2017/05/19
つけ麺 よし田@木場 「ラーメン」

GW、網戸の掃除など夏に向けた家事を片付けながら、「昼はカップラーメンで……」などと思いつつtwitterを見ておりますと……木場「よし田」さんから「スープ絶好調」との煽り。そういえば、オープン以来かなりスープを改良してきているとも聞いてるし、自転車でサクッと食べてきますか。

昨年11月オープンのこのお店、今年1月に「つけ麺」をいただいて、そのレベルの高さに驚きましたが、バランス的にはまだ「未完の大器」的な印象がありました。その後しばらくtwitterをフォローしておりましたが、着実にスープは改良されてきている模様。前回は暖簾をくぐると煮干しの香りが強く押し寄せて来ましたが、今回は動物系の香りが漂っており、それだけでも「何か違う」と思わせます。前回と同じ「つけ麺」でもよいのですが、ちょっと趣向を変えて「ラーメン」(790円)にGWスペシャル(?)で「味玉」(100円)つけて。

待つ間、カウンターのポップを読んでおりましたが、ラーメンはつけ麺とはスープが異なり「濃厚鶏スープ」になるとのこと(つけ汁は魚介が入る)……やってしまいましたな。
ま、とにかくスープを一口……いやぁ、実に見事な「一体感」。非常に濃厚な鶏スープ、ここまで濃厚ですと当然鶏特有のクサミやイヤミが出てきそうなものですが、コラーゲンと背脂で全体を緻密に融合させるなかで独特な風味は封じられ、重厚なコクと味わいが、ズッシリと舌の上にのってきます。その重さゆえ一瞬豚骨ではないかと錯覚しますが、鶏のコク特有の「柔らかさ」が、ありえないレベルの鶏白湯であることを悟らせます。
麺も全くつけ麺とは異なり、低加水でやや細めの中太ストレート。かなりカタメにゆで上げられており、ゴワッとした口あたりを楽しみながら、ワシワシと頬張るタイプ。低加水ゆえ小麦の甘みが非常に強く感じられますが、国産小麦系の素直な甘さですので、非常に食べやすい。しかし、相手が最初「豚骨?」と思わせるほどの濃厚スープですので、これにパワフルな低加水麺が絡むと、本当に「濃厚豚骨ラーメン」を食べているような気分になりますな。スープ・麺を馴染ませることなく、両者のぶつかり合いを楽しませようというアプローチ。
具材は、チャーシュー、海苔にナルト、薬味のネギと刻みタマネギに、追加の味玉。前回も感心しましたが、このバラロール・チャーシューは実に美味い。ホロッ・トロッとした食感で、噛むほどにドンドン味が湧き出る感じで、強烈な個性のスープ・麺に負けていません。味玉も見事な仕上がり、そしてなんといっても白眉は刻みタマネギで、この「濃厚空間」には絶対に必要な存在ですな……ただ、「ラーメン」には、この店自慢の穂先メンマが入りませんので、必要な方は「メンマ増し」(200円)をお忘れなく。

非常に緻密に細部まで設計されたスープと麺、しかし両者を調和させるのではなく、両者の激しいぶつかり合いを楽しませようという、ある意味「野趣」溢れる意欲作。ただ個人的には多少苦手なタイプで、どうして両者調和させようという方向にならなかったか、興味津々ですが……スープ側に魚介による旨味とアッサリ感を加え、麺側はやや太めにして加水率を上げモッチリ感とスッキリ感を加えると、たしかに調和しそうな気がしますが、それではまんま「つけ麺」になってしまいそうな気も。自信作の「つけ麺」に対する、アンチテーゼとしての「ラーメン」、面白いことを考えるお店です。
店舗情報は、こちら。
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