2011/07/10
饗 くろ㐂@秋葉原 「味玉味噌らーめん」
前週にいただいた「くろ㐂」の「塩」、その圧倒的な実力に舌を巻きました。これは「味噌」も試さざるを得んでしょう。2週続けて土曜昼(2日)に訪店。
先週もそうでしたが、店外・店内待ちこそないものの、8割以上の客入りで回転しています。入口右手の券売機で、「味玉味噌らーめん」(850円)をポチッとな。


注文を受けてご主人、中華鍋で野菜類をラードで炒めはじめ、途中からスープを投入、慎重に味見しながら味を馴染ませています。また、丼に投入される味噌ダレが面白く、「お汁粉」程度の粘性のものを、タッパーからスプーンで丼に投入。入口右横に展示された、塩ダレに使う6種の塩を眺めるうち、丼は約6分で到着。

では、スープを一口……うん、「塩」に負けず面白い。能書きでは信州・京都など数種の味噌に昆布・椎茸・胡麻・アーモンドなどを練り込んだタレを使っているそうですが、信州味噌の繊細さな味を、胡麻・アーモンドの分厚いコクと甘みで「補完」するようなバランス。中華鍋で野菜類と炒めてあるせいか空気を含んでとてもソフトな口あたり、辛味など余計な調味は控え、敢えて味の輪郭線を引かず、甘み・旨みとコクで「内から広がる味の空間」を表現しています。さらに、ベーススープは「塩」同様絶品の魚介系で、ソリッド・ステートな力強い旨みが、ソフトな味噌をグイグイと突き上げて、得も言われぬ味の「躍動感」。
麺は、太麺ストレート。「塩」の細麺・平打ち麺とは異なる「味噌」専用の麺で、国産小麦100%の全粒粉使用、麺肌に見える粒々の密度が非常に濃く、麺全体が薄く茶褐色に見えるほど。味の方も香ばしさと野性的な甘みに溢れており、これなら「つけ麺」「油そば」用としてだけでなく、麺だけでもいただけそうです。食感も、モチモチ・シコシコで言うことなし。
具材は、チャーシュー、キャベツ・モヤシなど炒め野菜類とネギ、そして追加の味玉。野菜類は絶妙の炒め加減でシャキシャキの上、上手くラードと馴染んで分厚い旨み。驚いたのはチャーシューで、「塩」の金華ハム的なモノとは別タイプで、ジックリと味のしみたバラ肉。実に柔らかく仕上げてあり肉汁タップリ、こちらも極上の仕上がりです。味玉の「凄さ」は「塩」の時に解説済み。
思った通り、「味噌」も凄い。ただし、すでに庶民の中で「味噌ラーメン」として記号化・抽象化された味を一切無視して、ゼロ・ベースから自分なりの味を組み立てているため、「既成概念」に囚われている方には、ボヤっとした味に感じられるかも。すでに「芸術」の領域に入っている一品ですので、受け取り手によって差が大きいとは思いますが……個人的には「大アリ」ですな。
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