2016/11/29
Tonari@神泉・渋谷 「牡蠣担々麺」

今にも泣き出しそうな空の下、先日訪れた「Tonari」へ再び。場所は、松濤郵便局前交差点のもうひとつ西側の交差点手前を、南に下る路地の途中。

先日、ご主人からイロイロお聞きした中に、裏メニューに関する情報が。なんでも「担々麺」や「牡蠣担々麺」(1,000円)が出せるとか。私も永らく食べ歩いておりますが、牡蠣と担々麺の組み合わせというのは出会ったことがありません。さっそく注文。

中華鍋で野菜類を軽く炒め、そこにスープや牡蠣を加えてひと煮立ち、丼で麺・スープを仕立てた後、野菜類と牡蠣を鍋から移すという凝った製法。最後に辣油がまわしかけられます。
パクチーの緑鮮やかな、なんとも美しい丼景色(パクチーは調理前に要否を確認していただけます)。まずは、スープを一口……いやぁ、実に見事な「バランス感覚」。先日も書きましたが、牡蠣は風味が強く扱いの難しい食材、一方の芝麻醤もコクが強くて主張が強い。両者を合わせれば、一方が勝って一方を台無しにしてしまいそうなものですが……なんと両方「活きて」ます。それだけではなく、パクチーが加える独特の風味や爽やかさ、挽肉の旨味まで一つ一つがビビッドに振る舞って、それでいてベースの鶏スープもシッカリ存在感を見せつけるという……後半に向け、ジワジワ牡蠣の風味が増すあたりも見どころ。
麺は、三河屋製麺製の細麺ストレート。加水率低めの麺を、先日いただいた「白醤油鶏そば」では多少カタメにゆで上げていましたが、担々麺では実にしやなかなゆで上がり。もちろんコチラのほうが、三河屋さんらしさが存分に発揮されますし、担々麺としても最適なセッティング。担々麺の場合、スープ内でバランスが取れても、麺・スープのバランスが崩れることもシバシバですが……やはりソチラも抜かりなく、両者がキッチリ引き立て合います。
具材は、牡蠣に挽肉、炒めたモヤシにパクチー・ネギなど薬味類。パクチーは、千切らず包丁で刻んで、風味以上にフレッシュ感を引き出すアプローチ。モヤシの炒め加減も絶妙で、ザクザクと元気な歯ごたえと、適度なシンナリ感による食べやすさがキッチリ両立。
牡蠣も結構デカく、ご覧のようなプリプリの仕上がり、鮮度・風味も実によくて……いやぁ、深まる秋がシミジミ感じられますなぁ。量も4~5個は入っており、これで1,000円とは、築地名物「カキらーめん」もビックリ。

登場人物ひとりひとりの個性が光り、シナリオの伏線ひとつひとつがドラマを生んで、小道具のひとつひとつまで、物語に欠かせない存在になっていく……そんな名作映画を観終わったような「充足感」で、満たされる一杯。ご主人に感想を訊かれ、「いやぁ~~美味いっす!!」などと、高校生のようなウブなセリフしか出なかった自分に恥じ入るばかりですが……ご主人が微笑みながら告げるのは、準備中の裏メニュー情報だったり。グイグイ「Tonari」ワールドに引き込まれていく、オジさんなのでした。
店舗情報は、こちら。
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