2015/03/26
中華そば 勝本@水道橋 「中華そば」

無理スジな仕事に手をつける気がせず、結局また休日出社が確定してしまった金曜夜。三崎町を行き交う酔客の、週末を迎えた晴々とした笑顔が羨ましい……気を取り直して、今月オープンした新店「勝本」へ。

3月オープンのこのお店、ネットでは「つじ田」インスパイヤだと聞き及んでおりますが、トッピングに「すだち」(150円)があるあたり、それっぽい。とりあえず「中華そば」(780円)をポチッとな。席に着くと、隣の客が一口食べては「美味い、美味い」を繰り返し、酔っているのか「美味い」連発が止まりません。厨房は4人で切り盛り、しかしまだオペレーションに難があるのか、15分ほど待たされて、さすがに「美味い」連発にもイラつき始めた頃、ようやく丼到着。

では、スープを一口……たしかに枠組みは「つじ田」のようですが、かなりバランスが異なりますな。最大の違いは豚骨の「ボリューム」感、脂分をタップリ乳化させながら、トロリとした粘度になるまで炊き込んであり、口腔にコッテリ感が広がります。この豚骨に対してカツオ主体の魚介系は控えめなタッチ、カエシも控えめで、豚骨の押し出しをソッと後押しする程度。敢えて味の輪郭線を引かないアプローチで、豚骨に自信があるのでしょう。

麺は、浅草開化楼製の中太ストレート。プリッとした口当たりに、ビビッドなコシ、しかし噛み応えにどこかシットリした重さもあって、なかなか面白い仕上がりです。甘みもそれなりに強いのですが、スープの「ボリューム」感が圧倒的で、ちょっと負けてる感じがしますな……もう少し太い麺でもよかったかも。
具材は、チャーシュー、メンマ、ナルトに海苔、そして薬味のネギが少々。チャーシューは、イマドキ珍しい大判のバラロールで、厚みもシッカリ。表面と赤身で味のメリハリを付けながら、全体としてはやや薄味に仕上げてあり、濃厚なスープにバッチリ合います。

後半は、卓上の黒七味でちょっと味編。豚骨主体のスープに対して、黒七味のシックな辛味・風味が実によく合い、この味のキワ立ち方は、本家「つじ田」よりも上手かも。味に輪郭線を引かないアプローチが、このあたりでようやく活きてきますな。

店舗情報は、こちら。
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