2012/01/29

快晴の土曜日、例によって週末ウォーキングへ。スタート前の腹ごしらえは、御徒町「富白」へ。

何とも地味な店構え。店名だけを記した白テントと無地の暖簾、その他はメニューが小さく掲示されているだけでノボリ類もなく、通りがかっただけではラーメン屋だとは気付かないかも。

メニューは、清湯系の「鶏塩拉麺」と白湯系の「鶏塩タンメン」の2系統、あとは辛味や具材のバリエーションです。ネット情報では白湯系が先に売り切れるとのことで、それだけ人気があるのでしょう。そこで、「鶏塩タンメン」(700円)をポチッとな。
8席は詰め込める広さのカウンターに、6席のみをゆったりとレイアウト。厨房の切り盛りはご主人のお一人のみですので、この程度の席数でよいのかも。既に店内4人待ち、ご主人は1ロット2杯ずつを、ジックリ丁寧に作っておられますので、あまり回転は良くありません。店内待ち含め約25分で、ようやく丼にありつきました。

では、スープを一口……いやぁ、これは素晴らしい。鶏の風味・旨みが、ストレートに舌に訴えかけるこのスープ。そのくせ白湯特有のクドサやモタツキも一切なく、塩ダレも敢えて強めにきかせて、キッチリと味わい・キレを「両立」しています。こういうスタイルは、シンプルであるが故に小細工もゴマカシもきかない難しさがありますが、キッチリといい仕事をされています。ま、こういうレベルのスープには、まず滅多にお目にかかれませんな。

そして、麺もいい。浅草開化楼製の屈曲した太麺、ミッシリとした歯応えとガッシリとしたコシで、食べ応え十分。微妙にザラつきのある麺肌で、スープ持ち上げとノド越しを上手く「両立」しています。甘みも実に豊かで……汁ハネを気にせず、思い切り「ズズズズ~~ッ」とススりたくなる太麺、こういう上出来の麺にも、あまりお目にかかれません。
具材は、キャベツ・モヤシ・白キクラゲなど野菜類と、鶏ツクネが5、6個。この野菜類がまた秀逸で、中華鍋で軽く炒めてスープと少し煮込んであり、モヤシのシャキシャキ感を保ちながらも、キャベツは葉脈部分が柔らかく……鶏ツクネはキリッと生姜がきいており、実にシャープなアクセント。

高機能なのに低価格、高品質なのに量産可能……こうした矛盾する命題を、なんとか「両立」して見せるのが、技術・技能者の「腕」というもの。しかも、「両立」で得られた結論がシンプルであればあるほど、「腕」の確かさの証と言えましょう。それはラーメン屋の世界でも、私のような技術者の世界でも、そして科学者の世界でも同じですな。高度な技から繰り出される、美しいほどにシンプルなメッセージ、絶対に見逃せない一杯ですぞ。
店舗情報は、
こちら。
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