2023/09/18
鶏白湯 洞窟@飯田橋 「濃厚洞窟ラーメン」

台風は去りましたが、かわりに高気圧が張り出してきて、猛烈な暑さ。私も歳には勝てず、今年からUV99%カットの折りたたみ日傘を持ち歩いていますが、コイツがなければこの炎天下の移動は不可能ですな。傘を頼りに飯田橋某店を訪れますが……定休日ではないはずですが、何の掲示もなく閉店。ガッカリして帰ろうとしましたが、すぐ近くの宿題店「洞窟」が、定休日のはずなのに営業中、そのまま吸い込まれました。

2022年6月オープンのこのお店、当初は土・日が定休で昼のみ営業だったはずですが、やはりコロナの影響なのか日曜のみ定休となり、水・木・金・土は夕方から中華料理店として夜営業、カウンター4席、テーブル席6席ですので、ちょっとした宴会にも使えそうです(予約可)。

メニューは、濃厚鶏白湯の「濃厚洞窟ラーメン」と、あっさり鶏白湯の「洞窟ラーメン」の2本立て、それぞれ基本で1,100円、1,000円オーバーからスタートというのが、時代を感じさせますな……「豚骨や鶏白湯は価格設定低め」というかつての常識は、もはや通用しないようです。それでは、大きな「洞窟おすすめ!」表示がまぶしい「濃厚洞窟ラーメン」(1,100円)を、ポチッとな。
スープ表面が泡立った、いかにも濃そうな鶏白湯。まずは、ひと口……おぉ、混じりっけなしのド鶏白湯、いわば「鶏白湯ストレート」ですな。鶏のみを圧力釜で炊き上げたと思われる、濃厚ゆえ臭みすら感じられるド鶏白湯。しかも、カエシも醤油以外の旨味・風味が感じられず……かなり気合の入った「シンプル&ストレート」なポリシーですな。そのカエシもあえて弱めで、とにかく超濃厚な鶏の風味・旨味をガンガン前面に押し出し、口腔を満たして有無を言わせぬ、そんなキッパリとしたスタンスが、清々しくさえありますな。
麺は、茶褐色の細ストレート。その強い甘みと香ばしさ、多少ザラついた麺肌と微妙にボソッとした端切れ・触感、明らかに全粒粉を使った麺ですが……他店でよく見る「全粒粉を混ぜた」程度の使い方ではない、圧倒的な「全粒粉量」を感じます。細麺にしてあるからこそ麺本来の力強さがダイレクトに伝わり、細麺にしてあるからこそ濃厚なド鶏白湯をどっぷり持ち上げて、両者「真っ向勝負」となるわけですが……いやぁ、全然負けていない、これはかなり驚き。
具材は、鶏ムネ肉3枚と、タップリのキクラゲに粗刻み玉ねぎ、そしてアクセントにアスパラ2本。印象的なのはキクラゲと玉ねぎの「量」で、ちょっとヤリ過ぎと思えるぐらいタップリと入ります。まぁ、純粋に濃いスープと、超純朴な麺からなる構成に、「飽き」を感じさせぬための工夫なのでしょうが……飽きを感じるのは触感ではなく味わいなので、岩海苔とかもう少し別の工夫が必要だったかも。鶏ムネ肉はかなり厚い大判で、味付けは淡泊ですが当然のごとくド鶏白湯にはよく合います。

2010年代前半の、鶏鶏白湯ブーム。その初期に有名になったお店は、魚介や野菜のひねりを感じさせない、ド鶏白湯がウリでしたな……それでもその後、魚介系・魚粉系とのコラボを発展させる方向で競争が激化し、「それが鶏白湯」という常識が形成されて来ましたが……あのブームから約10年以上経ち、これまでの鶏白湯をめぐるアレコレを、まるっとすべて原点に戻してしまえという、「はじめ人間ギャートルズ」的な過激さを漂わせる一杯。鶏白湯ブームも今は昔、昭和のアナーキズムを受け継ぐオジさんには大ウケの一杯ですが、令和の若者には、さて。
店舗情報は、こちら。
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