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小麦と肉 桃の木@新宿御苑 「つけ麺 花より団子」

桃の木@新宿御苑・20130425・御苑
 爆弾低気圧が通り過ぎ、雲ひとつない快晴となった月曜日。あの風では、咲き残っていた桜もほとんど散ってしまったんでしょうな……そんななごり惜しさも手伝って、「桜満開」的な限定を出していると噂の、新宿御苑「桃の木」へ。
桃の木@新宿御苑・20130425・店舗
桃の木@新宿御苑・20130425・ポップ
 店員は全員女性、「ブルガリア」(ヨーグルトつけ麺)など、女性ならではの繊細な感覚が光る作品で、オープン時から話題のお店です。入口脇に限定「つけ麺 花より団子」(950円 5月31日まで)の告知、その横は大雪の日の写真かしら……なんともデッカイ雪だるまだこと。
桃の木@新宿御苑・20130425・花より団子
桃の木@新宿御苑・20130425・つけ汁
 カウンターで待つことしばし、運ばれて来たのは、つけ汁と麺、そしてなんと「餡子」、「デザートつけ麺としてどうぞ」だそうです。とりあえず、つけ汁を一口……基本的には、レギュラーメニューの「昆布醤油味」に近く、豚テールの上品な風味に煮干・昆布のフンワリとした旨味が絡む、この店特有の優しい味。醤油ダレの繊細なニュアンスも以前のままですが……以前より、酸味が増してサッパリ感がアップしたかも。その酸味も、「花」という先入観があるせいか、梅酢のようにも感じられたり。
桃の木@新宿御苑・20130425・麺
 そして、注目はこの麺。少なくとも、和菓子などで使われる桜花のパウダーを使っていると思われ香り豊か。しかも柔らかめにゆで上げてあってフルッとした口あたり、麺自体にほのかな酸味が感じられて……桜餅の風味を濃厚にしたような一品で、これは面白い。
桃の木@新宿御苑・20130425・麺上げ
 コイツをつけ汁につけ、ズバァ~~ッとイキますと……麺の酸味とつけ汁の酸味が、高原に響き渡るコダマのように爽やかに呼応した後、豚テールのコクと旨味が口腔をゆったりと満たしていくような感覚で、穏やかにして情緒あふれる味わい。いつも思うことですが、こうした女性的な「優しさ」にあふれる味は、この業界では非常に貴重。
桃の木@新宿御苑・20130425・ワンタン 具材は、ワンタンに菜の花おひたしと、薬味のネギ。ワンタンはゴロゴロと5, 6個は入っており、肉ワンタンと海老ワンタンが混じっています。タップリ入った肉餡は風味も抜群、皮もツルッと絶妙のゆで加減で、このあたりの技術はさすが「桃の木」。桃の木@新宿御苑・20130425・餡つけ麺上げ

 そして終盤、とりあえず別皿の餡子に麺をつけていただきますが……ま、確かに面白いけど、これじゃただの和菓子。そこで餡子を麺にのせ、さらにつけ汁にくぐらせていただきますと……塩を加えると餡子の甘味が増すように、つけ汁の塩味が餡の風味を引き絞り、さらに豚テールの脂が中華な雰囲気も加えて、結構面白い味に。

桃の木@新宿御苑・20130425・卓上 私のような「三丁目夕日」世代が子供の頃、下町のラーメン店の客は「ガテン系」のニーサン・オッチャン達がほとんどで、(カーチャンがつくる料理に比べれば)ラーメンは脂っこくて塩っぱくて……いまでも、ラーメンに「インパクト」「パンチ」が求められるのは、そうした「男社会」的な背景があるせいかも。しかし今や、生産年齢人口の減少対策として、女性の労働参加は喫緊の課題。今後さらに増える働く女性のために、女性の感性で作られたラーメンは貴重な存在……そんな時代のパイオニアとして、今後も頑張って欲しいお店です。

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らーめん 裸@大久保 「らーめん 並」

裸@大久保・20130423・百人町路地
 4月も下旬だというのに急に冷え込んだ週末、前夜体を温めようと食べたタイ料理が強烈で、どうも体調がイマイチです。月曜昼はできればシンプルな一杯を、ということで百人町の新店「裸」へ。大久保駅から場末感満載の路地を歩いて向かいます。
裸@大久保・20130423・店舗
裸@大久保・20130423・店内
 看板の絵も「異形」(指に注目)なら、手書きで「裸」一文字の看板も「異形」、表通りに面したサッシにカウンター裏面のベニヤ板をさらす店構えも、また思いっきり「異形」ですな。さらに店内は壁際にカウンターがあるだけで中央部はガランドウ、Pタイルをはがしたままのコンクリ床が剥き出しに。そして奥の厨房では、見るからにソウルフルな金髪の女性がニッコリ微笑んでいるという……まさに「異形」の空間。
裸@大久保・20130423・券売機
 券売機は入口左手、メニューは「らーめん」とトッピングのみですが、どれも安い。横には「五千円札、一万円札はごめんなさい」って……帰っていいよと言う意味かしら。とりあえず、「らーめん 並」(400円)と「めんま」(50円)をポチッとな。店内にはテレビの音声が流れていますが、なぜか厨房からはビバップ系のジャズが聞こえます……約5分後に声がかかり、お盆に載せた丼を給膳口で受け取ります。
裸@大久保・20130423・らーめん
裸@大久保・20130423・スープ
 まずは、スープを一口……ほぉ、無駄をそぎ落としたソツのない味。一見、公共施設の食堂や社員食堂のラーメンみたいな出で立ちですが、そう言ったタイプにありがちなケミカルの過剰感もなく、スッキリとした動物系のコクに、まろやかさを損ねない程度のカエシの効かせ方。特にコレといったサプライズはありませんが、麺との「補完」関係と飲みやすさへの意識がありありと感じられ、大衆食堂のマスプロ的な味とは一線を画しています。
裸@大久保・20130423・麺
 麺は、少し細めの中太縮れ。これも大衆食堂的なフツーの中華麺とは違い、多少加水率が高いのかビビッドな口あたり、最後までダレることなくコシもまずまず。スープのシンプルなコクで、やや弱めの麺の甘味をソッと持ち上げるようなバランスで、イイ感じのコンビネーション。
裸@大久保・20130423・具材
 具材は、チャーシュー、ナルトに海苔とネギ、そして増量したメンマ。チャーシューはモモ肉ですが、意外なほど大きく食べ応え十分。敢えて薄味に仕上げて、スープのコクの中で肉本来の味が引き立つような、オーソドクスな設計です。そして、このメンマの量。クォリティはホドホドですが、50円でここまでゴッソリ、コイツは満足感「大」ですな。

裸@大久保・20130423・路上看板 90年台のことになりますが、バイクの世界で「ネイキッド・ブーム」と呼ばれるムーブメントがありました。「ターボ」が流行った80年台、バイクも性能を競ってエンジンは水冷となり、フル・カウルが常識になって、気付けばどのメーカーのバイクも似たような形に。でも、「バイク本来のカッコ良さ」って「剥き出しの機械」ってイメージだったんじゃないか……そんな反省からか、カウルが取り払われ、エンジンもハンドルも剥き出しの「ネイキッド(裸)・バイク」が多く作られるようになったのです。ラーメンも、その「本来の良さ」は「安くて、サクッと食べられて、ソコソコ美味い」、そういった「コンビニエンス」にあったんじゃないのかな……長い歴史の中で、分厚く塗り重ねられた「装飾」を全てとり払い、ラーメン本来の魅力を「ネイキッド(裸)」にしてみると、こういう一品になるのかもしれません……ま、多少ウガち過ぎかもしれませんが。あの金髪の店員さん、実は私と同様、元バイク乗りだったりして(現役だったらゴメンナサイ)。

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プロフィール

miles

Author:miles
 千葉南西部や都心のラーメンを食べ歩きながら、某サイトへ5年にわたりアレコレ書いてきましたが、都心に引越し連載も1,000回を越えたあたりでこちらへシフト。他の話題についても「So What?」な気分で、アレコレ書いていこうと思います。
 とはいえ、ほとんどラーメンの話題になってしまうのか……

年齢:マジ・オッサン
仕事:銀座・新橋から離れ、今は世田谷系・半フリーランス
オッサンゆえの自己ルール:
 ・6人以上の店外行列はパス
 ・週3杯以内、日1杯以内
 ・連食・副食・大中盛NG
 ・移動は電車&徒歩
 ・移動時間30分以内
 ・飲み後のシメNG

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