2019/02/18
kingyo noodles@馬喰町・浅草橋 「中華Soba潮」

今週は、雪も降ったり厳しい寒さでしたが、土曜はカラリと晴れて小春日和。また、ハリきって週末ウォーキングということで、スタート点に選んだのは馬喰町、腹ごしらえは新店「kingyo noodles」で。場所は、浅草橋交差点の近くで靖国通りに面し実にわかりやすいのですが、2階に入る居酒屋の看板や「やきとり」提灯が目立ってしまい、1階がラーメン店とは気づきにくい(入口は下写真右端のドア)。

小岩の「noodles trattoria 金魚」が、1月に馬喰町へ移転したもの。メニューは《淡麗》系の「潮」、《濁》系の「鶏煮干」「鶏蜊(あさり)」「担々麺」、《汁なし》系の「まぜ蜊」と「汁なし担々麺」、基本的に小岩時代のメニューに担々麺系を加えたかたちのようです。とりあえずは、筆頭の「中華Soba潮」(780円)に「味玉子」(120円)をつけて(後会計制)。
透き通ったスープに金色の香味油が浮く、美的感覚あふれる丼景色。まずは、スープをひと口……うん、実に「気品」のある美しい味わい。能書きによれば、長崎の片口煮干、宮城の秋刀魚煮干しをベースに、岩手の牡蠣と北海道の真昆布で仕上げたというこのスープ、前面に出てくるのは真昆布で、昆布特有の雑味を排し実にピュアな旨味が煮出されており、これに煮干類の旨味が軽くシナジーしてくるコンビネーションで、なんともさりげない美しさ。さらに、非常にスッキリ・フンワリとした鶏の風味を感じますが、ベースに鶏を使っているのか、香味油に鶏油を使っているのか……あるいは両方かな。鶏系と魚介系、この両者のシナジーも、突き抜けるような「カタルシス」。
麺は、軽くウェーブのかかった中細ストレート。コシとしなやかさを両立した絶妙なゆで加減、加水率はやや低めで小麦特有のホッコリとした甘みがストレートに表現され、こいつがフランスのゲランドや、イタリア・淡路島の塩をブレンドした塩ダレに、優しく包まれるように引き締まって……いやぁ、こいつもなかなかの「カタルシス」。ただ、惜しむらくは麺量に対してスープがやや少ないなぁ……やや少なめ(130g)の麺量なのですから、もうひと声ほしいところ。
具材は、チャーシュー2種に揚げレンコン・小松菜、茎や葉脈まで赤い不断草系のベビーリーフに、刻んだ紫タマネギ……これら食材の実に鮮やかな色彩が、目を楽しませてくれます。まず特筆したいのは小松菜で、シパッとキレた鮮やかな辛味、十代続く農家が作る江戸菜だそうですが、コイツには目を見張ります。一方で、揚げレンコンもいつもと違って、脂分による「遊び」を感じさせない、魚介系でキッチリ「最密充填」さられた味空間では、驚くほど優雅な味わいに感じますなぁ……鶏ムネ肉と豚肩ロースによるチャーシューも、ギリギリのレアに仕上げながら胡椒でアクセントを加え、素材の美味さを最大限に引き出しています。

千葉の南西部中心に食べ歩いた時代には、総武線で小岩のあたりにもよく行きましたが、あそこはアバンギャルドな味の店が多く、食べ歩くのが楽しくて……そして、この馬喰町もなぜかアーティスティックなお店が突然できる街。そんな二つの街のスピリッツが呼応して出現したのか、驚くほど美しい味わいの一杯。銀座でも日本橋でも、ましてや神楽坂でも代官山でも味わえない、そんな「キレ」た味わいのお店ができるのが、馬喰町から浅草橋にかけた地域の面白さ。ご興味ありましたら、是非。
店舗情報は、こちら。
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