2011/12/08
だらんま@神田 「中華そば」

忘年会の酔客で溢れる西口商店街、お店は外堀通りに突き当たる手前にありますが、ちょうどそのあたりで人通りもまばらに。この界隈には「虎龍」や「大山」など有名店も進出していましたが、撤退したところを見ると商売的には辛いロケーションなのでしょう。

券売機は入口右手、「ライスと一緒に」とのポップに激しく惹かれますが、副食禁止がオッサンの掟、「中華そば」(700円)のみを、ポチッとな。厨房は2人で切り盛り、両人とも外国の方のように思えました。丼は約6分で到着、富山ブラックと言えば「大喜」が有名ですが、私は訪店したことがありません。しかし、差し出された丼姿は、ネットなどで見る「大喜」にウリふたつ。

かつて、同じ富山ブラックの「いろは」を食べた感想では、この系統ではスープ単独の味に大した意味はありません。これが麺に滲み込んで、麺の味とどこまでシナジーできるかが、「富山ブラック」の「核心」。

注目の麺は、太麺に近い太さでほぼストレート。ちょうどいい塩梅にスープがしみ込んで、「褐色の肌」がそそりますが、実際見たままのバランスで、麺の豊かな甘みが醤油でキリリと引き立ち、コイツは結構イケます。汁ハネを意識して短めにカットしてあるなど、アレコレよく考えてありますが……ここまでキッチリ調整した麺を出すあたりに、「資本の力」を感じますな。
具材は、チャーシュー、メンマに、「大喜」同様ネギがドッサリ。特筆はチャーシューで、非常に肉厚のバラロールを奢っており、スープとの味のコントラストもまずまず。「大喜」では非常に塩っぱいメンマを使うと聞いていますが、こちらのメンマはごくフツー。

カウンター上の能書きは、帰宅してWikipediaで見た「富山ブラック」の解説とウリふたつ。違いはライスを勧めている点だけですが……このウリ文句に加え、丼姿に具材のバランスと、明らかに本場「大喜」をコピーしつつ、東京向きにデチューンを試みている一杯。しかし、スープを吸った麺の味という「勝負所」はキッチリ押さえており、資本の力で慎重に吟味された、「非常に良質・良心的なコピー品」だといえましょう。もっとも、麺量を120g程度に抑え、ライス誘導を狙うあたりに引っ掛かりを感じる方もおいででしょうが……商売ですから、この程度の「色気」はフツーでしょう。
店舗情報は、こちら。
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