2017/03/28
二階堂@九段下 「辛味噌らあめん」(冬季限定)

基本的にはまだ冬ですが、春の気配が否めなくなってきた、今日この頃(私はどちらかというと冬が好き)……宿題となっていた冬季限定をいただきに、九段下「二階堂」へ。

店前で店舗写真を撮っていると、それを見ていた男がフラフラ近寄る。私が入店すると彼も入店、券売機前で冬季限定のポップを撮ると、後ろからその内容をチェックして、私が「辛味噌らあめん」(850円)のボタンを押すと、続いて彼もポチッとな。食べ歩いていると、こういう「コバンザメ」作戦の人によく出会いますが……「自分の食べたいものを食べれば?」とも思いますが、まぁそういうやり方もアリなのかな。週末13時前で店内4人待ち、しかし回転は速く、5分ほどで着席。
中華鍋でスープと味噌ダレを合わせ、野菜類は炒めず中で煮込むような調理スタイル。まずは、スープを一口……さすが「二階堂」、そしてこの日は客の5割の注文を集めるだけあって、コイツは美味い! 味噌ダレは、北海道の赤味噌を主体にしたブレンドで、胡麻と(おそらく)バターか何かを使って、マロやかさとコクを同時にアップさせたもの。そしてスパイスは、山椒・唐辛子に加えて少し辣油も使って辛さの「厚み」を演出、さらに生姜で適度にアグレッシブさも加えてあります。非常に強いベーススープの旨味が、味噌の魅力を最大限に引き出しながら、中華鍋で馴染ませた、野菜類の透明感とほのかな甘みが、全体をそっと落ち着かせるという……いやぁ、なんとも極楽。
麺は、太縮れの玉子麺。札幌系の味噌ラーメンでは定番のスタイルの麺ですが、意外性はなくとも、王道的な「ピッタリ」感。多加水麺の透明感あふれる甘みが、野菜類の透明感と強くシナジー、それらをアグレッシブな味噌が包み込むという……アヴァンギャルドなチャレンジもよいけれど、こういう「王道ど真ん中」的なアプローチが生む無上の安心感、だからこそスープ・具材の小技ひとつひとつが光ります。

具材は、細切りチャーシューにメンマ、モヤシ・タマネギ・キャベツ・ニンジンといった野菜類に、パラリと万能ネギ。野菜類は、敢えて炒めない分、スープ・味噌ダレのしみ込みが深くなり、調理時間を考えると信じられないほど、味の馴染みがハンパない。さらに、炒めによるシャッキリ感よりシットリ感重視の野菜類ゆえ、逆にメンマの食感がいきてくるという見事な配役……なにからなにまで、さすが「二階堂」とうなるしかありません。

「旨味重視の辛味噌」という、非常にユニークなアプローチのこの作品。味と食感に果たす野菜の配役から、それを補完する他の具材や調味料(バター?)、スパイスのチョイスまで、実に緻密に計算された「予定調和」を堪能できる一杯ですな……私に「コバンザメ」しながら入店したそこの君、同時に配膳されながらたった5分で平らげて、また野球帽に大型ヘッドホーンという出で立ちで去っていきましたが……この一杯の深み、わかっていただけたでしょうか。
店舗情報は、こちら。
【記事ご参考になりましたら、こちら(↓)の方をポチッとな】
FC2 Blog Ranking