2012/10/17
麺や 伴@外苑前 「柚子肉つけ麺」

もう10月だというのに夏の日差し、青山通りを歩く人もほぼ全員が半袖の夏服です。汗を拭きつつ、外苑前の新店「伴」へ。

お店は、外苑西通り沿いから斜めに逸れる階段坂を降りたところ、結構分かりにくい場所ですが、写真の看板に気付けばスムーズにたどり着けます。

メニューは「肉つけ麺」「肉そば」の二系統で、それぞれに「塩」バージョンと「柚子」バージョンが用意されています。店内のポップ(写真は下掲)からは、柚子へのコダワリがヒシヒシ伝わってきますので、筆頭ボタンの「柚子肉つけ麺」(800円)を、ポチッとな。

さすが青山のお店とあって、内装は白壁とウォールナットでシックにまとめ、間接照明の使い方も洒落てます。割りスープは卓上ポットで用意、丼は約6分で到着。

肉・ネギ・胡麻が、食欲を誘う丼姿、まずはつけ汁を一口……ほぉ~、これは変わってますな。味の中心にドンッと据えられたのは「酸味」で、世のつけ汁の中でも非常に強めの部類。しかしこの酸味、りんご酢のようなフルーティーな味わいでカドがなく、柚子の爽やかな香りともよく合います。さらに、鶏ガラ&魚介出汁もアッサリしながら旨みが実にシッカリしており、酸味と醤油をなだらかにつなぎ合わせて……全体として、クセが強いのにまとまりが良い、非常にユニークな仕上がりです。

麺は中太ストレート。全粒粉を少し使っているのか、麺肌にはまばらに粒々が見え、ご飯のようなフックラとした甘味があって、なかなか美味い。具材は豚しゃぶ肉、メンマ、海苔に、ネギなど薬味類と多めの胡麻。豚しゃぶ肉は敢えてアクを残して食べ応えにつなげており、メンマは穂先を大きめに切った豪華なもの。

麺と具材を絡めてつけ汁につけ、ズバァ~~ッとイキますと……麺・つけ汁が作り出すオーソドクスな味空間の中で、柚子の香りと肉の味わいが引き立って、最終的に「肉しゃぶ&柚子ポン酢」的なニュアンスに集束していくという……コイツは、なかなか。

一般に親しまれている「肉しゃぶ&柚子ポン酢」をモチーフにしながら、その「既成概念」に安住せず、「肉々しさ」と酸味にフォルテシモをかけながら、中華麺と見事に融合させた一品。特に、この「フォルテシモ」が、「一歩間違えれば」というギリギリの領域に到達しており、ちょっとした大人の「遊び心」を感じさせて、なかなか愉快。青山の隠れ家的なお店ですが、機会がありましたら是非。
店舗情報は、こちら。
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