2017/02/21
Only One Noodle 壱富士@目黒 「壱富士ラーメン(トマトソース)」

思わずうめき声が出そうなほど、凍えた北風が吹きすさぶ夜、コイツはもうラーメン食べずにはおられません。先日美味さに驚き、さらに新メニューも追加との情報を得た、目黒「壱富士」を再訪。場所はちょっと分かりにくいのですが、目黒駅西口前のビル群を左手から10mほど回り込み、ご覧の入口から入ればその地下です。それにしても、この入口は何回撮影してもピンボケになってしまうのですが、なにかイワクがあるのかも。

メニューは基本「壱富士ラーメン」(800円)一本で、これに好みの香味ソースを指定して、味のバリエーションを楽しむ趣向。前回は、基本の「鶏油ソース」でいただきましたが、1月オープン以来「欠番」になっていた「第3のソース」が気になっておりました。2月1日、それが「トマトソース」であることが判明し提供開始、早速これに挑戦。さらに、前回オミットしてしまった「塩味玉」(100円)もあらためて追加。
おぉ、予想通り「鶏油ソース」とは全く異なる、鮮やかな「朱色」のスープ。まずは、スープを一口……ほほぅ、この「旨味」のコラボは目からウロコ。ラーメンにトマトを使うと、その独特の風味・旨味と酸味が味を完全に支配されてしまいがちですが……その難点を完全に克服。オリーブオイルに無添加トマトとタマネギを溶かし込んだというこのソース、タマネギの甘みでトマトの酸味が和らげられ、ベースの丸鶏のふくよかさを損ねることなく、むしろ風味をクローズアップ。さらに、鶏・魚介系の旨味(イノシン酸系主体)とトマトの旨味(グルタミン酸系主体)が見事にシナジー。そして、オリーブオイルが丸鶏のコッテリ感を適度に抑えて、サラリとした味わいに仕上げています。まさに「一石三鳥」の驚異的な効果。
麺は中細ストレート。デュラム粉が使用されているため、実にハッキリとした甘みがありますが、スープがソースで一層「煌びやか」な味になっていますので、両者のコラボも実にドラマティック。いやぁ、マジでコイツは美味い!
具材は基本的に前回と同じで、チャーシュー、メンマ、「しゃぶしゃぶ餅」に薬味類、それに今回追加の塩味玉。スペイン産のロース肉使用で塩麹で仕上げたチャーシューは、前回も驚いたほどの逸品ですが、今回は表面の味付けをやや強めた上に、厚切りで食べ応えをプラスしており、さらに進化の跡が見えます。
塩味玉は、カウンターのガラス壺の中で塩ダレに浸かっているものを、目の前で取り出しトッピング。その味わいも実にユニークで、「塩」なのに全く塩っぱくなく、逆に黄身や白身の甘みがグンとアップ、こりゃ「塩大福」なんかと同じエフェクトですな……永らく食べ歩いておりますが、こんな味玉は初めてです。

トマトソースをアトヅケしているため、敢えて混ぜ込まずにいただけば、「一石三鳥」効果が寄せては返すような「ゆらぎ」を伴って感じられるところも、実に心憎い演出で全く食べ飽きしません。多くの場合、「トマト=味の支配」を意味し、対抗処置として濃厚動物系を使ったり、いっそ対抗を諦めイタリアンに仕上げたりと、この業界にも苦闘の歴史がありますが……まさに「破壊的イノベーション」。是非一食をオススメします。
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