2017/09/27
燕三条 工場食堂@虎ノ門・内幸町 「侍ラーメンさんの背脂ラーメン」

虎ノ門ヒルズの近くで、期間限定で本場・燕三条のラーメンが食べられるとか。ここのところ都心でも燕三条ラーメンを出す店が次々オープンしておりタイムリー、さっそく訪店。場所は、汐留方面から伸びる「マッカーサー道路」(いまは「新虎通り」と呼ぶんだとか)が、虎ノ門ヒルズに突き当たるあたり。
「新虎通り」周辺に小さな商業設備を散在させ、「旅する新虎マーケット」として全国の魅力を集めようという企画。7月から10月1日までは「夏の章」として新潟県の5市を特集、商業設備のうち「STAND 3」が燕市・三条市を取り上げた「工場食堂」で、そこで三条市の老舗「侍ラーメン」の定番が食べられます。夜のメニューはご覧の通りで、ラーメンの他はつまみ系が中心。

ドリンクメニューには、地元で製造した24金のステンレス・カップで飲めるとありましたので、ちょっと自己ルールを踏み倒してバドワイザーを頼んでみましたが……出てきたのは普通のグラス(写真は下掲)、地ビールを頼まないとダメなのかも。ま、そんなこんなで「侍ラーメンさんの背脂ラーメン」(850円)を注文。
背脂が覆うスープ表面に、雪のようにのる刻みタマネギが美しい。まずは、スープを一口……いいなぁ、この「田舎臭さ」がタマリマセン。燕三条ラーメンは、もともと地元工場で働く人たちへの出前として発達したもの。出前中に冷めないように背脂でスープを覆い、汗かいて働く工員のために塩分高め。ベースは動物系が豚骨主体で、魚介系が煮干し主体、双方ともかなり「ワイルド」なのが燕三条系の特徴ですが、まさにこれら特徴をほぼ体現。このスープでは、煮干しはやや控えめな主張ですが、豚骨が特に力強く、食欲をそそる程度に臭みもあって、コイツはタマリません。
麺は、極太の平打ち麺。これも燕三条系では本来のスタイルで、工場に出前する間にノビないようにする工夫。ワサワサとした荒っぽい口あたりに、硬質な歯応え。多少ゆでが足りないフェットチーネのような食べ心地ですが、コイツがワイルドなスープと背脂をまとって、強引に口の中で暴れまわる感じが、また格別。それに固ゆでですので腹持ちも結構よく、このあたりも工場で働く人々に、支持されてきた所以でしょう。

具材は、チャーシュー、メンマと、刻みタマネギとネギ少量。注目はメンマで、醤油で濃く味付けながら食感パリパリという、都心では滅多に見かけないタイプ。でも、燕三条系では標準的なスタイルですので、未体験の方は是非。チャーシューもモモ肉使用でカタめの食感、このあたりの田舎臭さも、堪能すべきポイントですな。

ここ数年、神保町とか曙橋とか御茶ノ水とか、燕三条系を出すお店がずいぶん増えてきましたが、それらがいかに都心の客にフィットするよう改良努力を重ねているか、如実に分かってしまう「源流」的な一杯。ラーメンは、私たちラヲタの「嗜好品」である以前に、現場のニーズに応えるために発展してきた「実用品」であることが、明瞭にわかる一杯。「実用品」特有の「機能美」が、得も言われぬ光を放ちますな……食べられるのは9月中、ご興味ある方は是非。
店舗情報は、こちら。
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