2017/01/26
つけ麺 よし田@木場 「つけ麺」

半年以上も、休日出社までして対応が必要だった案件が無事終わり、ちょっと放心状態。こんな日は、落ち着いた雰囲気のなかでシックな一杯をキメたいもの。面白そうな店ができたというので、チョイと木場まで。

この場所には資本系の家系店がありましたが、同じ資本により昨年11月に業態変更。引き戸を手動で開けて暖簾をくぐると、フワッと煮干しの香りが押し寄せてきます。メニューは「ラーメン(濃厚丸鶏ラーメン)」、「つけ麺(濃厚鶏煮干つけ麺)」の2系統、とりあえず店名の冠にもなっている「つけ麺」(890円)に、自分へのご褒美として「味玉」(100円)つけて。

ほどよい緊張感が漂う厨房、丸刈り頭で職人風のご主人、ゆで・シメ・盛り付けと、ご麺の扱いが非常に丁寧なのが印象的。なんでも松戸・某有名つけ麺店で修業されたとか、さもありなんと思わせる、気合の入ったオペレーションです。
ビシッと揃えられた麺から、凛とした気迫が伝わる丼景色。まずはつけ汁を一口……雰囲気は修行先に似ていますが、内容は全くのオリジナル。トロッと濃厚な動物系、しかし丸鶏が主体のために味が柔らか、一方煮干しは非常にパワフルで、敢えてクセを強調するような使い方。「柔」と「剛」、性格が正反対のカップルを、カエシでやや強引に結び付けていますが……醤油のコクよりも、塩味のキレでまとめたような仕上げ方。

麺は三河屋製麺製で、かなり太めの中太ストレート。加水率高めの麺をシッカリゆで上げ、モチッとした口あたりとガッシリとした力強い歯応え。麺肌に浮く粒々からも分かる通り、かなり全粒粉を多用した一品ですが、加水率も高いため、噛むほどに甘みが適度に広がる感じ。
コイツをつけ汁につけ、ズバァ~~ッとイキますと……塩味が絞り出す煮干しのパンチと、同じく塩味が引き立てる麺の甘みが、ガツンとぶつかり合うようなダイナミックな味わい。敢えて調和を求めず、個性と個性のぶつかり合いを楽しませるような、そんな「演出」。
具材は、チャーシュー、メンマ、海苔と水菜、刻みタマネギ・ネギといった薬味類に、追加の味玉。印象的だったのは穂先メンマで、シッカリとした味付けながら、本来の風味を活かした爽やかな味わい、個性と個性のぶつかり合いの中で、一服の清涼剤になってます。厚切りされたバラロール・チャーシューは、肉のシットリ感を中心に、脂身のネットリ感を微妙に絡ませ、かなり濃く味付けてスープvs麺の「戦場」に参戦します。
スープ割は、残ったつけ汁を適度に捨てつつ丸鶏スープを加えてバランスをとる、凝った作り方。鶏のフンワリとした味わいが増して、「平和」な雰囲気が漂いますが……ここまで調整しても、やはり塩っぱい。

裏手の路地に、「豚骨魚介」系の超有名行列店があり、その周辺に同じ分野で店を出すのは、「○心厨房」のような超個性派でないと難しいと思っていましたが……有名店の「調和」重視の味に対して、アグレッシブな「味のぶつかり合い」で挑んだ、意欲的な一杯。過激なタッチが放つ迫力が、なんとも魅力的ではありますが……「過激」な展開を、いきなりラストシーンの「大団円」に持ち込むには、もうひと工夫要りそうです。しかしそれも、カエシのスタイルを調整すれば、達成可能にも思えたり。今後のブラッシュアップに期待します。
店舗情報は、こちら。
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