2011/11/29
めじろ@代々木 「味噌つけ麺」

どうも最近の天気は、週末荒れて週明けに晴れるというパターンを繰り返しておりますが……例によって、抜けるような青空が広がった月曜日。今週も新宿方面の用事に手間取り、寄り道をしている暇がありません。電車乗り換えついでに、代々木「めじろ」へ。

狙い目は最近始まった「にんにく塩ら~めん」でしたが、入口左手の券売機と向き合うと、無情の「×」印。「めじろ」は、これがあるんだよな……限定を始めても数日で終わったり、新メニューが始まっても突然提供が中止されたり。ま、要するにこの店ではよくあること、気を取り直して「味噌つけめん」(900円)あたりで。丼は、約6分で到着。

では、つけ汁を一口……むむむ、これはただの「味噌」ではありませんな。麹の風味が強いベースの味噌、勢い舌が「まろみ」を要求しますが、その返答は実にシックで、スパイシーといってもよい刺激的な味。その味わいと表面に浮かぶ油層の厚さから、思わず札幌「すみれ」をイメージしてしまいますが、この「刺激」は山椒ではありません。油の色や風味から察するに……カレーに使われるようなスパイスを、少し使っていますかな。いずれにしろ、非常に個性的な味ですが、なかなかイケます。

麺は平打ちで、やや細めの太麺ストレート。シッカリとコシと弾力を残したゆで加減に加え、水でキッチリしめてあり、シットリとした甘みと落ち着いた風味。そのスジの良さは、さすが「めじろ」と唸らせます。ただし、この凝ったつけ汁に、この麺の味が合うかと言えば……もう少しベタな甘みがあった方がよいのかも。醤油や塩には合いそうですけど。
具材は、チャーシュー、メンマ、ネギといった布陣。サイコロ・チャーシューは例によって、注文ごとにキッチリ炙って供されます。今日はかなり脂身が多めでしたが、コッテリしたこのつけ汁には、この方が合う。さらに、この不思議なつけ汁に、魚介出汁でスープ割りさせ、それでも味の「帳尻」を合わせてくるところが、いかにも「めじろ」ですな。

12時近くなると続々とお客さんが入店、新規オーダーとスープ割オーダーが錯綜しますが、これをたった一人で淡々とこなす店員さん。このところ、10席足らずを数人の店員さんで対応しながら、目を覆いたくなるようなドタバタを繰り広げる新店をいくつか見てきましたので、「プロ」にしか成し得ないこの安定感・安心感は、また格別。いうまでもなく、味のオリジナリティーと完成度のさりげない両立も、またいかにも「プロ」ですな……寿司屋ではありませんが、接客と味を両立してこそプロの料理人、その鍛えた「技」をジックリ味わえるのも、「名店」の楽しみの一つですな。
店舗情報は、こちら。
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