2016/02/10
神田 とりそば なな蓮@神田 「鶏しおそば」

冷たい雨が降る金曜夜、これが雪に変わるのを恐れてか、JRも地下鉄も結構ガラガラでしたが……神田の街は相変わらずの盛況ぶり。今宵はウォーキングできませんので、あっさりした一杯がいただけそうな、神田の新店「なな蓮」へ。場所は、以前「時翁」があったところですが、まだ看板が残っている上、中の蛍光灯までついてます。

日本橋「なな蓮」の2号店、しかし日本橋は冠が「日本橋 製麺庵」でこちらは「神田 とりそば」、メニューも日本橋は「支那そば」が主力でこちらは「鶏そば」系と、別ブランド店的な位置づけのようです。メニューは「鶏しおそば」と「支那そば」(店頭品書きでは「鶏そば」)の2本立て、まずは筆頭の「鶏しおそば」(800円)を、ポチッとな。
なんとも清々しさ漂う丼景色。まずは、スープを一口……なるほど、コイツは美味い。何ともふくよかな味わいの鶏出汁ですが、比内地鶏はじめ数種の朝〆鶏を使っているとか。これに合わせる魚介出汁は、鶏の風味を邪魔せずに、鶏の旨味だけとシナジーさせる使い方で、これが見事にハマッて無化調とは思えぬ旨味の強さ、これらを塩ダレでゆったりと包み込んでいます。口あたりはスッキリなのに、舌に溢れる芳醇な風味と旨味、さすが「なな蓮」と唸らせるハイテク・スープですな。
麺はなんと、かなり太めの中太で、細かく縮れが入ったもの。「鶏塩」というと、中細や細麺ストレートを合わせるのが業界の「お約束」ですが、非常に大胆なチョイスですな。「ちくごいずみ」や「春よ恋」など内麦四種のブレンドで、こちらもスッキリとした口あたりながら力強い甘味があって、スープのタッチにジャストフィット。日本橋店で製麺したもので、粉種も共通しているようですが、以前日本橋店はプッチンとした歯切れのストレート麺でしたので、その後変えたのか、この店のために特製したのか……

具材は、チャーシュー、メンマ、味玉に、三つ葉と海苔・ネギ。チャーシューは、豚バラと(おそらく)豚モモの2種と、鶏ムネ肉の3種類。味付けも、豚モモはシッカリ濃いめ、鶏ムネ肉はシッカリ・アッサリ、そして豚バラはスープを吸って肉汁を際立たせるタイプで、三種三様に楽しめます。

味玉も、スープを汚さぬよう慎重に仕上げてあって、外は薄味・中はシッカリ。ネギも白ネギを二通りに切り分けてあり、三つ葉も同様、これらが複雑に組み合わさって、スープに様々な薬味を与えます……このあたりも、さすが「なな蓮」。ただし、メンマはちょっと風味が強すぎで、欲をいえば、スープがやや濃い本店とは、調味を変えた方がよいような。

本店の主力メニュー「支那そば」「濃い出汁そば」とは、まったく趣を異にしながら、まったく同レベルのハイ・クォリティな一品。いやむしろ、具材の総合力やスープ・麺の相性では、こちらの方が上かも知れませんな……チャーシュー1種、味玉もついて日本橋と同価格ですから、コスパの方も大満足。デビュー時からハイレベルな実力店でしたが、それがさらに進化するとは恐るべし。神田にまた一つ、「名店」が生まれましたな。
店舗情報は、こちら。
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