2016/02/06
広島汁なし担々麺 山椒家@新橋 「辛口味」

明日から「約40年ぶりの大寒波が襲来」との気象情報、沖縄や台湾でもみぞれが降るとか降らないとか……ま、要するに「今日中に食べ歩いておけ」とのお告げですな。新橋の新店「山椒家」へ、場所は第一ホテル東京横の路地。

1月オープンのこのお店、メニューは広島汁なし担々麺一本で、辛さは弱い方から「山椒味」「辛口味」「大辛味」「激辛味」の4段階。「辛口味」が標準のようで、それを筆頭ボタンに持ってくるため、券売機のボタン並び順がちょっと変。とりあえずは、「辛口味」(680円)と「温泉玉子」(100円)をポチッとな、この日ライスはサービスで、サイズも小・普通・大から選べるとのことでしたが、小でお願いしました。

麺の脇からタレが顔をのぞかせており、かなり多めのタレでいただく趣向の模様。コイツをよくよく混ぜ込みますと、サラサラのタレがうっすらと麺肌を覆う程度で、さほどアグレッシブな景色ではありません。
麺をググッと持ち上げて、まずは一口……うん、インパクトよりバランス重視の仕上がりですな。辣(カラさ)より、やや麻(シビレ)を強めた麻辣バランス、いずれも液状化させタレに味が移してあり、唐辛子や山椒のザラザラ感が口に残らず、スマートな食べ心地。広島からの進出店のようにザラザラ・チリチリと麻辣を伝えるのではなく、シンシンと舌に染み入るような伝わり方、これはこれでアリですな。麺は、広島特有の丸細麺ですが、多少加水率を高めてある模様。コイツをやや柔らかめにゆで上げて、透明感のある甘みに仕上げており、「スマート麻辣」との相性も悪くありません。

具材は、タップリの挽肉とネギに、チョコンと糸唐辛子。挽肉はシットリとした仕上がりで、コク・旨味とも十分、シッカリ濃く味付けてあって、麺・タレの「スマートコンビ」に、やや強めのリズムを与えます。しかも、麺を食べ終わっても追い飯用に適量が残るような分量で、よく計算されていますな。
別皿提供の温玉に、麺を絡めていただきますと……お、辛みのトゲトゲ感が一気に丸くなるようで、これは美味い。液状化した辛味が麺全体に行きわたっていますので、温玉による味の変化も実に滑らか……このあたりも計算づくなら、結構凄い。広島風では温玉はお約束ですが、ここまで合うと感じたことは、ほとんどありませんな。
麺を完食後、残った具材に追い飯入れて混ぜ込めば、「担々ライス」の出来上がり。タレに仕込んだ麻辣はほとんど麺が拾った後ですので、ご飯のホッコリとした甘味を、挽肉にしみた麻辣だけでクイッと引き立てるような塩梅で、このバランス感覚も悪くありません。

本場広島から来た、インパクト満載の汁なしを食べてしまうと、こちらはかなり大人しく感じられますが……広島風の荒々しさ・豪放さを敢えて取り除くことで、温玉・追い飯との相性を向上させ、都会人好みのスマートな食べ応えを実現した一杯。これはこれでアリではないかな……と思っていたら、横に来たのは地方の農村部から来て、おそらく隣のホテルに泊まっているらしきオジさん二人。「ガハハッ!」と豪快に談笑しながら生ビールを飲んでおられますが……こういうお客さんには、本来の広島風が良いのかも。この店も、第一ホテルではなく帝国ホテルの隣なら、もっと「スマート感」が受けるかもしれません。
店舗情報は、こちら。
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