2011/07/14
なおじ@四谷三丁目 「超濃厚味玉」
もはや「痛い」ほど、日差しが暴力的に降り注ぐ月曜日(11日)、気温もグングン上がってアップアップの心境ですが……総スカンを食らうほど居座る総理のように、暑ければ暑いほど「濃厚アツアツ系」で気合いを入れたくなるのが、ラーメン好き。迷わず四谷三丁目「なおじ」へ。

現地につくと、ムセかえるような暑さのなか、ドア全開でブイブイ営業中。場所は以前「もぐら」(このお店も同じ新潟「なおじ」系)があった場所、内装など変更なしの居抜き状態で、座席がサッシぎりぎりの設置で5席のみという「激狭」状態も以前のまま。

券売機も同じく店舗右脇、そこで食券を買い一旦店外に出て、一歩店に踏み込んで着席するという塩梅。
メニューはレギュラーの豚骨系と、「超濃厚」豚骨系。この猛暑の中、冷房なしでカッ食らう訳ですから、当然「超濃厚味玉」(750円)をポチッとな。フライドガーリックを入れるか訊ねられますが、もはや何でも来い状態。丼は約5分で到着。以下、食後にご主人からお聞きしたお話を織り交ぜて。

では、スープを一口……濃厚豚骨に米粉を入れた「ベジポタ」系で、六本木「参○伍」や田町「丸」(つけ汁)と同じ方向性ですが、負けず劣らず、いや勝るとも劣らず美味い。豚骨は新潟で仕込んでおり、羽釜を使って長時間豚骨を炊き出して、曙橋「克味」なみの濃さに仕上げてあるとか。しかし、それでは「濃すぎる」という客の声を取り入れて、少しスープで薄め米粉を使ってアレンジしてあるそうですが……ガツンと「獣臭」が漂うこのスープ、しかし口に含むとコクは意外にソフトで、旨みもカエシでキレイに際立っています。豚骨のほの甘さと、米粉の純朴な甘みが上手く呼応して、なんとも「和風」な風味が面白く、かなりオイリーなはずですが、口どけのモタツキもほとんどなし。
麺は細麺ストレートですが、いわゆる博多麺よりやや太い。これも新潟で作っているそうで、「バリカタとか頼まれても、全部固めになってしまう」のだとか。私は固さ指定をしませんでしたが、キッチリ固めのゆで上がりで、ポリポリとした歯応えに加えてカッチリしたコシがあり、言われてみれば博多麺とはヒト味違います。
具材は、チャーシュー、味玉・海苔に、タップリのネギとキクラゲ。チャーシューは大判のバラ肉で、濃いめに味付け味のメリハリは立っていますが、肉汁感が濃厚スープにかき消され、ちょっと筋っぽいのも気になりました。一方、九条ネギのようにザクザク感のあるネギや、プリプリのキクラゲは好印象、追加したフライド・ガーリックもスープにピッタリで、コイツはおススメ。
「濃厚豚骨でベジポタ系」、じつは成功例のさほどない方向性なのですが、はじめて「美味い」と思いました。その秘訣は……おそらく「デチューン」にあるのかと。排気量1000ccを越える大型バイクには、輸出仕様と国内仕様がありますが、140~180馬力は軽く出せる輸出仕様を、100馬力程度に「デチューン」したのが国内仕様。私は両方乗ったことがありますが……日本で乗るなら断然、国内仕様。ピーキーな「爆発力」は無用の長物、信号ばかりの街乗りでは、太いトルクが重宝なのです。この一品も同様で、「濃厚豚骨」でイクところまでイクなら誰でもできる。それを敢えて「デチューン」して、食べやすく仕上げたところが「ミソ」ですな……限界域ギリギリで戦う「濃厚豚骨」戦線、そんな最前線に、一石を投じた一杯でした。
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