2019/03/31
中華そば なかた屋@浜松町・大門 「セアブラ中華ソバ」

桜満開の週末。浜松町の少し南、金杉橋あたりに集中する屋形船もすべて出払っているのかと思いきや……そうでもなかったり。週明けすぐに新年度で、しかも新元号が発表される節目、団体客も入りにくいのかも。今日はこの近くの新店「なかた屋」へ。

3月オープンのこのお店、青森や西宮に3店舗を展開するお店の、都内初進出となるとか。場所は、金杉橋の船宿街近くで閑静な場所、「ツケメンハネウマ」「琳久」とラーメン店が入れ替わってきた場所でもあります。メニューは「セアブラ中華ソバ」「煮干し中華ソバ」「つけ麺」とそのバリエーション。とりあえず、筆頭(左上)の系列から、「セアブラ中華ソバ 中」(680円)をポチッとな。このご時世、基本メニューで700円を切るプライシングとは見上げた姿勢(都心が高すぎるだけ?)。
丼からハミ出すバラロールが、時代というか田舎臭さを感じさせ、オジさんには親しみやすい丼景色。まずは、スープをひと口……煮干しで背脂という先入観から、燕三条系をイメージしておりましたが、コイツはかなり違ってオリジナル。豚骨清湯的なソリッドな味わいのベースに対して、煮干し粉と一緒に節系も粉でブツけてインパクトを出そうというアプローチ。煮干しや節系が、旨味やコクとともにシブみや雑味、その他すべてを伴って、グイグイと舌に迫ってくる上に、醤油ダレもコク・キレともに力強く、なんというか……予定調和の対極にある、「豪放」というか「野趣」溢れる味わい。
麺は中太ストレートですが、カタメのゆで上げのためやや屈曲した仕上がり。やや加水率を上げて、プリッとした口あたりとビビッドな歯応え、あのワイルドなスープをあまり吸わず「凛」とした甘みを最後までキープし続け、これはこれで面白いアプローチ。いわゆる津軽煮干しとも燕三条系とも違って、かなり斬新。
具材は、チャーシュー、メンマ、海苔にネギ。チャーシューは、最近では「超大型」クラスといえるバラロール。15年位前にはよく見たタイプですが、最近は珍しく、それゆえオジさんには懐かしい。メンマはいわゆる材木タイプで、シャクシャクというよりコリコリしたタイプ、ワイルドなスープにコイツをのせるというスタイルも、なんか結構懐かしい。面白いのはネギで、燕三条系なら刻みタマネギになるところですから、やはり津軽系のラーメンということなのでしょう。

いよいよ「平成」も終わりますが……ギトギトの背脂ラーメンを、明け方の六本木で食べていたバブルの頃。バブル後の世知辛さが骨身にシミつつ、豚骨魚介をすすっていたミレニアム。そして鶏白湯をすすりつつ、明日はどうなるのかと途方に暮れたリーマンショックと震災……帰り道、再び金杉橋を通りながら、この屋形船が週末すべて東京湾に繰り出すような、平穏な時代であってほしいと願う、オジさんなのでした。
店舗情報は、こちら。
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