2015/04/07
アルス 南青山@乃木坂 「アルス煮干しらぁめん」+白ワイン

西麻布「楽観」といえば、かつてラヲタの間で美味いと噂が駆け巡ったお店ですが……残念ながら、私の行動圏外。その後立川に移転、武蔵小山にもお店を出したと風の噂、しかし所詮は縁遠いお店と思っておりましたが……なんと、乃木坂に凱旋したとか。場所は、写真右手の乃木坂駅3番出口から、写真左手奥へ進んだ突き当り。

小川町「青」同様、メニュー写真がなければとてもラーメン屋には見えない店構え。麺メニューは「九条ねぎと生姜のにゅうめん」と「アルス煮干しらぁめん」の2本立て、他におでんや煮込みなど一品類もとても充実。まずは「アルス煮干しらぁめん」(880円)と……

なぜかこう、無性にドリンク・メニューが気になる。麺・おでん・煮込みと、メニューのコンセプトが「おだし」で統一してあるわけですから、当然「おだし」に合う酒が用意されていると思われ。そこで、煮干しに合いそうな白ワインから、「フーグル・ヴィンマー・グリュナー・ヴェルトリーナ クラッシック(オーストリア)」をグラス(580円)で注文。

すると、ご主人が寄って来られて破顔一笑、「いや、理想的な組み合わせでご注文いただきました。ありがとうございます!」とのこと。なんか恐縮してしまいますが、だったらメニューにおススメで書いておけばいいのに……なんとも奥ゆかしい。とりあえず、ワインを一口……おぉ、クリア&フルーティ、甘さやボディ感を敢えて抑えた、伸びやかで清々しい味わいですな。コイツが煮干しとどう合うか、ワクワク。
では、「おだし」を一口……うはぁ、コイツは美味い。無化調・無添加の上、動物系も一切なしというこの「おだし」、ベースはまさに「おでん出汁」のようなまろやかさで、煮干しは濃くはあるものの、エグミは一切感じさせず苦みも最少、むしろ全体としてほの甘さすら感じますな……自分でも出汁をとりますから分かりますが、これは旨味を極限まで調整した出汁特有の甘味、これが出せる店は滅多にありません。確認しませんでしたが、おそらく調味料もほとんど使っていないと思われ……

麺は中太ストレートで、ご主人によれば「凪」と同じ麺だとか。ただし、「凪」よりは多少固めにゆで上げて、噛み込ませることで甘味を最大限に引き出す仕掛け、小麦の上品な甘味が、スープのナチュラルな甘味・旨味と渾然となって……さらにワインを一口含みますと、舌の上をクリア&フルーティなそよ風になって駆け抜けて、「おだし」のミネラルと混ざってスマートな味に変化しながら、最後に煮干しの苦みをキュッと引き立てます。いやぁ……震えるほどの恍惚感。

具材は、チャーシューと笹切りのネギ。バーナーで炙って供される肩ロース・チャーシューは、大判・極厚の一品。肉汁の旨味を活かすシンプルな味付けで、この肉汁と「おだし」の一体感も言うことなし。ネギがまた素晴らしく、部位・切り方で甘みを最大限に引き出してあり、麺・「おだし」と甘味の三位一体攻撃……そして、ここがクライマックスと感じた瞬間ワインを口に運べば、この世の極楽が見えてきます。

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