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田中そば店@秋葉原 「山形辛味噌らーめん」

田中そば店@秋葉原・辛味噌編・秋葉原
 蛇行する偏西風が寒気を引き連れて、結構冷え込んだ金曜夜。辛味噌で温まろうと、秋葉原・末広町「田中そば店」へ、再び。
田中そば店@秋葉原・辛味噌編・店舗
田中そば店@秋葉原・辛味噌編・券売機
 なんでも、山形・赤湯「龍上海」の「赤湯からみそラーメン」のインスパイヤとか。「龍上海」といえば横浜ラー博にも出店している名店ですな。そして「田中そば店」もその名声は揺るぎなく、名店が名店をインスパイヤするという面白い趣向。券売機は店外右手、迷うことなく「山形辛味噌らーめん」(880円)をポチッとな。丼は、約7分で到着。
田中そば店@秋葉原・辛味噌編・辛味噌
田中そば店@秋葉原・辛味噌編・スープ
 では、スープを一口……お、「甘さ」でまとめてきましたな。ベースはこの店独特の塩豚骨のようなシャッキリしたスープですが、これに白味噌主体の味噌ダレをホンノリと絡ませています。しかし、白味噌固有の甘さだけでなく、調味料で分かりやすく甘味を加えており、これに青海苔の風味が加わって、田舎料理のような庶民的な味わいに。あの「鉄火場」を思わせる、エネルギッシュなキレ味の「中華そば」とは、対照的な仕上がりです。
田中そば店@秋葉原・辛味噌編・麺上げ
 麺は、太めの中太ストレート。前回も紹介したように「うどん」的ニュアンスのあるソフトな麺で、かん水による澱みを排して朴訥と伝わる小麦の甘みが、味噌で複雑な「呪文」をかけられたスープの甘味に、なぜかよく合う。具材は、チャーシュー、メンマ、青海苔・ネギ。チャーシュー・メンマは相変わらず絶品で、むしろ「中華そば」よりこちらの方こそ、チャーシュー増しが似合うかも。
田中そば店@秋葉原・辛味噌編・味噌混合
 そして中央の辛味噌を徐々に溶かしこみますと、パッと薄紅色に色付いて、なんとも小粋な色彩変化。この辛味噌、赤湯名物の「石焼唐がらし」も使っているのか、辛味が独特の香ばしさを伴っており、さらに味噌にニンニクを混ぜ込んで重厚な仕上がりに。そして、この辛味噌にも明らかに甘味が忍ばせてあって……コイツを混ぜ込んだ味わいも、重層的にシナジーした甘味が主役に座り、辛味はあくまでデコレーションといった凝った「配役」で、非常にユニークな構成です。

田中そば店@秋葉原・辛味噌編・卓上
 その商品名から、誰もが主役と思ってしまう辛味を、大方の期待を裏切り盛り立て役に回しつつ、実は庶民的な甘味で勝負しようという、ちょっとトリッキーというか「パラドクス」的な味作り。しかし、こんな「洒落」が楽しめるのも、スープと味噌が本物のキレ・コクで支え切っているからであり、D難度の「離れワザ」といえましょう。名店による名店のインスパイヤ、予想通り「ひとヒネリ」どころか「後方2回宙返り1回ひねり(ムーンサルト)」的な、レベルの高い「洒落」を堪能させてくれた一杯でした。

 店舗情報は、こちら

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プロフィール

miles

Author:miles
 千葉南西部や都心のラーメンを食べ歩きながら、某サイトへ5年にわたりアレコレ書いてきましたが、都心に引越し連載も1,000回を越えたあたりでこちらへシフト。他の話題についても「So What?」な気分で、アレコレ書いていこうと思います。
 とはいえ、ほとんどラーメンの話題になってしまうのか……

年齢:マジ・オッサン
仕事:銀座・新橋から離れ、今は世田谷系・半フリーランス
オッサンゆえの自己ルール:
 ・6人以上の店外行列はパス
 ・週3杯以内、日1杯以内
 ・連食・副食・大中盛NG
 ・移動は電車&徒歩
 ・移動時間30分以内
 ・飲み後のシメNG

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