2018/08/14
新潟三宝亭 東京ラボ 渋谷宮益坂店@渋谷 「酸辣湯麺」

満月の夜、今日は恵比寿で恒例の盆踊りがありますが、渋谷でもごく小規模に「炭坑節」。お馴染みの「月がぁ~~でた~でた~」を聞きながら、宮益坂の新店「新潟三宝亭」を目指します。

7月オープンのこのお店、新潟を中心に海外にまでファミレスや中華料理チェーンなどを展開する三宝グループによる出店で、「新潟三宝亭」ブランドとしては中目黒に続く2店舗目。ビルの地下一階で、ワインバーのような落ち着いた雰囲気。メニューは「酸辣湯麺」「麻婆麺」「韮葱そば」の3本立てで、夜は限定の「蟹肉雪花麺」が加わります。とりあえず、好物で筆頭メニューの「酸辣湯麺」(980円)を注文(後会計制)。
注文後、中華鍋でずいぶん大量のスープを仕込んでいると思ったら、なんと1ロット5杯という大量生産。それを全部仕上げてから、一つ一つお盆にのせて二人で配膳、「これは時間がかかりそう」と思いながら見ていると、最後の1杯の伝票をロストしたらしく、バタバタ探し回ってようやく配膳先が判明し、それがなんとこの私……仕上がってから5分以上はたってますな。
断熱のためステンレスの中空2重構造になっているという、新潟県燕三条製の丼の、青白くキラキラ光るフチがなんとも素敵。まずは、スープをひと口……辛・酸よりも、花椒のシビれが印象的。酸辣湯にしては、非常に強いトロミがつけられたこのスープ、酸味が実にまろやかな上に、辣油の辛さも実にまろやか、胡椒で微妙に辛みをケバ立て、かなり強めに花椒をきかせて、独特のシビレがあとを引きます。こういうアプローチの味造りなら、「麻婆麺」も面白そう。
麺は、中太ストレート。想定以上の時間、アツアツの餡スープに沈んでいましたので、さすがに多少ダレ気味ですが、酸辣湯麺ならこういう仕上げの麺も多く、許容範囲。中加水で国産小麦100%のわりに甘みが強く、辛・酸抑えめのスープに対して存在感は十分ですが、スープのトロミが強いせいか、結構取り分けにくかったり。
具材は、細切りの豚肉、椎茸・タケノコとタップリの溶き卵、そして薬味のネギとチョコンとパクチー。豚肉は量が少なく、スープに対するエフェクトはほぼゼロ、タケノコも量が少なく食感へのエフェクトもほぼゼロですが、椎茸は量が少ない割に風味が実に鮮烈で、コイツはなかなか。それを除けば、値段のわりに具材は少し物足りませんな。

私はどちらかというと、辛味と酸味が互いを「研ぎ澄まし高める」ような酸辣湯が好みですので、そういった意味では、その対極を目指したような、優しい味わいの一杯。ある意味、「街中華」的な人懐こさのある味で、このあたりが三宝グループを大きくしてきた「原動力」なのかもしれません。食べている間に調理していた「韮葱そば」には、大きな椎茸ものっており、あれも同じく風味が鮮烈なら、なかなか面白いかもしれません……もう一度再訪しようか考えながら、月を眺めた一夜でした。
店舗情報は、こちら。
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