2017/04/30
つけ麺専門 百の輔@新宿御苑 「濃厚魚介豚骨・ビネガー(ハーフ&ハーフ)」

数カ月に1回しかない新宿方面のお仕事、本当はその日新宿御苑「百の輔」を食べようと思っていたのですが、同じく御苑の「桃の木」の最終日直前でしたので、そちらへ。ま、考えてみれば、いつもの仕事場・渋谷から新宿御苑も大した移動距離ではないので、仕事帰りにあらためて「百の輔」を訪店。夜の新宿御苑は何十年かぶりですが、裏路地は結構閑散。

3月オープンのこのお店、「魚介豚骨」「濃厚魚介豚骨」「エビとイカ墨」「ビネガー」の4種のスープがあり、そこから「ハーフ&ハーフ」として2種選んで楽しませる趣向(単独でも注文可)、神保町「可以」などの例もありますが、結構珍しいサービスです。とりあえず、「濃厚豚骨魚介・ビネガー」(950円)の組み合わせを、ポチッとな。

麺はなんと1kgまで無料、しかし並はなんと150gという、つけ麺屋とは思えぬ数字、コイツはどう判断すればよいのやら……これで並を頼む人も少ないでしょうし、皆さんの参考にもなるし自己ルールでもあるので、ここは敢えて並盛で。
おぉ、なんとも賑やかな丼景色。さっそく、二つのつけ汁を試すべく、丼をカウンター上で滑らせようとしますが……この丼、結構高台部分が小さくて、下手をするとひっくり返してしまいます、皆さんもご注意あれ。まずは、濃厚魚介豚骨の方から一口……かなり炊き込んだ重みのある豚骨に、ガッチリ食い込むサバ節が、イイ感じのコンビネーション。醤油ダレは思いっ切り甘めにフッており、コイツは明らかに別スープとのコントラストを意識していると思われ。
続いて、ビネガーの方を一口いただきますと……おそらくベースは豚骨に昆布・節系の出汁を多めに加えたもので、これに非常にフルーティな果実酢と黒胡椒や唐辛子、それに(おそらく)ピザなどに添えられるオリーブオイル・ベースの辛味油も加えている感じ。非常に派手な味わいで、酸味と辛味がピンピンと尖り、「イタリアンな酸辣湯」的な味わい。
麺は、予想通り非常に個性派、太麺ストレートを非常にカタメにゆで上げており、ムスッムスッと重量感ある歯応え。つけ汁に浸してようやくタワむくらいのカタさですので、ノド越しは期待せず、キッチリ咀嚼しながら豊かな甘みを楽しむタイプですな……2, 3本箸でつまんでは、ヨイショ・ヨイショと噛み込むうち、150gでも十分な満腹感が得られます(客観的に見ても180gくらいのボリュームあり)。コイツを「濃厚魚介豚骨」に浸せば、つけ汁の甘みと麺の甘みがシナジーして、それを重量感ある豚骨の脂分がブワッと口腔に広げる感じ。
一方「ビネガー」の方に浸せば、つけ汁の酸味・辛味が麺の甘みをビシッと引き締め、それをオリーブオイルがサラリと口腔に広げる感じ。両者極めて対照的で、この組み合わせは一つの正解のようですな。
具材は、つけ汁(両方)には小さな賽の目切りのチャーシューと薄く切ったメンマ、それにネギ、麺皿には大判の肩ロース・チャーシューが一枚。つけ汁の具材も、切り方が工夫されて麺との絡みが実によく、それだけで結構テクニカルな仕上がりですが……白眉は、この大判チャーシュー。(おそらく)切り分けたチャーシューをもう一度醤油ダレに漬け、さらに炙りをキッチリ入れたモノ。クッキリと際立つ濃い味わいで、香ばしさもナカナカ、いい仕事のモノですな。割スープは、おそらく両つけ汁に使われている魚介出汁と同じ組成、コイツを加えれば、当然のように味が「線形」に伸びていきます……

巧みなメニュー設計と、高度なワザが光る一杯。それゆえ基本で950円という強気なプライシングなのでしょうが……値段以外は、ほとんど誰にでもオススメできるクォリティ。ただし、唯一この麺の設定は個性的。少なくとも、「中高年」でも「高年」直前のオジサンには、150gでもそれなりの満腹感。これを1kgも食べられる人がいるのでしょうか……ご注文の際は、十分にご注意を。
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