2016/09/29
成都正宗 担々麺 つじ田@小川町・淡路町 「正宗担々麺」

平日に有給とってひと休み、雨音を聴きながら読書でも……と思ったところで、会社から電話。15時には解放されましたが、さてランチをどうするか。通し営業で、平日・雨でかつ15~16時あたりでないと、行列なしでは入れそうもない新店といえば……私にとっては、小川町の「担々麺 つじ田」ですな。これまで2回もフラれております。

ご存じ名店「つじ田」が7月にオープンさせた、担々麺専門店。当然のごとくランチタイムは大行列で、夜はスープ切れ早仕舞いもあるとか、行列嫌いの私には、なかなか近寄り難い。それでも、酷暑や大雨の日を選んで2回狙ってみましたが……行列が消えることはありませんでした。

この日は行列なしで店内6割ほどの客入り、メニューは「正宗式」と「成都式」に、それぞれ「担々麺」(汁あり)と「汁なし担々麺」。「正宗式」は胡麻を立たせた日本風、「成都式」は麻辣を立てた四川風、券売機はちょっと分かりにくいのですが、おそらく白いボタンが辛さ「0~4」、黄色が「5」(+100円)、赤が「6」(+200円)になると思われ。「辛さは3が基準ですが、かなり辛めになっています」と声がかかり、とりあえず筆頭ボタン「正宗担々麺」(880円)をポチッと押して、辛さ「2」でお願いしました。
おぉ、結構「獰猛」な丼景色。まずは、スープを一口……いやぁ、ここまで「担々」してても、「つじ田」的なニュアンスが結構強い。まず特徴的なのが動物系のベーススープ、サラリとした丸鶏を使うのが標準的ですが、コイツはドッシリと重厚でコクが分厚く、さっそく「つじ田」らしさが炸裂。この分厚いコクに、さらに芝麻醤のコクが上乗せされて、尋常ならざる濃密感。辣油のキレにも重みがあり、花椒との「麻辣」バランスも、「日本式」としてはかなり「麻」寄りで、どちらかといえば「四川風」。辛さ「2」でも、リラックスして楽しむにはギリギリの「麻辣」レベル、「3」だと少し「構える」必要がありそうです。
麺は、三河屋製麺製の中細ストレート。しなやかさ重視のゆで上げと、地味ですが朗らかな甘みは、まさに教科書通りの「担々麺」仕様で、三河屋さんの良さがフルに発揮される領域ですが……このスープに対しては、少々弱い。濃密なスープは、すでに「汁なし」のタレのレベルに達していますので、ここは思い切ってモチモチの太麺で良い気がします。
具材は、肉味噌、モヤシに白ゴマと、カシューナッツなどのナッツ類と搾菜、それにネギが数種。とにかく面白いのは食感で、白ゴマのツブツブ感に、ナッツ類のゴリゴリ感、これらにタイミングよく搾菜のグニグニ感が加わって……そして、大きさ・切り方を変えたネギが余韻の幅を広げます。かなり喧(かまびす)しい食感ですが、中華本来の賑やかさがあって、これはこれでよいのでは。

コクの分厚さ、麻辣の強さ、そして賑やかな食感と、「つじ田」らしく担々麺の「勝負どころ」を慎重に見定めて、集中的にパワーアップしてきた、外連味の強い一杯。非常によく出来た作品で、あとは好みの問題ですが……「つじ田」をよく知る人には、一種の「洒落」がよく伝わって面白いと思いますが、普通の「日本式担々麺」が好きな人には賛否あるかも。なぜなら、コクと旨味を芝麻醤とベーススープで役割分担しているところが、「日本式担々麺」らしさともいえるところ、その両方をベーススープに担わせた変則的な構成に、違和感を感じる方もいらっしゃるかも。そういった意味で、最初から「『つじ田』らしさ」を楽しむつもりで、食していただきたい一杯でした。
店舗情報は、こちら。
【記事ご参考になりましたら、こちら(↓)の方をポチッとな】
FC2 Blog Ranking