2011/12/23
ビーハイブ・ゲンキノモト@日本橋 「手打ち中華そば」
このお店には、あの日もこの日もフラれてきましたが、オープン以来3週間、そろそろ行列なしでイケるんじゃないかと、土曜の昼下がりにのぞいてみますと…… 三度目の正直。九十九里の本店は千葉では有名なお店ですが、青森シャモロックと白トリュフオイルを使う個性的な「塩」は、今年5月にオープンした六本木店でも味わえます。しかし、この「ゲンキノモト」では一転、「白河ラーメン」を出すのだとか。
白河系ということで、メニューもシンプルな構成。基本は「手打ち中華そば」とそのバリエーションのみで、あとは限定の「塩」と「焼き干しらーめん」。初訪ゆえ、まずは「手打ち中華そば」(750円)と「味付け煮玉子」(100円)を、ポチッとな。丼は、約6分で到着。

では、スープを一口……研ぎ澄まされたようにクリアな味わいで、冒頭から「Bee Hive」色が全開。動物系は鶏が強く、カエシの効かせ方はシャープ過ぎず、印象としては白河というよりは、喜多方に近い。ま、だからこそ「焼き干し」なんてバリエーションも生まれるんですな(*)……脂少なめで、冒頭から旨みのボルテージを上げてくるあたりにも、白河の「野趣」より喜多方の「洗練」が感じられます。麺が脂を拾い、温度が落ち着く後半に向け、グイグイとキレと旨みが研ぎ澄まされて、最後の一滴まで楽しめます。

麺は自家製手打ちで、太めの中太縮れで平打ち。白河麺とウドンの融合を目指したというこの麺、確かに手打ち・高加水率のわりに歯切れが軽快で、ノド越しというよりは噛み込んで味わうタイプ。全粒粉使用で甘さに温かみがあり、研ぎ澄まされたスープと絶妙の相性、吟味され尽くした組み合わせです。
具材は、チャーシュー、メンマ、青菜・ナルト・海苔に、追加の味玉。チャーシューはモモ肉のような食感(あるいは肩ロースを切り分けたか)、白河流に食紅を塗り炭火で焼く工程をこなしているようで、多少スモーキーでコクがある。味玉も絶品ですが、印象が強かったのが実は海苔で、非常に香り高く風味の良いもの。これなら海苔のトッピングメニューが欲しくなりますな。

○○系インスパイヤと名乗る一品には、その○○が持つ特徴を勝手にデフォルメし、結果オリジナルがもつバランスを崩してしまっているものが結構ありますが……この一品は、その逆。その見事な「デッサン」力で対象を的確にとらえ、自らの「美的感覚」の中で対象の魅力を昇華させていく……結果は、○○インスパイヤなんかではもはやなく、「Bee Hive」でしか作り得ないオリジナリティーを宿しています。こいつは再訪間違いなし、次は「焼き干し」あたりで。
店舗情報は、こちら。
(*)白河は動物系主体ですが、喜多方は煮干しなどを絡めるあたりが違ってきます。
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