2011/11/10
麺処 美空@神保町 「味玉生姜らーめん」

文化の日、恒例の「神田古本まつり」をのぞきに神保町へ。

今年1月にオープンしたこのお店、オープン間もないころに「らーめん」をいただき、シンプルな味わいが気に入りました。しかし、この店のウリの「生姜らーめん」が、まだ未食のまま。

券売機は入口左手、「たっぷりきのこの白味噌らーめん」も激しく気になりましたが、初志貫徹で「味玉生姜らーめん」(800円)を。
ご主人は「麺屋 武蔵」系のご出身、カエシの丼への注ぎ方、スープの注ぎ方、麺の湯切り・盛りつけと、実に丁寧な仕事っぷりです……なんか、オープン時より丁寧になったようで、これはかなり珍しいこと。丼は約5分で到着。
まずは、生姜を混ぜずにスープを一口……深く炊きこんだ鶏ガラ主体の動物系、鶏のふくよかな風味を前面に出しながら油分をおさえ、余計な装飾を一切排したシンプルな味の構成で、実にスマート。ジンワリとしたカエシとも相まって、「自然体」という表現がピッタリのスープです。

麺はやや太めの平打ち弱縮れで、佐野ラーメン的な一品。口あたりはソフトですが、シッカリとしたコシがあり、小細工のないナチュラルな甘み。具材は、チャーシュー、メンマ、味玉に、海苔とネギ。オープン時は味玉やチャーシューの出来が気になりましたが、キッチリと修正してきており、メンマもパリパリとした食感のものに変更、麺のソフトな食感に上手くアクセントを加えています。
さて、注目の生姜ですが、混ぜ込んだ直後は甘めのスープと辛味がケンカ、麺の甘みともシックリいかず、「どうよ、これ」状態でしたが……スープにキッチリ馴染んだ後は、なぜか辛味がほとんど消えて、スープに加わる硬質なコクが、実に面白い。ソフトな麺にスマートなスープと言う「平和」な雰囲気に、生姜が加える一定の緊張感が、いい意味で「リズム」を加えて、箸運びが加速します。

スープにキレを加えるためでなく、カッチリとしたコクを加えるために生姜を使うという、独特の手法。スープの甘みと生姜のコラボは、どこか「生姜飴」的な親しみやすさがあって、日本人の機微に触れる味です。惜しむらくは、生姜がスープに馴染むまで、ちょっと時間がかかる点ですが……丼にスープを注いだ後にすぐ生姜を加え、馴染ませてから出した方がよくないですか? ご主人。
店舗情報は、こちら。
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