2017/12/12
らあめん 渋谷三丁目@渋谷 「らあめん・黒」

いきなり、年末年始並みの気温にまで冷え込んだこの日、なんか暖かいものでも食べないと、帰る気がしませんな……何を食べるか、ヒカリエ前のクリスマスツリーを眺めながら思案。そして某店を狙って見事にフラれ、そんな時いつも私を暖かく迎え入れてくれるベースキャンプ、通称「渋三ラーメン」へ。

この店のスープは、白・赤・黒の3種類、白は豚骨ストレート、赤は豚骨に辛味噌を合わせてあり、いずれも体験済み。そこで、今日はマー油を使う「黒」(700円)に挑戦。
茶褐色のマー油とは珍しい。コイツを適量混ぜ込んで、まずはスープをひと口……いやぁ、エッジの立った味ですな。ベースは24時間じっくり炊き出した豚骨で、ゼラチン質が大量に溶け出しているのに、サラリとした口あたり。そして、なんといっても特徴的なのはこのマー油で、ニンニク風味と焦げの香ばしさが、両立しているというかシナジーしており強烈な存在感……世のマー油は、真っ黒なものは香ばしくはあってもニンニク風味が弱く、淡褐色のものはその逆で、「これ!」という一品にはなかなか出会えません。その点コイツは、バランスが取れている上に、どうやったのかトロミがつけてあり、中盤あたりまでは麺に直接絡めるなどして、味の変化を自在に楽しめます。
そして「渋三」といえば、なんといってもこの麺。自家製の極細ストレートですが、加水率低めの麺をガッチリとカタめにゆで上げて、「小麦ギッシリ感」がハンパない。しかも、かなり長めに切り分けられており、すすり心地を自分で調整できるという特典付き。いやぁ、毎度感じることながら、この麺はいい。これを食べに通っているようなものです。

具材は、チャーシュー2枚と、メンマにネギ。ここのチャーシューは相変わらずの絶品で、低温調理風のシットリとした肉の柔らかさと、トロトロの脂身。味付けは、スープのキレに呼応して肉の旨味を発揮するよう設計されており、「白」でも「赤」でも合いますが、「黒」との相性はハンパない。まるでローストポークを、ガーリックソースでいただいているような気分になります……箸が止まらず、2枚じゃ足りませんな。

「渋三ラーメン」の最終兵器「黒」。エッジの立ったスープに、エッジの立った麺がぶつかり合い馴染み合い……「ラーメンはジャズだ!」が私の信念(理想)ですが、まさにその域に限りなく近づいた、「天国に一番近い」一杯。複雑な旨味が絡み合い、完璧なオーケストレーションが天上のハーモニーを奏でるような一杯も、それはそれで「芸術的」で結構ですが……私にはやや眠い。エッジの立った個性と個性がぶつかり合う、「ジャズ」のようなラーメンに久々に出会って、ちょっと興奮してしまったオジさんなのでした。
店舗情報は、こちら。
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