2012/02/29
麺屋 翔丸@大久保 「醤油ラーメン 並盛」

新宿方面の仕事が押しに押し、昼時まっただ中の新宿で、サクッと食べて会社に引き上げねばなりません。「どうするか……」と頭を巡らせ、敢えて一駅先の大久保へ。

狙い目は、駅入口すぐ近くの「翔丸」。この界隈では以前からメジャーな存在ですが、「撮影禁止」の店としても有名で、ちょっと足が向きませんでした(今は断ればOK)。券売機は入口右手、全くの予習不足のため、とりあえず筆頭ボタンの「醤油ラーメン 並盛」(750円)を、ポチッとな。
12人は座れる大型カウンター、それを厨房の御主人一人で切り盛りするという超人プレイ。麺をゆで槽に泳がせ、タイマーも使わず頃合いを見極め平笊で湯切り、むしろタイマーはスープ温めに使っており、温度管理が難しい魚介系を使うお店としては、まずベストと言える製造工程、こういう店は珍しい。ロット処理の関係で時間がかかり、丼は約9分で到着。

麺は自家製で、かなり太めの中太ストレート。国産小麦に薄力粉をブレンドしているというだけあって、ソフトな歯応えに軽快な歯切れ、自慢のモンゴル産天然かん水もやや控えめな使い方で、しなやかな麺が口腔をサワサワとくすぐるような心地よさ。この近辺では、あの佐野実氏も絶賛する東中野「好日」の麺に通じるところがありますな。

具材はチャーシュー、海苔に、水菜・ネギ。スープが敢えてクセを強調するスタイルですので、水菜・ネギは効果的。肩ロース・チャーシューは単体では美味いのですが、その位置づけがやや不明確ですな。

「麺を美味しく食べる」という命題のもと、「麺の味を補完するだけの役割」としてスープを位置づけるなら、スープ単体で美味しくある必要はない、そんなメッセージが感じられる一杯。しかし、麺・スープの主・従をハッキリ位置づける「つけ麺」のスタイルを、「ラーメン」にも当てはめ直すことができるかですが……意見が分かれるところでしょうな。美味い麺に美味いスープ、そして具材とのシナジー、これら全てを「両立」させようというラーメン本来の「レゾンデートル」に対して、面白い「仮説」を投げかけた作品でした。
店舗情報は、こちら。
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