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麺屋 五常 ウィング新橋店@新橋 「濃厚魚介豚骨つけ麺」

五常@新橋・20230701・汐留地下
 またしても土曜狙い撃ちで激しい風雨。都心部地下のウォーキングコースもそろそろネタ切れですが……久々に、汐留・新橋間を何往復化してみることに。腹ごしらえは、新橋駅東口の地下街「新橋ウィング」の「麺屋 五常」で。
五常@新橋・20230701・店舗
五常@新橋・20230701・口上
 「石月」「石楽」など蕎麦の分野を中心に、手広く飲食ブランドを展開する会社が運営元、この「五常」も一度2021年春に新橋や新宿、大阪など立て続けに展開が始まりましたが、なぜか比較的短期にほとんど撤収。2022年にあらためて再展開を開始して、新橋ウィング店オープンは1月オープン。店頭の能書きを読むと、再展開へ向けて麺や味を作り直した気配がありますな。
五常@新橋・20230701・メニュー
 メニューは「濃厚魚介豚骨つけ麺」とその「辛」バージョンの2系統、さらに麺を「胚芽麺」か「もちもち麺」から選べます。とりあえず、「濃厚魚介豚骨つけ麺」(1,100円)の並盛りを胚芽麺で、ポチッとな。デフォで1,100円とは時代を感じさせるプライスですが、大盛りも同料金で、特盛りにしても50円増しと、食いしん坊には良心的。麺ゆでに11分かかると店内掲示がありますが、食券を渡して約7分ほどで丼到着。
五常@新橋・20230701・つけ五常@新橋・20230701・つけ汁
 蕎麦のような麺肌の色合いと、いかにもドロ系っぽいつけ汁表面が印象的。まずはつけ汁をひと口……いわゆる豚骨魚介の「またおま」系的なファーストタッチですが、味は資本系とは思えないほど、かなりユニーク。動物系は、豚骨・豚頭・豚足などに鶏ガラ・モミジを合わせたコラーゲン重視のシフトで超濃厚。これに対して魚介系は、煮干しはアジ干しをメインにガツンと効かせ、イワシ系の煮干しで下支えしておいて、仕上げにサンマ干しをガツンと加えるという……苦みを帯びたソリッドステートな風味・旨味が、濃厚な動物系の中からグイグイと立ち上がってくるような、往年の「麺屋武蔵」を彷彿とさせる力強さ。
五常@新橋・20230701・麺
 麺は、菅野製麺と共同開発したという特注の「胚芽」麺。ただの全粒粉・低加水麺とはひと味違う、朴訥とした力強い甘味・風味が印象的で、そのままでもスナック感覚でスルスルと食べ進められたり。コイツをつけ汁につけ、ズバァ~~ッとイキますと……完全に麺をくぐらせると、濃厚なつけ汁が勝ち気味ですが、両者のバランスを取りながら頬張りますと、チョイと他では食べられないほどの「口福」感。特に胚芽の力強い甘味と、魚介豚骨のソリッドな旨味が織りなすハーモニーには、資本系とは思えない、突き抜けたカタルシスがありますな。コイツは美味い。
五常@新橋・20230701・具材五常@新橋・20230701・チャーシュー
 具材は、チャーシュー、メンマ、ネギ2種と柚子。バラ肉チャーシューは、やや低温調理気味に仕上げて、提供前にバーナーで炙りを入れるという面白い手法。炙りで豚の風味が際立って、麺・つけ汁が織りなすユニークなコラボに、実に印象的なアクセントを加えます。メンマも、ゴマ油の風味を強調したユニークな一品で、コイツも実に面白いアクセント。
五常@新橋・20230701・スープ割り
 カウンター上にポットで提供されている割りスープ。味は薄めの煮干し出汁だと思いましたが、コイツで割って濃厚感を下げて初めて、多めに入った柚子の風味が活きてくるという趣向。さすが資本系、最初から最後まで、手を抜かず実に緻密に考えられた構成ですな。

五常@新橋・20230701・卓上能書き
 2021年に展開を始めたときには評判もイマイチで、私も1回フラれたままリベンジもせず、2022年に再展開を始めた時も、あまり食指が伸びませんでしたが……それが大きな判断ミスだったと、シミジミ思い知った一杯。1990年代の終わり頃、「麺屋武蔵」が秋刀魚干しで話題をさらい、その流れで2000年代前半の魚粉系豚骨魚介ブームが形成されていきましたが、派生としてのアジ干しアレンジは、風味のクセが強いため、多く試みられたものの成功作は少数でした……あれから20年、当時成し遂げられなかった「正解」のひとつが、目の前にあったり。これだから食べ歩きは止められない、積年の課題に対する偉大なるチャレンジに、拍手。

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ハちゃんラーメン@浜松町・大門 「味玉醤油」

ハちゃん@浜松町・20230429・路地
 あの「麺処ほん田」を、東十条本店の頃から秋葉原移転にかけて、9年にわたり支え続けたベトナム出身のハ料理長が、2月末に独立、4月に新店を立ち上げたとか。いつものようにオープンから少し間を空けて訪店してみましたが……臨休直撃。1週間後にリベンジしました。お店は浜松町駅北口から、汐留イタリア街方向に2, 3分少し歩いたあたり。
ハちゃん@浜松町・20230429・店舗
ハちゃん@浜松町・20230429・券売機
 4月2日オープンのこのお店、「ハちゃん」の「ハ」は、和数字の「八(はち)」ではなく、ハ料理長のカタカナ「ハ」になります。メニューはラーメンが「醤油」と「塩」、昆布水つけ麺にも「醤油」と「塩」があり、あとは「まぜそば」やご飯類。まずは、筆頭メニューの「醤油」に味玉つけて(1,100円)。店内は、私が着席して満員になり、その後店頭に10人程度の行列ができていました。
ハちゃん@浜松町・20230429・醤油ハちゃん@浜松町・20230429・スープ
 行列嫌いの私も、先日ようやく「ほん田」直系の一杯に触れることができましたが、なるほどスープのたたずまいが似てますな。まずは、ひと口……なるほど、味もまさに「ほん田」直系。ベースは鶏の旨味タップリの清湯で、鶏油のせいか風味も全く鶏系ですが、コクにソリッド感が少しあるので、豚も併用しているかも。分厚い旨味には魚介の柔らかなサポートが感じられますが、イリコの段ボールが見えることから、そういうことかも。ただ、このスープの主役は何といっても醤油カエシで、ドスンとヘビー級のコクに、旨味で加速されたキレもプラス。この「醤油アグレッシブ」感は、先日体験した「ほん田」直系を彷彿とさせます。
ハちゃん@浜松町・20230429・麺
 麺は、心の味製麺製の中太ストレート。モッチリとした食感と、滑らかなノド越し。全粒粉使用で甘みも強く、かなりパワフルな麺ですが……ストレート麺ですが角型の断面ゆえ、結構スープ持ち上げがよく、あの醤油カエシの打撃力に対して、この麺でもやや押されかも……厨房には麺箱がいくつかあり、そういえば券売機には「手打ち変更ラーメンのみ」(100円)があったことを退店時になって気づきましたが、こいつは試してみるべきだったかも。
ハちゃん@浜松町・20230429・具材ハちゃん@浜松町・20230429・チャーシュー
ハちゃん@浜松町・20230429・味玉
 具材は、チャーシュー2種と追加の味玉、薬味のネギと結構シンプル。チャーシューは、低温調理の肩ロースと、煮豚タイプのバラ肉が一枚ずつ。鶏に隠れて豚も感じるスープですので、2タイプのチャーシューはどちらも抜群の相性で、肩ロースの肉の旨味がベースとシナジーする上に、煮豚ゆえスープをよく吸うバラ肉の中で、肉汁と醤油ダレが渾然となるあたりがクライマックス。味玉もカタゆでですが、その方がスープの醤油インパクトをよく受け止め、ネギも風味の強いモノが多く入りやや「ウルサめ」ですが、動物(鶏)系の主張が意外に強いスープに対して、よい「リズム感」を加えます。鶏的な印象の強い一杯ですので、味変には卓上のホワイトペッパーがオススメですな。

ハちゃん@浜松町・20230429・卓上
 広島→京都→上京の私には、「醤油アグレッシブ」感が印象的な一杯ですが、関東圏の人にはこれで「どストライク」なのかも。確かに上京した直後に遭遇した、蕎麦の真っ黒なつゆには、心底驚きましたが……この一杯も、先日体験した「ほん田」直系の一杯も、関東ど真ん中だからこそ成立している味空間だとも思えたり。ベトナムご出身のハさんも、この味空間はさぞかし衝撃的だったと思いますが、敢えてそれを武器に独立するという、果敢な挑戦。今は関東圏の食べ手だからこそ、応援してあげて欲しい一杯でした。

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〇新 ネギラーメン@新橋 「ラーメン」

ネギラーメン@新橋・20230422・交差点
 東京近郊で「ネギラーメン」といえば「ラーメンショップ」。もともと千葉の西南部で食べ歩いていたこの私、当時は近隣の街道沿いにラーショも多く、自宅から徒歩圏に千葉ではネギラーメンの代名詞のようなお店もあったり……都心に引っ越してきて、ラーショから隔絶された食べ歩きをすること10年以上、このお店の開店情報には、「心ときめく」以上の喜びがありました。お店は、新橋二丁目交差点の角地にあります。
ネギラーメン@新橋・20230422・店舗
ネギラーメン@新橋・20230422・メニュー
 4月オープンのこのお店、都心でラーショ・インスパイヤで遊ぶなぞ、どこか資本系のお店に違いなく、店内・店頭に柏「王道家」の麺箱が積まれているということは、そういうことなのでしょうな。店名ロゴの両横を「うまい」で挟むあたり、ギリギリ大丈夫なのかとか、ちょっと心配になってしまうよな遊び感覚。
ネギラーメン@新橋・20230422・券売機
 メニューは、「ラーメン」「コテラーメン」「つけ麺」の3系統。筆頭が「ネギラーメン」(880円)なのは当然として、「ラーメン」が680円というのは、このご時世&新橋至近ではインパクト大。実は、かつてラーショを食べ慣れ、「ネギ」の最高峰が身近だった私としては、「ネギラーメン」よりも「ラーメン」に興味津々、コイツと「味玉」(100円)を、ポチッとな。「チャ飯」が80円というのも惹かれますな……オジさんは、自己ルールでNGですけど。
ネギラーメン@新橋・20230422・ラーメンネギラーメン@新橋・20230422・スープ
 ラーショ特有の薄青の丼でないのが残念ですが、テラテラと脂で光るワカメが、ラーショ感を醸す丼姿。表面を覆う背脂層がそこそこ厚いので、よく混ぜ合わせてスープをひと口……都心に合わせ、「ソフィスティケート」されたラーショですな。基本はもちろん豚骨醤油、ただ「ネギ」に絡ませたタレが加わるのが前提なのか、基本では醤油ダレは少し弱めで、背脂は私が経験してきたラーショの中では多めの部類。ラーショ特有の化調による演出も控えめで、実に「穏やか」な味わいですな……それだけ、味変の余地が大きいということ。
ネギラーメン@新橋・20230422・麺
 麺は「王道家」特製のようで、微妙な縮れが入った、やや太めの中太麺。小麦粉の配合が似通うのか、味は家系麺的なニュアンスが強く、よくあるラーショの中加水麺とはかなり違う。こんな本格的な麺が、ラーショ的に敢えて薄っぺらく演出されたスープに絡むあたりがこの一品のハイライトで、コイツはなかなか面白い。麺がシッカリしていますので、後半の味変でも大いに遊べます。
ネギラーメン@新橋・20230422・具材ネギラーメン@新橋・20230422・チャーシュー
 具材は、チャーシュー、ワカメ、ネギに海苔、そして追加の味玉。チャーシューはご覧のような大判で、モモ肉と思えるようなハードな食感。噛めば噛むほど味が出るような演出で、千葉西南部ではこういうタイプは珍しかったと思いますが……柏・松戸など千葉西北部ではこれがデフォなのかしら。これに対して、ラーショでワカメは、関東圏ではお約束ですな……あぁ、もっと入れてほしい。100円でもいいので、トッピングのメニューに追加検討を。

ネギラーメン@新橋・20230422・卓上
 都心に引っ越してきて10年以上、ついに実現した「都心にラーショを」という夢。ただ、「ラーショ」=「ネギ」というのは、「ラーショ」が生活の一部だった人間の間隔とは、ちょっと違うんだよなぁ……ネギに絡むタレの強さを、デフォのスープからあらかじめ引き算してあるため、「ネギラーメン」でないメニューを注文すると、やけに「穏やか」に感じられるというシンドローム。この辺も昔のラーショでは、実は解決済みの問題だったり……「都心のラーショ」という、実に貴重な実験。王道家さんには、さらなる改良を期待します。

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トリポタラーメン SUNDAY@大門 「有明産高級ばら海苔ラーメン」

SUNDAY@大門・20230211・増上寺赤門
 12月から2月上旬にかけての激烈な仕事ピークをなんとか乗り切り、昨夜はちょっと飲み過ぎてしまった週末土曜日。大門は増上寺赤門あたりは外国人観光客でごった返し、コロナ前の賑わいが戻ってきましたな……あの「THANK」がまた面白い店を出したというので、そちらへ。
SUNDAY@大門・20230211・店舗
SUNDAY@大門・20230211・券売機
 場所は、増上寺赤門前を左折して、150mほど南へ進んだあたり、以前「THANK」系の「チリトマラーメン THANK」があったところで、今年1月にリニューアル・オープンしたもの。メニューは「ラーメン」一本で(限定麺は未確認)、あとはトッピングのバリエーション。基本の「ラーメン」(900円)にしようかとも思いましたが、「超おすすめ」表示が気になって、ついつい「有明産高級ばら海苔ラーメン」(1,200円)をポチッとな。ちなみにこの券売機、お札を入れる場所が足元近くの低い場所にあるという不思議なレイアウト、店員さんがほぼ付きっ切りで対応していましたが……
SUNDAY@大門・20230211・海苔ラーメンSUNDAY@大門・20230211・スープ
 スープの色・質感や、チャーシューの焼き目の色が、「超濃厚」を訴えかける丼景色。まずは、スープをひと口……これはやっちゃったかな。鶏白湯に濃厚な野菜ポタージュを合わせたこのスープ、能書き(写真は下掲)通り、カボチャやニンジンの風味が感じられ、鶏白湯のクセを完全に抑えてソフトな風味に仕上げています。カツオ出汁で加えた旨味もシッカリと効いていますが……バカ舌なのでアテにはなりませんが、私の味覚では「塩味がほぼゼロ」。本来は椎茸・貝柱などでとった塩ダレが効いているはずですが、忘れたのかもしれませんな。「じんわりやさしい味わい」がモットーのようですので、これが本来の味なのかもしれませんが……
SUNDAY@大門・20230211・麺
 麺は、中太ストレート。中加水ですが小麦ギッチリ感が漂う重量級の麺、これが少量の重量級スープのなかでキッチリ麺線を整えられているために、持ち上げにくかったり、すすりにくかったり……オープン当初、麺量が少ないとのネット情報も見かけましたが、それで急遽増やしたのかしら。ただ、そうした食べ難さをのぞけば、質感・歯応えとも文句なしで、この重厚な甘味が、重厚なスープにさぞかしよく合うのでしょうが……さて。
SUNDAY@大門・20230211・具材SUNDAY@大門・20230211・チャーシュー
 具材は、チャーシュー、メンマ、薬味のネギと、タップリ盛られた「有明産高級ばら海苔」。肩ロース・チャーシューは煮豚タイプで、表面の焼き目クッキリ。ただ見た目よりは味付けはソフトで、スープのソフトな味わいとも絶妙なバランス。このあたりは、スープの塩味にかかわらずよく合うと思えました。メンマも、能書きによれば愛媛県産の孟宗竹使用とか、この業界で国産メンマ使用とは驚くべき企業努力。
SUNDAY@大門・20230211・海苔
 そして注目は、有明産の海苔。風味は思ったほど強くありませんでしたが、旨味はさすがに非常に強く、コイツはイイ。鶏の濃厚な旨味に対して、グルタミン酸系の旨味の大量投入はさすがに効き目抜群で、両者のシナジーは目を見張るほど。ま、これに塩ダレに含まれる椎茸のグアニル酸系が加われば、驚くべき「三位一体」が完成したのでしょうが……さて。

SUNDAY@大門・20230211・能書き
 最近、あちこちでペジポタ系の復権を感じるようになりましたが……極めつけは、「野菜のみ」というお店も登場したり。ただ、日本にはもともと「サラダ」的な生食文化は当然なく、味噌を使ったり漬物にしたりと……要するに、野菜を味わう上で「塩」はなくてはならない存在だったり。それを極限まで抑えた、あるいは入れるのを忘れたこの一杯。(もし塩ダレを入れ忘れたのなら)まずは、店頭の券売機を改良して全体のオペレーションに余裕を持たせ、提供前に一応味見をしてみるところから、改善してみてはいかがでしょうか。

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豚麺 気@三田 「とんこつラーメン」

気@三田・20221224・路地
【まだ師走の頃の食べ歩き】

 世間はクリスマス・イブの土曜日ですが、仕事の方はそんなことはお構いなしの年末進行。今日も午前中は仕事をこなして、午後ようやくひと息ということで、三田の新店「豚麺 気」へ。
気@三田・20221224・店舗
気@三田・20221224・券売機
 12月オープンのこのお店、場所は「元祖竹岡式ラーメン 竹福」があった場所ですが、店内は箸も含めて全く変わらず、充実した酒やおつまみ構成などスタイルも同じで、どうやら居抜きではなくリニューアルのような気が。メニューは「とんこつラーメン」がメインですが、「特製 辛味噌ラーメン」も加わるのが特徴ですな。
気@三田・20221224・おつまみ
 それにしても、基本の「とんこつラーメン」が990円とは、すごい時代になりましたな……それと、「チャーシュー増量」が220円で、「とんこつチャーシューメン」が1,210円というのは当然ですが、「高菜増量」も220円で、「高菜とんこつラーメン」が1,100円というのはどういう「算数」なんでしょう……これがオススメという意味かしら? そんな気もして「高菜とんこつラーメン」で。麺の硬さが指定可能で、今回は「バリかた」で。
気@三田・20221224・高菜とんこつ気@三田・20221224・スープ
 大判のチャーシューが2枚とタップリのキクラゲという、博多豚骨系にして豪華な丼景色ですな。まずは、スープをひと口……これは博多豚骨系とは違う、ひと頃流行った豚清湯の「白湯版」ですな。100%豚のみで、圧力寸胴により作ったというこのスープ、いわゆる豚骨的な臭いやクセがほとんどなく、つまりいわゆる豚骨的な濃厚感も全くなくて、博多系では特に強いカエシによるキレもなく、ピュアに「豚の旨味」だけにフォーカスを絞った、思い切りのいい作り込み。ひと頃、こういうアプローチの豚骨清湯が流行りましたが……それを白湯に置き換えているという印象。既成概念にとらわれず味だけに集中すれば、いや相当な完成度です。
気@三田・20221224・麺
 麺は三河屋製麺製で、いわゆる極細の博多麺。ゆで加減は「粉おとし」から「やわらかめ」まで6段階で指定可能で、「バリかた」指定でしたがドンピシャリ。ボリボリとした歯切れを楽しめる極細麺、低加水ゆえ甘みも強く、それをカエシの塩味ではなく、スープ自体の旨味で引き立てようという面白い構成、コイツはやはりかつて流行った「豚骨清湯」の系譜ですな……麺量も、いわゆる博多豚骨系の量(120g程度)よりも多く、食べ応えは十分です。
気@三田・20221224・具材気@三田・20221224・チャーシュー
 具材は、チャーシュー、キクラゲに万能ネギ、そして追加した高菜は別皿提供。チャーシューは、いわゆる低温調理系で、この一杯を「博多豚骨」系とみるなら、かなりの異色。調味を抑えて豚肉本来の風味・旨味を強調するスタイルで、スープのスタイルとドンピシャリ。しかも比較的厚切りな上大判で、コイツは食べ応えがありますな……この辺も、いわゆる豚骨ラーメンっぽくない部分。
気@三田・20221224・高菜
 さらに、別皿提供の高菜も、意外なほど量がタップリ。豚骨に付く高菜にはいくつかタイプがありますが、これは辛さはほどほどにして旨味にフォーカスしたタイプで、予想通りグルタミン酸系の旨味が、スープによる豚の旨味(イノシン酸系)とシナジーして、あまりの美味さにウットリするほど……この旨味のカタルシス、値段なりのクォリティはあったりして。

気@三田・20221224・卓上
 従来の「豚骨」という概念から一歩踏み出し、「豚の旨味」のみにフォーカスした、コンテンポラリーなアプローチの一杯。その問題提起は、前店の千葉・竹岡式とは次元が違い、こんな三田の路地裏で展開すべき内容ではありませんな……「ネオ・豚骨」というべき新たなスタイル、いずれターミナル駅の激戦区で世に問われるべき一杯だと思いますが、まず三田の路地裏にある今のうちに、興味ある方は是非。

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プロフィール

miles

Author:miles
 千葉南西部や都心のラーメンを食べ歩きながら、某サイトへ5年にわたりアレコレ書いてきましたが、都心に引越し連載も1,000回を越えたあたりでこちらへシフト。他の話題についても「So What?」な気分で、アレコレ書いていこうと思います。
 とはいえ、ほとんどラーメンの話題になってしまうのか……

年齢:マジ・オッサン
仕事:銀座・新橋から離れ、今は世田谷系・半フリーランス
オッサンゆえの自己ルール:
 ・6人以上の店外行列はパス
 ・週3杯以内、日1杯以内
 ・連食・副食・大中盛NG
 ・移動は電車&徒歩
 ・移動時間30分以内
 ・飲み後のシメNG

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