2018/08/22
麺宿 志いな@新宿御苑前 「潮そば」

相も変わらぬ「炎熱」の日々、ようやく金曜も終わりかけたと思ったら、「仕事先から直帰せず、会社に寄れ」との無情の連絡……渋谷から思いきり寄り道して移動してやれと、セミの声を聞きながら、新宿御苑前の新店「志いな」を目指します。

7月オープンのこのお店、ネット情報では水道橋「征麺家 かぐら屋」からの独立だとか。夜営業開始の数分前に到着してしまいましたが、キッチリ時間通りの開店で、この暑い中助かりますな。メニューは「潮そば」「醤油そば」「鶏白湯そば」「つけそば」の4種類、オープン時(2013年)の「かぐら屋」のラインナップとは「潮そば」(750円)が異なり筆頭ボタンですので、「自信作」ということかしら。まずはコイツを、「味玉」(100円)つけてポチッとな。
青い縁取りの丼に、水菜と柚子が涼をさそう丼景色。まずは、スープをひと口……お、コイツはかなりカッチリとした構成。ベースは鶏の清湯ですが、「かぐら屋」と同様に丸鶏も使っているのか、風味・旨味が実に豊か。さらに三種の塩をブレンドしたというこのカエシ、キレよりも鶏のコクをレバレッジする使い方で、一方ではアサリのエキスが鶏の旨味とシナジーし、高まった旨味のおかげで塩ダレがジワジワとキレてくるという……なんとも見事な「三位一体」。特に、アサリは旨味だけなく風味まで伝わってきて、鶏もシッカリとしたボディ感、味の輪郭線が実にクッキリ(写真はピンボケでスミマセン)。
麺は、中細ストレート。コシよりもしなやかさ重視のゆで加減で、軽快な歯切れ。上品でピュアな小麦の甘みが、ホクホクと舌の上で広がる感じは……麺箱の表記も同じ大成食品だし、「かぐら屋」の麺を発展させたものかも。クッキリとした味わいのスープに、フワッと広がる甘みの麺、コイツは結構グッとくるコンビネーション。
具材は、鶏チャーシューにメンマ、水菜と柚子に薬味のネギ、そして追加の味玉。鶏チャーシューは、テリ焼きのようにかなり濃く味付けしたうえ皮を炙ったモノ、これも「かぐら屋」のスタイルを進化させたものと思われますが……スープ・麺が、「素材の良さ」を活かした緻密な構成だけに、個人的にはかなり大胆に思えたり……クラッシックのコンサートに、エレキギターを使うような斬新さ(?)。味玉も濃い味付けですが、穂先メンマは一転、透き通るようなピュアな風味が、全体のタッチによく合います。

「鶏・塩・アサリ」というシンプルな構成ながら、味を緻密に「編み上げる」ことで、気持ちよいほどクッキリとした美味さを実現した一杯。「潮そば」と名付けられたメニューはアチコチ見かけますが、どちらかといえばアレコレ「足し算」でソレっぽい雰囲気を出そうというアプローチが多く、だからこそ、この店のアプローチはグッと際立ちますなぁ……ただ、賛否分かれそうなのは鶏チャーシューのスタイル。進化の過程では、ある程度の「試行錯誤」は必要なのかもしれませんな。
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