2018/05/30
元祖つけそば 西台 大勝軒 茅場町店@茅場町 「元祖つけそば」

丸長系のお店が新川にできたとか。その昔、千葉で食べ歩いていた私は某所で初めて丸長系に出会いましたが、その体験があまりにも衝撃的だったため、以来「二度と丸長系の暖簾はくぐらない」と心に誓いました……しかしまぁ、あれから十年以上の月日が流れ、私もイイ歳になりましたし、新川は昔大変な仕事をやった思い出の地でもありますので、とりあえず今回に限り「誓い」には目をつぶりましょう。

お店は5月オープン。「西台 大勝軒」は、代々木上原であの山岸氏と一緒に修業した弟弟子・木村茂夫氏が、昭和56年高島平で創業したお店、その息子さんが暖簾分けしたのがこの茅場町店になります。メニューは「元祖つけそば」と「ラーメン」に、チャーハンや餃子とのセットもいくつか。まずは「元祖つけそば」(700円)をポチッとな、食券を渡したフロア係店員の顔をみれば、なんと創業者の木村茂夫氏。この日はオープンから約一週間後でしたが、ずいぶん力を入れられている様子。
まずは、つけ汁をひと口……おぉ、やはり山岸氏と同じDNA。もちろん「東池大勝軒」系の味とは異なりますが、「大勝軒」ならではの風味がフワッと口腔に広がり鼻に抜け、醤油と酸味が実にスッキリと全体を整えます。千葉某店のような、醤油濃くて酸っぱいだけのつゆとはエライ違い。
そして麺が素晴らしい。プリプリとした口あたりと、多少のモッチリ感と歯切れの重み、コイツがスベスベの麺肌でつけ汁をはじきながら、大勝軒系独特の甘みを広げます。つけ汁のバランスを強めたければ、丼の縁に口をつけ、流し込むようにズバァ~~ッとイキますと……ドーンと「大勝軒」特有の香りが広がって、麺が口腔でピンピン躍動、そしてウソのようにスゥ~ッと喉奥に消えていくという……いやぁ、「つけそば」の醍醐味、ここに極まれり。
具材は、細切りのチャーシューに幅広のメンマ、そして海苔と少量のネギ。毎回思うことですが、大勝軒系でも本流に近いお店ほどメンマが美味い。そしてこの店のメンマは、まさに絶品レベル……次回来ることがあれば、必ず「メンマ」トッピングすることでしょう。チャーシューの表現力もいぶし銀。
配膳後に、女性店員さん(おそらく店長のお母上?)が白胡麻と黒胡麻を持ってこられ、「好きなだけかけてください」とニッコリ。早速試してみましたが……いやもう、コイツは最高。ベーススープの香ばしさが、何倍にも膨らむ感じで、麺をすするスピードも倍加されます。スープ割りをお願いすると、注文ごとに小さな金属ポットで提供。中身はベーススープそのものだと思われ、コイツを足せばあの香ばしさがさらに強まって……「大勝軒的なるもの」を満喫し尽くして、箸をおきました。

私の食べ歩き人生から、丸長系を一切排除してしまったことを、強く後悔した一杯。シンプルなのに味わい深く食べ飽きしない、これぞ「つけそば」の原点ともいえるし、あるいは終着点なのかもしれません。「つぎは『ラーメン』を絶対食べよう」……そう思いながら、新川に何か所かある「思い出の地」を、ウォーキングがてら訪ね歩いた土曜の午後でした。
店舗情報は、こちら。
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