2023/06/25
麺響 万蕾@菊川・森下 「醤油らーめん」

このところ土曜日は、4週以上も雨にたたられ、ついには体調すら崩してしまって、大幅に制約を受けた週末ウォーキング。ようやく、曇りながら雨なしの予報、森下から東、四ツ目通り方面へ向かうことにして、途中宿題にしていた菊川「麺響 万蕾」を訪店してみることに。お店は周囲にほとんど店舗のない、住宅街のど真ん中にあります。

2月オープンのこのお店、松戸で間借り営業していたお店が、みのり台で独立店となり、菊川に移転してきたものとか。かつて千葉北西部に住んでいましたので、「みのり台」とか「くぬぎ山」とか、ローカル色豊かな新京成の駅名を聞くと、いまでもなぜかホッとしてしまいます……オープン時は大行列だったようですが、場所が場所だけに、今は土曜お昼時でも客入りは5割ほど、ほとんど地元の方のようです。

メニューは「醤油」「白醤油」「潮」3種の「らーめん」と、「混ぜSOBA」というラインナップ。壁の能書きを読んでいると、「白醤油」や「潮」が面白そうですが、一見さんには醤油がオススメとも書いてあり、ここは素直に従い味玉つけて、「味玉醤油らーめん」(1,000円)をポチッとな。
ネギなしで水菜のみという、意外性のある薬味構成の丼景色。まずは、スープをひと口……旨味の「引き立て方」が、なんともユニーク。貝出汁と煮干出汁が主体のこのスープ、貝も煮干しも外連味のない着実な旨味の引き出し方で、コハク酸とイノシン酸のシナジーを地味に追及。その旨味のシナジーを、極めて微かな「苦み」でギュッと絞り引き立て、ソリッドに仕上げているのがハイライト。背黒煮干的な苦み、カエシの醤油による苦みなどが、各食材の多くの旨味を集約し引き絞って、まさに「万蕾」(多くの雷と轟音)の迫力を生んでいます。
麺は中細ストレート、私が病み上がりのせいか、麺量はやや多めの160g程度に感じたり。スッキリとした甘みの小麦粉を使い、多少柔らかめにゆであげて、中庸な歯切れ・歯応え・ノド越しから、シンプルで伸びやかな味わいが舌にスッと伝わります。そして、スープを引き締めている微妙な「苦み」が、麺とスープのシナジーもグッとソリッドに引き立てて、いやぁ……コイツは美味い。多少多めに感じる麺量が、いつまでも続くような「口福」感を演出します。
具材は、チャーシュー2種とメンマ、海苔と水菜に、追加の味玉。最も印象的だったのは、実は水菜。この水菜をよくスープと麺に馴染ませ絡めていただきますと……そうか、水菜はネギのような辛味はありませんが、ごくわずかな「苦み」があって、これが醤油・煮干しの苦みと見事にシナジー、旨味の「万蕾」化をさらに加速させます。低温調理の肩ロース・チャーシューも絶品ですが、鶏ムネ・チャーシューもキリッと引き締まった味わい、味玉は醤油濃さより旨味の濃さで勝負する面白いタイプで、引き締まったスープによく合います。

背黒煮干し・醤油・水菜の風味よりも苦みにフォーカスし、食材それぞれの旨味を強めるより、微妙な苦みによる各旨味の集約により、味を「万蕾」化し唯一無二の一撃を加えるという、実にユニークなアプローチ……セルフのウォーターサーバーの上には、丼に腰かける「鬼滅の刃」我妻善逸のフィギュアを展示。ひとつの食材の味わいの突出を許さず、相互に響き合わせながら、「苦み」でエネルギーを集約し、「雷の呼吸 壱ノ型」で「万蕾」化させた味を、神速の一撃で客の味覚に刻み込む。その見事なキレ味に、オジさんは震えました。
店舗情報は、こちら。
【記事ご参考になりましたら、こちら(↓)の方をポチッとな】
FC2 Blog Ranking