴染ませて、まずはひと口……うん、お味の方も、「味噌」の領域から大きく踏み出していますな。スープ表面を覆うマー油は、香ばしさもニンニク感も油っぽさも実は控えめ、味噌も白主体にブレンドした穏やかなコクで濃さも控えめ、ベーススープも野菜の透明感を感じさせるスッキリとした味わいです。これらに対して、スパイスも決して濃いわけではありませんが、他の要素とのバランスが素晴らしく、これは「味噌」というより、ひと頃流行った「オリジナル・スパイス」系の味わいで、しかも全体をスッキリ感で通底させるというのが「新しさ」。辛さは噂ほどではなく、私でも「普通」で大丈夫だったかも。
一向@神保町・20221210・麺
 麺は、かなり太めの中太弱縮れ。少し柔らかめのゆで加減、モッチリとした口あたりと、重みのあるノド越しが印象的。シッカリとしたゆでにより、甘味が最大限に引き出され、スパイシー&スッキリ感なスープと相性バッチリ、いやコイツは美味いなぁ……チャーシューを崩して野菜類と一緒に麺に絡めれば、最後まで飽きさせない食感と味の変化。
一向@神保町・20221210・具材一向@神保町・20221210・チャーシュー
一向@神保町・20221210・麺と具材
 具材はチャーシューと、タップリのモヤシとキャベツ、そして薬味のネギが少々。モヤシは炒めによる焦げも入って香ばしさもありますが、中華鍋にベーススープも加えてあるのかシンナリ感と旨味も強く、麺・スープとの絡みも実に良好。チャーシューも薄切りの大判で、これを崩しながら野菜や麺と絡めれば、スパイスのリズム感もあって橋が止まりません。

一向@神保町・20221210・卓上
 こういったスパイス系のラーメンは、リズム感が命。それを妨げる、重さやクドさは「大敵」ですが……重さ・クドさに陥りがちな、マー油や味噌を使いながら、なぜかスッキリ感のなかでスパイスのリズム感を活かす絶妙なバランス、そしてシッカリとした麺の存在感と、驚くべき野菜との一体感……う~~む、こんな名品を2年も敬遠していたとは、なんたる過ち。「辛焦がしらー油まぜそば」もどんどん注文が入ってましたから、次はそちらもイッてみましょう。

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二代目 谷瀬家@神田 「らーめん」

谷瀬家@神田・20221217・神田西口
【まだ師走の頃の食べ歩き】

 今年は大晦日が土曜日で、クリスマスイブも土曜日。「なら、いっそのことイブ以降は正月明けまで冬休みにします!」と取引先に宣言されて、こちらは怒濤の年末進行……さすがに今日は週末の食べ歩きは止めようかと思いましたが、こんな時こそリフレッシュが必要。秋葉原で一軒フラれ、神田に流れて西口商店街の新店「二代目 谷瀬家」へ。
谷瀬家@神田・20221217・店舗
谷瀬家@神田・20221217・券売機
 場所は家系店だった「堀田家」の居抜きで、新橋「谷瀬家」の2号店。創業者の谷瀬氏は、新中野「武蔵家」で修業して免許皆伝、ただしそのラーメンは、「武蔵家」同等の豚骨濃度なのに、味わいとしてはなぜか軽いという独特のスタイルでした。さて、メニューはもちろん「らーめん」のみ、「武蔵家」ですのでライスももちろん終日無料で、卓上にはきゅうりの漬物。とりあえず、「らーめん 並」(700円)と「ほうれん草」(100円)を、ポチッとな。好みは全部フツーでお願いしました。
谷瀬家@神田・20221217・ラーメンjpg谷瀬家@神田・20221217・スープjpg
 一見、ほうれん草増しを忘れたのかと思ってしまった丼景色、実はチャーシューの裏にタップリと隠れています(写真は下掲載)。まずは、スープをひと口……おぉ、コイツは新橋本店よりも、さらに軽い。終日煮込むという豚骨は確かに濃厚、しかしジックリと乳化を深めてあるせいかマイルド&スムースで、カエシで加えるコクやキレも実に控えめ。結果として、「家系」はおろか「豚骨醤油」とも違う、ポップ感あふれる軽快な味わいに仕上がっており、コイツは賛否あるでしょう。お店側も挑戦的であることを意識してか、提供後の「濃いめ」調整に対応しており、私も後半で試してみました(後述)。
谷瀬家@神田・20221217・麺
 麺は家系の王道・酒井製麺製で、少し太めの中太ストレート、やや扁平した断面という、典型的な家系麺。フツー指定でもやや柔らかめのゆで加減は、新橋本店と同様で、「武蔵家」系ではままあるスタイル。少しざらついた麺肌が、濃厚な豚骨をよく持ち上げますが、調味を抑えてあるために、麺の甘みがグイッと前に出てくるという、家系とは思えぬバランス設計……ちなみに、麺量が少なくとも180g程度はあって、標準(140g程度)よりはやや多め。「中」や「大」を選ぶ方はご注意を。
谷瀬家@神田・20221217・チャーシュー谷瀬家@神田・20221217・ほうれん草jpg
 具材は、チャーシューと海苔に、増量したほうれん草。肩ロース・チャーシューは、ちょっと低温調理的な仕上げで肉本来の旨味を引き出してあり、その肉汁あふれるプリッとしたスタイルは、単純な煮豚タイプがほとんどの家系にあっては、かなり異色。ほうれん草は、チャーシューの下にタップリと隠れていますが、ゆるめの搾りでポップなスープをさらにポップにしてしまうという……スタイルとしては新橋本店に似ていますが、新橋店よりスープがポップなために、その影響もやや強め。
谷瀬家@神田・20221217・濃いめ
 さて、後半は当然、味変に挑戦。まずは厨房に丼を返して、「味濃いめ」を追加指定、するとレードルで結構な杯数カエシが追加されて、ご覧のような見た目の濃さに変身。ひと口いただきますと……いやぁ、これでも「武蔵家」系としては「軽量クラス」。さらに、卓上の無臭ニンニクと「一味の醤油漬け改」を投入しますと、さすがにコクも分厚く、キレも鋭く立ち上がって、ようやく「攻撃的」な雰囲気が出てきます。

谷瀬家@神田・20221217・能書き
 調味を加えなければ、豚骨をどんなに濃く煮出しても、風味と旨味以外はごく淡いモノだとか。だからこそ、九州各地の調味の違いや、家系的な演出が、豚骨を舞台に繰り広げられるわけですが……家系という最も派手な演出を競う世界にあって、敢えて豚骨本来の風味や旨味に拘ろうという、驚くべきアプローチ。私が後半で「味濃いめ」を追加指定したとき、店員さんから一斉にかかった「途中でも味の濃さを変えられますからね~」との呼び声が、この店が何を狙っているのかを、如実に表していますな……東京でも最も有名な家系店の至近に位置し、超有名店の支店の隣というロケーションにあるからこそ、本店よりも「攻めて」いるのでしょう。どの程度の支持が得られるか、興味深く見守っています。

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プロフィール

miles

Author:miles
 千葉南西部や都心のラーメンを食べ歩きながら、某サイトへ5年にわたりアレコレ書いてきましたが、都心に引越し連載も1,000回を越えたあたりでこちらへシフト。他の話題についても「So What?」な気分で、アレコレ書いていこうと思います。
 とはいえ、ほとんどラーメンの話題になってしまうのか……

年齢:マジ・オッサン
仕事:今は三茶系・半フリーランス
オッサンゆえの自己ルール:
 ・6人以上の店外行列はパス
 ・週3杯以内、日1杯以内
 ・連食・副食・大中盛NG
 ・移動は電車&徒歩
 ・移動時間30分以内
 ・飲み後のシメNG

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