2015/12/17
麺屋 ねむ瑠@本郷三丁目 「超濃厚 烏賊煮干中華そば」

気が付けばもう師走、一年の総括をすべき時期ですが、ギリギリ行動圏外に、どうしても今年食べておかねばならぬ店が何軒か……そのひとつ、本郷三丁目の「ねむ瑠」へ。自己ルール破りとなりますので、罰則としてウォーキング強化のため、三田線「春日」から春日通りをテクテク。

9月オープンのこのお店、ラーメン食材としては扱いが難しい「烏賊煮干」を中心に据えた一品を出すことで、かなり話題となりました。カウンターは12席以上ありますが、人手不足のせいか7席に限定し、ご主人お一人で営業中。メニューは「中華そば」「超濃厚 烏賊煮干中華そば」の2系統、もちろん「おすすめ」として能書きまで掲げておられます(写真は下掲)「超濃厚 烏賊煮干中華そば」(800円)を、ポチッとな。
なんともアヴァンギャルドな丼景色。まずは、スープを一口……おぉ、見かけとは真逆に「バランス」に気を遣った味ですな。「烏賊煮干」の問題点は、少しでも扱いを誤ると、特有の風味・エグ味がドカンと突出して、全体を支配してしまうこと。その点このスープでは、白口・青口・鯵の煮干し三種を使って烏賊の風味と合体させ、それを濃厚な鶏白湯で包み込むことで、烏賊の「表情」を実に穏やかに伝えています。醤油カエシも、烏賊&煮干しの風味を活かすドライなタッチ、烏賊によりすでにホノ甘さが出ていますので、それを敢えて強めない方向性で……ご主人のセンスが光りますな。
麺は村上朝日製麺製で、やや細めの中太ストレート。多少カタメにゆで上げて、パツッとした口当たりを演出しており、食べ応え十分。しかも低加水ですので、甘味がグイグイとダイレクトに主張して、濃厚なスープとジャストフィット。「ドロ煮干」系ではよく使われるコンビネーションで、「王道」的な安定感がありますな。
具材は、チャーシュー、三つ葉に笹切りのネギ。チャーシューは、低温調理した肩ロースで、敢えて味付けは控えめにして、ロースト・ポーク的に肉の旨味を活かしたモノ。スープがエグ味ギリギリの線を狙ったモノですので、こうしたシンプルな味わいの方が、相性がいい。

卓上アイテムは、「烏賊のいしる(魚醤)」(赤)、「穀物酢」(白)、「山椒オイル(ピュアオリーブオイル仕立て)」(壺)、それに胡椒。「烏賊のいしる」はかなり強烈で、少量投入で風味と旨味・コクがググッとアップ。一方、「山椒オイル」はほとんど辛くなく、全体の味わいをカチッとソリッドに引き締めて、風味の突出をオイルで丸めるというスグレモノ。このワザは初めて見ましたが、他店でも大いに参考になるでしょう。

店舗情報は、こちら。
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