2016/04/30
さんじ@上野・稲荷町 「濃厚煮干豚骨」(土曜限定)

前週、上野「さんじ」で「つけそば」をいただき、全粒粉麺の魅力を最大限に引き出した「One & Only」な完成度に驚きました。その時、店頭で見かけ激しく迷った限定メニューがあったので、2週連続で土曜に訪店。

それがこの「濃厚煮干豚骨」(800円)。なんでも入谷「麺処 晴」との交流で生まれたものとか、「さんじ」得意の豚骨と、煮干しスペシャリストの「晴」の合作とくれば、否が応でも高まる期待。数量限定とありますが、ご主人のTwitterではこの日の用意は100食分とのこと、14時過ぎの訪店でしたが、なんとかありつくことができました。
濃褐色のスープは、ドロドロの粘度。まずは一口……うんうん、コイツはバッチシ期待通り、いや期待以上ですな。煮干ペーストが、大量に溶け込んでいるかのごとき、大インパクトの「煮干」感。当然ながら苦味・エグミが大炸裂するのかと思いきや、濃厚な豚骨と深く融け合い、ほとんどクセを感じさせません。重量感のある煮干と豚骨が、ドド~~ンと舌を打った後、クリーミーな風味がフワッと口腔に広がりながら、重量感のある彫りの深い味わいが、シンシンと舌にしみてきます……こうした、いわゆる「ドロ煮干し」タイプを出す店は珍しくありませんが、それらと比べてもクォリティは最上級。
麺は浅草開化楼製、「つけそば」の全粒粉麺とは違い、低加水の細ストレート。カタメのゆで上がりでパツッとハリのある口あたり、小麦ギッチリ感のあるポクポクとした歯切れに続いて、小麦の甘味が力強く訴えかけます。濃厚煮干しにこうした麺を合わせるのは、「伊藤」以来の伝統で、あの「晴」も同じアプローチ、それらを受け継ぐ「正統派」ですな。
具材はチャーシュー2種と、海苔に刻みタマネギ、それに「つけそば」と同じスプラウトがのり、どうもこれが店のトレードマークのようですな。チャーシューは、低温調理の肩ロース1枚と、鶏ムネ肉が2枚。非常に重く豊かな味わいのスープですので、こうした肉本来の旨味をシンプルに打ち出すチャーシューは、当然のごとくバッチリ合います。

この日はほぼ満席で、厨房も非常に忙しそうでしたから、有効期限なしで何回でも使える「トッピング無料券」を提示しませんでしたが、ご主人が私の顔をおぼえていたらしく、「この間もいらっしゃってましたよね」と、別皿で味玉をサービスしていただきました。その出来はともかく、こういうきめ細かい心遣いは、なんともうれしいものですなぁ……

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