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とりジンジャー@仲御徒町・御徒町 「とりジンジャー」

とりジンジャー@御徒町・20220812・御徒町
 世間は8月11日からお盆休みですが、初日は仕事でつぶれ12日(金)から束の間の夏休み。御徒町あたりを歩くのも久々ですが……インバウンドが再開したせいか、宝石系のお店もドンドン営業し始めた印象ですな。今日目指すお店も、宝石デザイナーの方がやっているとか。
とりジンジャー@御徒町・20220812・店舗
とりジンジャー@御徒町・20220812・口上
 8月1日オープンのこのお店、看板もなく分かりにくい佇まいですが、店頭にドカンと据えられた冷凍ラーメン自動販売機が目印。店内には英語の口上、曰く2017年には世界ラーメン・グランプリ的なアワードに挑戦して見事敗退、以降NYの一風堂で修業して、2020年にLA、2021年にLondonで間借り営業を経た後、帰国してお店をオープンしましたが、宝石デザイナーの仕事も兼業しているとか。なんか、ネット情報とずいぶん違う気がしますが(笑、でも多分ネット情報の方が正しいかも)、宝石業と兼業は事実のようで、週4日と変則営業(火・土・日・祝休み)。
とりジンジャー@御徒町・20220812・券売機
 メニューは「とりジンジャー」と「グルテンフリー麺とりジンジャー」の2系統、まずは筆頭の「とりジンジャー」(880円)を、ポチッとな。テーブル席のみで、卓上には「追いジンジャー」なる「ウルトラ蒸しショウガ」の解説漫画があります(写真は下掲)。開店当初は自動的に出てきたようですが、今は店員さんに声掛けして出してもらう感じ。ま、とりあえずはそのまま「デフォルト」を味わいましょう。
とりジンジャー@御徒町・20220812・とりジンジャーとりジンジャー@御徒町・20220812・スープ
 黄金色のスープに浸された、極細麺のギッシリ感。まずは、スープをひと口……これは「NANNISH」インスパイヤというか、中華では「鶏絲湯麺」のインスパイヤというか、つまり「王道」、誰もが「美味い」と感じる方向ど真ん中ですな。丸鶏スープの、ボディ感を敢えてそぎ落として旨味のみにシェープアップ、それに程よい塩ダレで微妙に輪郭線を引きつつ、ガツンと生姜で思い切り「隆起」させるという、誰もが目を見張る「定番」の美味さ。シンプルながら、この方法論がどれほど人気を集めているかは、最近の「NANNISH」の発展ぶりから理解いただけるでしょう。
とりジンジャー@御徒町・20220812・麺
 麺は三河屋製麺製で、極細に近い細麺ストレート。この辺は「NANNISH」よりも、中華の「鶏絲湯麺」に寄せた考え方。加水率は低めで、ただでさえ麺の甘みが強いのに、それが生姜でソリッドに絞り込まれ、さらに鶏の旨味で浮き彫りとなって……いやぁ、コイツは美味い。塩味でなく生姜と旨味で押し出すタイプですので、「鶏絲湯麺」によくある縮れ麺にしてもう少しスープを持ち上げさせても、面白いかも。
とりジンジャー@御徒町・20220812・ジンジャーとりジンジャー@御徒町・20220812・チャーシュー
 具材は、鶏ムネ肉の薄切りと、メンマ、おろし生姜とフライドオニオンに、チョコンとカイワレとクコの実が乗り、さらに今どき珍しい店名入りの海苔。鶏ムネ肉は写真では分かりにくいかもしれませんが低温調理的な質感と味わいで、当然のように鶏スープにはピッタリと合います。メンマは上質な穂先を使ってあり、風味だけでなく味付けも万全。そして、この一杯の業界への貢献は、このフライドオニオンで、生姜でキレキレの世界観になりそうなところへ、グッと重みとコクを深める見事な役回りで、これは模倣されてしかるべき見事なアイディア。

とりジンジャー@御徒町・20220812・卓上マンガ
 店員さんに声をかけて、「追いジンジャー」を試してみようかとも思いましたが、最初から投入されている生姜の「加減」が「完璧」であることを、中盤までに確信したのでこれで満足。しかし、こうして「NANNISH」に追いつき、さらにその地平を広げる店が、しかも宝石デザイナーと兼業する方のお店から出てこようとは……つくづく、ラーメン業界というのは面白いところですな。

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ウミのチカラ@秋葉原・仲御徒町 「塩らーめん(3種の貝出汁)」

ウミのチカラ@秋葉原・20220423・路地
 スマホでいつものように、先人のブログをありがたく拝見していると、秋葉原「ウミのチカラ」の情報が。すでにオープンして2年半のお店ですので、何か限定でも出したかと読み進むと、なんとレギュラーニューが大幅改訂。しかも、どれも実に美味そう……週末は早速、アキバの路地を店へ向かっておりました。
ウミのチカラ@秋葉原・20220423・店舗
ウミのチカラ@秋葉原・20220423・メニュー
 2019年オープンのこのお店、千葉・船橋を中心とする「まるは」グループの東京初進出店でした。当時のメニューは「真鯛(塩)」と「鯖だし(醤油)」のラーメン&つけ麺でしたが、現在は「真鯛そば」と「海老白湯らーめん」、そして「3種の貝出汁」を使うという「塩」「醤油」というラインナップ。貝出汁ブームを見事にキャッチアップしてますな……早速、「塩ラーメン」(780円)に「味玉」(100円)つけて、ポチッとな(券売機制)。
ウミのチカラ@秋葉原・20220423・丼物
 さらに注目は「本日の丼物」、オープン時は日替わりの「漬け丼」が人気でしたが、これがさらにパワーアップして、ご覧のような豪華なラインナップ。「究極のかつを節ごはん」(200円)あたりに思わず手が伸びそうでしたが……自己ルール(副食禁止)を自分に言い聞かせて、泣く泣く断念。
ウミのチカラ@秋葉原・20220423・塩ウミのチカラ@秋葉原・20220423・スープ
 ネギや青菜の「ラフ」な感じが、ちょっと千葉っぽくて元千葉県人としては密かにワクワク。それでは、スープをひと口……さすが船橋、貝汁のなんたるかを極めてらっしゃる。「江戸前」とありますが、おそらく船橋産のホンビノス貝とアサリ、それに北海道産のホタテの貝3種から出した濃厚出汁、混然としながらも濃厚な風味が舌に押し寄せてきます。昆布を使って旨味を強調、さらに塩ダレの使い方が実に絶妙で、貝の風味と旨味を活かしたギリギリのレベルで、ビシッと塩をきかせて痛快なキレ……世間は貝出汁ブームですが、ここまでハイレベルな「潮汁」系貝スープは、まず滅多に出会えません。
ウミのチカラ@秋葉原・20220423・麺
 麺は、中細ストレート。加水率高めの麺を、コシを十分残しながらもしなやかにゆであげ、食感・ノド越しともに文句なし。さらに、スッキリとした麺の甘みが、濃厚な「真鯛」の時は力不足に感じましたが、このキレた貝出汁では、旨味と塩味で麺の甘みがクッキリと浮き彫りになって、コラボレーションもハイレベル。いやぁ、こいつは美味い。
ウミのチカラ@秋葉原・20220423・具材ウミのチカラ@秋葉原・20220423・チャーシュー
ウミのチカラ@秋葉原・20220423・貝
 具材は、チャーシュー、ホンビノス貝、小松菜に海苔、ネギ2種と糸唐辛子といった薬味類に、追加の味玉。肩ロース・チャーシューは、低温調理気味に仕上げてありますが、味もシッカリついており、厚みもあって歯ごたえも十分、貝出汁にここまでシッカリとしたチャーシューを添えるのはそれなりに冒険だったでしょうが、仕上がりは見事。貝には、ホンビノス特有の殻のトガリと紫のワンポイントがありませんでしたが、身の味と殻の質感からホンビノスだと思いました。辛さを活かした白髪ネギや小松菜も、キレたスープにはピッタリですな。

ウミのチカラ@秋葉原・20220423・ポスター
 2年半前にいただいた時は、千葉・船橋的なワイルド感が、かつて千葉西北部で食べ歩いていた私には「ツボ」でしたが……もはや、業界を巻き込みつつある「貝出汁ブーム」のただなかにあっても、覇を唱えるに十分な実力を示しつつあると思えるような、極上の一杯。いまはまだ、週末は常連さん中心のお店のようで、周囲の「粋な一生」や「大喜」といった有名店には人気で及びませんが、すでに実力的には十分に凌駕しつつあるおみせでした。行列なしで通えるのは、今のうちだけかも知れませんぜ。

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蔵前中華そば 高ひろ@蔵前 「煮干しとしらすのらーめん 塩」

高ひろ@蔵前・20201220・路地裏
 木枯らしが吹いておりますが、気温はなぜか20度以上という、なんだか不思議な気候の11月下旬。コロナの新規陽性者も増えてきたし、そろそろ妙な営業制限がかかりそうな気配、その前にオープン直後の行列を避けていた人気店に挑戦。
高ひろ@蔵前・20201220・店舗
高ひろ@蔵前・20201220・メニュー
 9月オープンのこのお店、イタリアン「プリマベーラ」が業態変更してできたお店とか。メニューは「丸鶏醤油らーめん」と「煮干しとしらすのらーめん」の塩と醤油。メニュー名に「しらす」が入るのも珍しければ、醤油よりも塩を先に並べたメニューレイアウトもちょっと気になる。ここは、「煮干しとしらすのらーめん 塩」(800円)で。
高ひろ@蔵前・20201220・塩高ひろ@蔵前・20201220・スープ
 しらすの赤と、九条ネギの緑が、なんとも鮮やかに映える丼景色。まずは、スープをひと口……能書きからは想像できない、なんとも優しい味わい。能書きでは、煮干しに「香川県伊吹産のいりこを中心に、瀬戸内のいりこ、千葉県九十九里産の青口煮干しの数種類」を使っているとのこと。これら煮干しの顔ぶれなら、かなりクセのあるハードな風味になりそうですが……クセもなく柔らかな風味で、驚くほど旨味が豊か。この出汁に、鶏のスープを加えて優しさとたおやかさをさらにアップ、塩ダレも実にマイルドでソフトな効かせ方……ホッとひと息つける、そんなくつろぎの味わいです。
高ひろ@蔵前・20201220・麺
 麺は、やや太めの中太縮れ。多加水麺に手もみ的な強いネジレがついており、扁平した断面からも喜多方的なニュアンスが感じられますが……結果的には全くのベツモノ。北海道産小麦100%使用ゆえの純朴な風味、さらに多加水な上に非常に柔らかめにゆであげて、まるで「妖精」のようにピュアな味と食感。コイツがどこまでも優しいスープに、まるで溶け合うように馴染む上、縮れでスープをタップリと持ち上げ、微妙な煮干し風味が全体をそっと引き締めて……いやいや、なかなかのカタルシス。
高ひろ@蔵前・20201220・具材
 具材は、チャーシュー、メンマと、しらすにナルト、薬味は九条ネギに加えて白ネギをパラリ。白眉はなんといってもしらすとネギ。しらすは佃煮的な味付けをした上で炒った感じのモノで、スープ・麺が醸す「優しい世界」に、ビシッと彫りを刻んできます。九条ネギも京都の契約農園直送で、同地で同ネギには親しんだ私でも、「おっ!」と驚くハードな味と食感。スープ・麺が形作る「優しい」世界が「完璧」であるほど、このしらすとネギの「薬味」感が、実に鮮烈に感じられますなぁ……これは見事。

高ひろ@蔵前・20201220・卓上
 週末の蔵前でラーメンを食べ歩くと、2~3人連れの地元客が多いことに驚きます。それを見込んでかこの店も、カウンター席よりテーブル席が多いレイアウト。2人以上はテーブル席へ、1人客はカウンター席へと、誘導も徹底していますが……しかし、お店の「行列捌き」は、2~3人客が先頭待ちすれば、そのあとが一人客であっても待たせる不思議。結果としてカウンターがガラガラでも、店外で一人客が何人も待ってたり。コロナの影響で客席にセパレーターが設置され、カウンターへ無理に2人以上客を通すこともないのであれば、これからの寒い季節には、工夫の余地ありかも知れません。

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麺屋 上々@蔵前 「鴨塩」

上々@蔵前・20200912・交差点
 雨の週末、例によってなるべく地下鉄出口から近いお店狙いということで、久々に蔵前へ。この交差点近くには家系の名店がありましたがすでに閉店、寂しくなったと思ったら、新店「上々」が6月にオープン。場所は国際通り沿いで、寿三丁目交差点(写真)から30mほど南。
上々@蔵前・20200912・店舗
上々@蔵前・20200912・能書
 ご主人は、本郷三丁目「ねむ瑠」や錦糸町「麺魚」のご出身とか。ということは、強烈な魚介系で勝負かと思いきや、オープン当初のコンセプトは「鴨と魚」で、さらにその後味をリファインした模様(写真)。
上々@蔵前・20200912・券売機
 メニュー名もオープン時から少し変更になり、「鴨塩」「鴨醤油」「鴨油そば」の3系統。蒸し暑さのせいもあり「鴨油そば」が気になりましたが……初訪ゆえ、ここは「鴨塩」(800円)で。店内は厨房を囲むL字カウンターで、余裕のあるレイアウト。小ざっぱりした内装で、椅子とカウンター高さの調整もバッチリです。
上々@蔵前・20200912・鴨塩上々@蔵前・20200912・スープ
 やはり、オープン当初ネットで紹介されていた姿から、ひと皮むけた華やかな丼景色、コロナ禍のご苦労が偲ばれます。まずは、スープをひと口……あのクセの強い鴨が主体とは思えない、洗練された味わい。ベースは丸鴨と水のみを使った清湯で、さらに鴨モモ肉も煮込んであるようですが……あの鴨特有のクセが一切ないのが、実に驚き。エレガントで豊かな旨味と、実に力強いボディ感で、「丸鶏上湯」の間違いじゃないかと思えるほど。これに、岩塩と伊吹いりこ、アゴ、サバ、昆布、香味野菜、さらに本枯れ節で煮出したという塩ダレを合わせていますが、こちらも魚介系特有のクセを抑えて、旨味のみを引き出してあります。「鴨と魚」のバランスはまさにイーブン、オープン当初は鴨と魚介系を一緒にスープへ煮出していたようですが、これをスープとタレに分けたからか、非常に洗練された味わいに。
上々@蔵前・20200912・麺
 麺は、菅野製麺製の中太ストレート。やや低加水の麺を少しカタめにゆで上げて、後半へ向けスープを吸わせていこうという作戦。パツッとした口あたりと、強いコシ、甘味も非常に力強くて、「存在感」の強い麺ですが……これはちょっと、スープに対して勝ちすぎているかも。おそらく、オープン当初の多少ワイルドなスープに合わせたモノでしょうが、スープがエレガントに進歩しているのですから、こちらも淡麗にしなやかに、少し改良した方がよいのかも。
上々@蔵前・20200912・具材上々@蔵前・20200912・鴨肉
 具材は、鴨チャーシューにメンマ、黒ナルトに小松菜、薬味は白ネギと柚子が少々。鴨チャーシューは、どこかスモーキーなフレーバーで丁寧に焼きめも入れたもの。単体では絶品で、麺ともよく合いますが、このエレガントなスープとはいかがかな……材木メンマもサッパリとした味付けがイイ感じ。面白いのが柚子の効果で、普通ならただの「サッパリ係」ですが、コイツは「全体の味を端でキュッとヒネる」ような役回り、さらに卓上の「山椒ピュアオリーブオイル」を回しかけると、ヒネりがさらに力強くなる感じで、目を見張るような効果的なアクセント。

上々@蔵前・20200912・卓上
 コロナ禍で心折れる人、あるいは逆に、歩みが一層強くなる人。ご主人は明らかに後者ですな……鴨&魚介で、これほどのピュアな旨味に溢れた世界は、かつて表現されたことはないような気が。そうした大胆な探求のミナモトになる「強さ」とは、たいてい「家族」の力ということになるのですが……ご主人と一緒にお店を切り盛りされる女性店員の方、お二人の会話から、まだご結婚されて間もない気もしますが(違ったらすみません)……この店からは、まだまだ「イノベーション」が起こりそうな気がしますな。

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スパイス・ラー麺 卍力@秋葉原 「スパイス・ラー麺」

卍力@秋葉原・20191016・昭和通り
 先日、秋葉原「ウミのチカラ」を訪れましたが、次週面白い限定を出すとの告知。そこで再び秋葉原を訪れましたが、13時前にして限定はすでに売り切れ。引き上げがてら、新店「卍力」をのぞいてみました。
卍力@秋葉原・20191016・店舗
卍力@秋葉原・20191016・券売機
 本店は西葛西にあり2014年創業、すぐにラーメン大賞オリジナル部門2位を受賞し、さまざまなメディアにも紹介されて、行列の絶えないお店に大出世。そんなお店の2号店が、8月にオープンしたこのお店。メニューは「スパイス・ラー麺」とそのバリエーション、まずは基本の「スパイス・ラー麺」(830円)をポチッとな。
卍力@秋葉原・20191016・仏様
 深い色合いの木彫を基本にしながら、BLACK & GOLD的なカラートーンでまとめたエスニック風のインテリア、インドの民族音楽的なBGMと、なかなか個性的な店づくり。食券を渡すとパクチーの要否を聞かれ、不要の方はネギに変えることができます。注文が通ると中華鍋で野菜類を炒めはじめ、フワッとスパイスの香りが店内に広がります。
卍力@秋葉原・20191016・スパイス・ラー麺卍力@秋葉原・20191016・スープ
 パウダー状の各種スパイスが混じり込む、深遠な色合いのスープ。まずは、コイツをひと口……なるほど、これは唯一無二の味わい。全く参考にならないと思いますが、実は私の馬鹿舌には「カレー風味の、船橋名物『ソース・ラーメン』」というのが第一印象(笑)。もちろんそんな単純な味わいではなく、公式HPによれば鶏・豚・魚介をあわせたスープに、14種のスパイスを絡めたものとか。しかし、スパイス満載の見た目とは裏腹に、味のトガリや辛みの上滑りがほとんどなく、重低音のような辛味の上で、ベースのコクと旨味、そしてウスター・ソースを連想させるような酸味も伴って、実にまろやかな味わいにまとまっています。
卍力@秋葉原・20191016・麺
 麺は屈曲した中太で、角を落とした丸めの断面。麺肌や麺形状が慎重に調整されて、スープとの絡みが絶妙で、ご覧のようにいい塩梅にタレとスパイスをまといます。もちろん見た目だけではなく味も抜群、スパイスで麺の甘みがクッキリと引き立ち、複雑系スープのすべての要素が、小麦の甘みを中心に天に吹き上がっていくような……なんかこう、ストラビンスキーの「火の鳥」「春の祭典」などと似たカタルシスが、ここにあります。
卍力@秋葉原・20191016・具材卍力@秋葉原・20191016・チャーシュー
 具材は、チャーシュー、モヤシ・ブロッコリーなどの炒め野菜に、丁寧に刻んだパクチーが適量入ります。チャーシューはバラ・ロールで、箸でつまむとホロリと崩れるほどの柔らかさ。鮮やかな色の断面に、カラフルなスパイスが散りばめられた、実にアーティスティックな出で立ちですな……長く食べ歩いていますが、こんな美しい盛り付けは初めてかも。もちろん味も文句なく、ホロホロと崩れながら、麺や炒め野菜と絶妙に絡みます。また、このエスニックな雰囲気ならパクチーはお約束なんでしょうが、スープ・麺の完成度が高くトガリがないため、パクチーのフレッシュ感がちょっと浮き気味に感じたり。常連なら、たまにネギに変えてみるのも一興かも。

卍力@秋葉原・20191016・卓上
 噂通りのオリジナリティー、そして予想した以上の完成度。さらに、私のように千葉で食べ歩いた人間には、どことなく船橋「ソース・ラーメン」的な親しみやすさも感じたりして、これならリピーターも続出かも。唐辛子系と違う、重低音のような辛味がジンジンと体にしみ渡り、長時間ホカホカ感が持続するのも、季節によっては助かりますなぁ……真冬に食べれば、さらに美味さもひとしおかも。でもその頃には秋葉原店も、常時行列になっているかも知れません。

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プロフィール

miles

Author:miles
 千葉南西部や都心のラーメンを食べ歩きながら、某サイトへ5年にわたりアレコレ書いてきましたが、都心に引越し連載も1,000回を越えたあたりでこちらへシフト。他の話題についても「So What?」な気分で、アレコレ書いていこうと思います。
 とはいえ、ほとんどラーメンの話題になってしまうのか……

年齢:マジ・オッサン
仕事:銀座・新橋から離れ、今は世田谷系・半フリーランス
オッサンゆえの自己ルール:
 ・6人以上の店外行列はパス
 ・週3杯以内、日1杯以内
 ・連食・副食・大中盛NG
 ・移動は電車&徒歩
 ・移動時間30分以内
 ・飲み後のシメNG

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