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麺屋 翔丸@大久保 「醤油ラーメン 並盛」

翔丸@大久保・大久保
 新宿方面の仕事が押しに押し、昼時まっただ中の新宿で、サクッと食べて会社に引き上げねばなりません。「どうするか……」と頭を巡らせ、敢えて一駅先の大久保へ。
翔丸@大久保・店舗
翔丸@大久保・券売機
 狙い目は、駅入口すぐ近くの「翔丸」。この界隈では以前からメジャーな存在ですが、「撮影禁止」の店としても有名で、ちょっと足が向きませんでした(今は断ればOK)。券売機は入口右手、全くの予習不足のため、とりあえず筆頭ボタンの「醤油ラーメン 並盛」(750円)を、ポチッとな。

 12人は座れる大型カウンター、それを厨房の御主人一人で切り盛りするという超人プレイ。麺をゆで槽に泳がせ、タイマーも使わず頃合いを見極め平笊で湯切り、むしろタイマーはスープ温めに使っており、温度管理が難しい魚介系を使うお店としては、まずベストと言える製造工程、こういう店は珍しい。ロット処理の関係で時間がかかり、丼は約9分で到着。
翔丸@大久保・醤油ラーメン
翔丸@大久保・麺上げ
 麺は自家製で、かなり太めの中太ストレート。国産小麦に薄力粉をブレンドしているというだけあって、ソフトな歯応えに軽快な歯切れ、自慢のモンゴル産天然かん水もやや控えめな使い方で、しなやかな麺が口腔をサワサワとくすぐるような心地よさ。この近辺では、あの佐野実氏も絶賛する東中野「好日」の麺に通じるところがありますな。
翔丸@大久保・スープ スープは豚骨ベースですが、魚介のきかせ方が独特で、敢えて魚臭さを残し「鮮魚」感すら覚えるほど。しかし旨みは実にまろやかでエグミはなく、醤油とあいまって一種「魚醤」的なニュアンスすら感じられます。私は魚介出汁を取るのが趣味なのですが、おそらくサバ節をワザと大量に使い相当煮込まなければ、こういうニュアンスは出ないはず。

 具材はチャーシュー、海苔に、水菜・ネギ。スープが敢えてクセを強調するスタイルですので、水菜・ネギは効果的。肩ロース・チャーシューは単体では美味いのですが、その位置づけがやや不明確ですな。

翔丸@大久保・卓上
 「麺を美味しく食べる」という命題のもと、「麺の味を補完するだけの役割」としてスープを位置づけるなら、スープ単体で美味しくある必要はない、そんなメッセージが感じられる一杯。しかし、麺・スープの主・従をハッキリ位置づける「つけ麺」のスタイルを、「ラーメン」にも当てはめ直すことができるかですが……意見が分かれるところでしょうな。美味い麺に美味いスープ、そして具材とのシナジー、これら全てを「両立」させようというラーメン本来の「レゾンデートル」に対して、面白い「仮説」を投げかけた作品でした。

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社中@押上 「鶏そば味玉入り」

社中@押上・押上
 いよいよ今年5月に、スカイツリーがグランドオープン。業平橋から押上のあたりも一気に観光名所となってしまい、付近で実力のあるラーメン店は、行列店となってしまうかも……そんな行列嫌いの「危険予知能力」に突き動かされ、ギリギリ食べ歩き範囲外の押上「社中」に向かいました。
社中@押上・店舗
 錦糸町「江東橋二丁目 ここだけらー麺 第三章」の姉妹店というこのお店。「社中」とはまたかわったネーミングで、私なんぞは紅白歌合戦でよくお見かけする「花柳社中」さんを連想してしまいますが、実は坂本龍馬の「亀山社中」からとっているのではとの、ネットでの噂。
社中@押上・券売機
 鶏白湯がウリのお店で、メニューは「鶏そば」「鶏にぼしラーメン」「魚介つけ麺」の3系統。初訪故、基本的な系統から「鶏そば味玉入り」(780円)を、ポチッとな。昨年11月のオープン時にはちょっと話題になったお店ですが、土曜の昼下がりで4割ほどの客入り、麺のゆで時間が意外に短く、丼は約4分で到着。
社中@押上・鶏そば
社中@押上・麺上げ では、スープを一口……おぉ、これはまた濃厚な鶏白湯。かなり肉付きの良いガラを使ったか、あるいは鶏肉そのものを溶し込んだか、軽く野趣が漂うほどの濃さ。ポッテリとクリーミィなした舌触り、そこから鶏の風味と旨みが豊かに広がって……雑味が全くないといっていいほど真摯な味わい、ドンドン味の世界に引き込まれます。塩ダレは、敢えて控えてキレに頼らず、「鶏白湯ストレート」で真っ向勝負。

 麺は、浅草開化楼製の中太縮れ。やや柔らかめのゆで加減で、ソフトでしなやかな口あたりですが……鶏白湯のお店には、固めの細麺や太麺を使ってスープとの「コントラスト」を強調するお店と、柔らかめの麺を使ってスープとの「一体感」にこだわるお店がありますが、この店は後者で、しかもよくバランスを調整してあります。
社中@押上・味玉
 具材は、鶏モモ肉に鶏つみれ、メンマ・味玉に、薬味はネギ二種と糸唐辛子。生姜の効いた鶏つみれや炙りモモ肉は期待通りの仕上がりで、味玉も写真の通り見事な出来栄え。しかし、個人的に気に入ったのはネギで、九条ネギに似た食感。濃厚な鶏白湯とこのネギの組み合わせが、どこか京都ラーメンを彷彿とさせます。
社中@押上・柚子胡椒 さて、こういうタイプの最大の課題は、濃厚な鶏白湯がもたらす単調感から、後半食べ飽きしてしまう点。その対策として用意されるのは、卓上の胡椒・辣油・柚子胡椒で、今回は柚子胡椒を使ってみましたが……確かにキレがでて面白くはありますが、そもそもキレを抑えて「鶏」を楽しませる一杯ですので、やや自己矛盾したソリューション。

社中@押上・路上看板 濃厚鶏白湯ゆえの後半の飽き、この「宿命」的な問題に、どの店も苦慮しておられますが……こういう一杯を食べる度、やはりあの「天下一品」の「からし味噌」の偉大さに、想いが到りますな……辛味と味噌で重層的にキレを加えながら、ニンニクで太さも添えて、徐々に溶け出しながら無段階に味を変える、あの「発明」。濃厚鶏白湯に対する、あれほどの「最適解」を先人が発明してしまったため、模倣を避けようとする後輩が、アレコレ苦労しているような、そんな気も。しかしここは、あの東京タワーを乗り越えたスカイツリーのお膝元、偉大な先人を乗り越える、21世紀のソリューションを期待しています。

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プロフィール

miles

Author:miles
 千葉南西部や都心のラーメンを食べ歩きながら、某サイトへ5年にわたりアレコレ書いてきましたが、都心に引越し連載も1,000回を越えたあたりでこちらへシフト。他の話題についても「So What?」な気分で、アレコレ書いていこうと思います。
 とはいえ、ほとんどラーメンの話題になってしまうのか……

年齢:マジ・オッサン
仕事:銀座・新橋から離れ、今は世田谷系・半フリーランス
オッサンゆえの自己ルール:
 ・6人以上の店外行列はパス
 ・週3杯以内、日1杯以内
 ・連食・副食・大中盛NG
 ・移動は電車&徒歩
 ・移動時間30分以内
 ・飲み後のシメNG

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