2019/05/12
中華そば専門店 味幸@新宿御苑前 「薬味ラーメン」

八王子ラーメンのお店が、都心に出店したとか。行動範囲の狭い私のこと、インスパイヤ系は食べたこともありますが、本場のお店では食べたことがありませんな……都心に、直接出店していた例もあまり知りません。

4月オープンのこのお店、八王子では有名な行列店が、都心に2号店を出したモノとか。場所は花園公園の東側で、「志いな」のほど近く、真新しい暖簾をのぞけば、なんか4、5年は営業してそうな、風格のあるお店の外装。メニューは、「中華そば」とそのトッピングバリエーション、副食類が「ライス」しかなく、ビールなんかも出さないところが、「中華そば専門店」らしい潔さ。八王子ラーメンといえば「刻みタマネギ」、それがタップリ入ってそうな「薬味ラーメン」(850円)を、ポチッとな。
これこれ、これですよ、この「刻みタマネギの海」を見たかったのよ。まずは、スープをひと口……いやぁ、想像をはるかに超える「独創性」。シッカリとした旨味の動物系清湯、これを高温のラードで「蓋」していますが、その熱でタマネギの成分が出たものか、あるいは最初からタマネギと馴染ませているのか……もはやタマネギの風味・辛味が、「調味料」として動物系と深く溶け合って味の一部となっており、一種独特な香ばしい味わいに。さらにそれが、甘く調味された醤油ダレと好対照をなして、味の幅をグンと広げています。刻みタマネギを使うラーメンは数多食べてきましたが……コイツはそのどれとも違う。
麺は、中細ストレート。加水率低めの麺をやや硬めにゆで上げてあり、ポクポクとした軽快な歯切れ。そのハッキリとした小麦の甘みが、甘めの醤油ダレとシナジーしながら、動物系とタマネギによる独特な香ばしさの中で、クッキリと引き立っていくという……いやぁ、コイツは唯一無二。しかも後半、低加水ゆえ麺自体がスープを吸って、極上の味わいに昇華していきます。
具材は刻みタマネギ以外、チャーシュー、メンマ、ナルトに海苔。バラ肉・チャーシューは、赤身と脂身が絶妙のバランスでシッカリとした味付け、薄切りですが食べ応え十分。そして、面白いのはメンマで、非常に細かく裂いてあるためスープと深く馴染み、さらにやや筋張った食感が、低加水麺の朴訥とした食感と好対照。こういう方法論も、都心では非常に珍しいアプローチ。

千葉の竹岡式とか新潟の燕三条系とか、あるいは鶏白湯系でも濃厚煮干系でも、刻みタマネギを使うラーメンは数多ありますが……そのドレとも違う、スープの「核心部分」にまでタマネギが組み込まれた、私にとっては目からウロコの一杯。あらためてネットで調べると、タマネギの辛味成分は、ネギやニラ、ニンニクなどと基本的に同じだそうで、だから卓上のニンニクが、やたらに合ったりするんですな……黙っていても各地から様々な店が出店してくれる、都心で食べ歩けることを心から感謝した、GWの午後でした。
店舗情報は、こちら。
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