2013/11/30
中華そば マルナカ@飯田橋 「こんぶラーメン」

新小川町にラーメンの新店ができたとか……新小川町といえばご覧のような街並みで、古き良き「昭和の空気」が残っている街。私はある理由により年に一度くらいしか行かないことにしていますが、そういや今年は行ってないな……早速現地に赴くと、やはりこの辺りで新店は珍しいのか満員で、しかもそろそろ店じまいとのこと。ま、そんなこともあろうかと、あらかじめ考えていた御茶ノ水の第二候補に移動開始。

その店と、私がリスペクトする店「マルナカ」はすぐ近く、通りがかりに目をやると、小窓に「こんぶ入りました」の貼り紙。そういや震災以来アレはしばらく食べてないなぁ……ついフラフラと入店しました。

この店は、見事な東京ラーメンを出すことで有名ですが、名物メニューは三陸産の昆布をたっぷり使った「こんぶラーメン」(650円)。しかし、東日本大震災でその昆布が入手困難となり、しばらくメニューから外れておりました。ネット情報によれば、「こんぶラーメン」の復活はつい最近とのこと。

どうです、この見事な「昆布の森」。とりあえずは、スープを一口……いやぁ、なんとも懐かしい味。鶏ガラと香味野菜でとったシンプルなスープ、クリアな野菜の旨味の中で、鶏のふくよかな風味を最大限引き出しながら、油分を抑えて後味スッキリ、醤油のキレもヤンワリとしたタッチです。ひと匙ごとに、可憐に咲いては潔く散る、この味のスタイルがあまりにもイナセで、「宵越しの金は持たない」江戸っ子気質に合うのでしょう。

麺は、やや太めの中太弱縮れ。プリッとした口当たりとソフトな歯切れ、味はまさに昔の中華麺のようで、なんともノスタルジックな親しみやすさ。コイツが「東京スープ」をまとって口腔に花開かせる味は……これぞまさに、東京ラーメンの「エスプリ」ですな。

さて、このメニューのクライマックスは後半から。麺・スープを楽しんでいる間に、タップリのった昆布から、ドドッと旨味がにじみ出して……「真昆布」特有の、透き通るようなクリアな旨味がスープ全体を包み、スープにトロみが加わったかと思うほどの、濃厚な旨味。「利尻」だろうが「羅臼」だろうが、出汁用の昆布ではここまでピュアな旨味は演出できず、まさにこの三陸産真昆布からしか出ないと思われる、「清純」な旨味。食材入手可能になるまで、メニュー自体が中止になる理由がよく分かります。

店舗情報は、こちら。
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