2012/03/06
とんこつらーめん 俺式@三越前 「味玉豚骨らーめん」

雨の日本橋・三越前。折り畳み傘しか持っていないこんな日は、なんとか傘をささずに移動&入店できる店を考えるわけですが……どうも折り畳み傘は、ラーメン店では始末に困るし。とりあえず思いついた三越前「俺式」へ。

コレド室町3階「バシのせたが屋」があった場所に、同じ「せたが屋」系の目黒「俺式」が出店。内装もトタン風の素材やホーロー看板、モノクロ写真などを多用して、昭和レトロっぽく仕上げています。注文は、「一押」マークの筆頭メニュー、「味玉豚骨らーめん」(780円)をば。丼は、約5分で到着。


では、スープを一口……うん、イイ感じに仕上がっています。ゲンコツ・背ガラ・豚足などを10時間以上炊き込んだというこのスープ、ドスッと重みのあるコクを、炊き出したゼラチン質で適度にコーティングしてマイルドに感じさせ、コラーゲンのおかげか口あたり・ノド越しもスムーズ。カエシも強すぎず弱すぎず、軽くキレを感じさせながら、豚骨の甘みをクッキリと際立たせています。「本格的な豚骨」らしさを感じさせながら臭みもなく、女性にも食べやすい優しい味に仕上げるあたり、さすが「せたが屋」系、洒落た演出です。

具材は、チャーシュー、キクラゲ、海苔にネギ、そして自慢の「味噌玉(味噌漬玉子)」。もちろん注目は、赤玉の玉子を味噌ダレにつけ込んだというこの「味噌玉」ですが、う~~ん……味噌は雰囲気程度にしか伝わりませんな。むしろチャーシューが、濃いめの味付けでさりげなく美味い。

さて後半、卓上調味料で味変に挑戦。まずは「俺式特製ラー醤」を投入しますと……おぉ、辛味だけでなく、旨みがグッと増して、ちょっとビックリ。そして今日は金曜夜ということで、心おきなくニンニクをクラッシャー投入いたしますと、タダでさえ本格的な豚骨のコクが、ブンと太さを増して、辛味・旨み・コクも強化され、俄然ドラマが盛り上がってきますが……替玉禁止の身の上を、ただただウラむばかり。

豚骨の風味をムキ出しにして、ひたすらワイルドに仕上げた「濃厚豚骨」も悪くありませんが、日本橋のハイソな働き人に敬遠されるのは明らかですな。そこで、ワイルドな豚骨をゼラチン質・コラーゲンでソフトにくるみ、「羊の皮を被った狼」的な一杯を出してくるあたりが、さすが「せたが屋」。しかし、これは結構難しいワザで、やり過ぎてボヨヨンとボヤけた味になってしまう例もたまに見かけますが……参入障壁(家賃)の高いコレド室町に出店した上で、模倣困難な味で勝負する。「せたが屋」系の「競争優位」を、見せつけられた一杯でした。
店舗情報は、こちら。
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