fc2ブログ

RAMEN しじみ軒@神保町 「しじみ塩そば」

しじみ軒@神保町・20200522・白山通り
(まだ2月の頃のお話)
 なにげに「人生の転機」的な日になった木曜日、でもこんな日だからこそ、穏やかにさりげなく過ごしたいと思ったりして。いつものように少し残業し、通い慣れた街・神保町にできた新店「しじみ軒」を目指して、いつものようにブラブラ。
しじみ軒@神保町・20200522・店舗
しじみ軒@神保町・20200522・券売機
 2月オープンのこのお店、情報があまりありませんが、駅からもほど近く、信号のある交差点のカド地で白山通り沿い、外装・内装も新調されており、まず資本系とみるべきですな。メニュー(写真ピンボケでスミマセン)は「しじみ塩そば」と「中華そば」の2系統、「中華そば」は鶏豚魚介で「しじみ」は入らないようです。トッピングが変わっており、「伊勢わかめ」「紀州梅干」「三元豚焼豚」などブランドを強調、特に「藤森商店厳選高級海苔」は250円という驚きのプライシング。とりあえず、「しじみ塩そば」(800円)に好物の「伊勢わかめ」(150円)をつけて、ポチッとな。
しじみ軒@神保町・20200522・シジミ塩そばしじみ軒@神保町・20200522・スープ
 重厚な色合いの丼のなかに、色鮮やかに盛り付けられた食材たち、かなりのコダワリを感じる丼景色。まずは、スープをひと口……慎重に調整された、完成度の高い味わい。一見、何処にでもありそうな塩スープですが、ベースの鶏清湯も表面的にはスッキリとさせながら、実は風味もシッカリしており、しじみ特有の旨味も、派手さを抑えながら着実にきかせています。名品と名高い宍道湖のしじみを使いながら、外連味を抑えて質実剛健に仕上げ、なおかつ「統制」の取れた味。話題になり売れてナンボの個人店では、なかなかできない「抑え」のきかせ方ですな。
しじみ軒@神保町・20200522・麺
 そして、麺の合わせ方も質実剛健。この手の塩ラーメンにありがちな中細ストレートからは少し太め、「全粒焙煎粉を使用した自家製麺」だそうで、確かに香り高く派手めな甘味。ゆで加減も、この手だったらしなやかさ重視のところを、結構カタメに仕上げて重みのあるコシ。当然スープに対して麺が勝ち気味となりますが、鶏としじみの旨味、それに適度な塩加減が、麺の甘みにガンガン「煽り」を入れるスタイルで、こういうシナジーのさせ方もアリですな。
しじみ軒@神保町・20200522・チャーシュー
しじみ軒@神保町・20200522・わかめ
 具材は、チャーシュー2種に、刻んだ三つ葉と乱切りのネギ、そして追加の「伊勢わかめ」。三元豚の低温調理チャーシューは、最近ではさほど珍しくないものですが、厚切りで噛み応えもあり肉の旨味も実に力強くて、コイツはなかなかの一級品。鶏ムネ肉も、世に多いパサパサのお飾りではなく、下味がしっかりつけられて食べ応え十分。注目は、追加した「伊勢わかめ」でしたが……量はご覧の通りタップリですが、これまで食べたワカメをウリにした一品に比べれば、実に大人しい風味。まぁ、非常にバランスに気を使っている一杯ですし、こういう設定になるのかしら。

しじみ軒@神保町・20200522・卓上
 小津安二郎の映画のような、「統制された美」を感じさせる一杯。個人営業店の多いラーメン業界では、目立ってナンボ、強烈な個性が話題になってナンボで、いきおいヘビメタ的な作品が多くなりますが……俳優も小道具も「本物」を使い、計算し尽くした構図の中にはめ込んで、計算通りに演じさせる。完璧さを求めるほど、表現が穏やかに、淡々としてくる……むしろ余裕のある資本系のお店にしかできない、「いぶし銀」の世界なのかも。この日の客入りは、私を含めて数人程度、おそらく現代に小津のような映画を作って封切っても、映画館はガラガラなんでしょうな……それは商売としての優劣ではあっても、作品の優劣とは無縁でしょう。

 店舗情報は、こちら

【記事ご参考になりましたら、こちら(↓)の方をポチッとな】
FC2 Blog Ranking
スポンサーサイト



小麦と肉 桃の木@新宿御苑前 「コクまろ塩」

桃の木@新宿御苑前・20200517・不如帰告知
 この2カ月ほどは、ほぼ完全な巣ごもり状態、食べ歩きも全く控えておりましたが……1月には予定が決まっていた新宿方面のお仕事のために、久々の外出。ランチは御苑に足を伸ばし、こんな時でないと行列嫌いは近づけない某店をのぞきましたが、やはり休業中。
桃の木@新宿御苑前・20200517・佐高告知
 さらに何店か見回ってみましたが、その途中「佐高」が4月24日に閉店したことに気づき、大ショック。5月中旬になって気も緩んできたのか、この日の御苑は結構な人通り、もう少し粘ってみる手はなかったのかな・・・・・・それとも、もともとそういう計画だったのかしら。
桃の木@新宿御苑前・20200517・店舗
 どこにしようか迷いつつ、「桃の木」に入店。2009年に「せたが屋」グループのお店としてオープンしましたが、2017年に閉店。その後個人店として2019年2月に再スタート、当初は午後の時間帯にクレープ屋さんになる二毛作店でしたが、今はつけ麺一本でやっているようです。表の掲示物を見ていると、「我武者羅」グループとの関係が強く感じられましたが、あるいは資本的に少し安定したのかしら。
桃の木@新宿御苑前・20200517・券売機
 再スタート時は閉店前のメニューに似ていたようですが、現在はご覧の通り「背脂生姜醤油」が筆頭で、「旨辛ゆず醤油」などが入り、以前評判だった「天使のらぁ油」「ブルガリア」といったユニーク系は消えました。なんか筆頭メニューのスタイルにも、「我武者羅」的なニュアンスを感じますが……とりあえず、かつて筆頭だった「天日塩味」の後継と思われる、「コクまろ塩」をポチッとな。
桃の木@新宿御苑前・20200517・コクまろ塩桃の木@新宿御苑前・20200517・つけ汁
 写真は例によって、スマホのAI演出によるド派手な発色。まずは、つけダレをひと口……これぞ「桃の木」、健在なり。つけ汁とは思えないほど、穏やかでまろやかな味わい、豚テールの朴訥とした旨味を、昆布や煮干しでフンワリと膨らませて、自然な塩味でスッと描く輪郭線。まさに春風のような、優しい味わいですな。
桃の木@新宿御苑前・20200517・麺
 麺は、フェットチーネのような太平打ちで、国産小麦にコダワり100%、コイツをつけ汁にくぐらせ、スバァ~~ッとイキますと……穏やかなつけ汁に持ち上げられるように、麺本来の味わいが力強く盛り上がってくる感じ、本来つけ麺はこうあるべきですが、まさにその理想形。国産小麦麺は大人しい味が特徴的ですが、その裏に隠された甘みの力強さや、ひなびた風味までがクッキリと押し出されてくるようで……いやぁ、こいつは美味い。
桃の木@新宿御苑前・20200517・具材
桃の木@新宿御苑前・20200517・そば湯割り
 具材は、薄切りの豚バラ肉と油揚げ、そして白髪ネギ。やはり白眉は油揚げで、タップリとつけ汁を吸ったコイツが麺に絡んで、味のバランスをそよ風のように揺るがします。つけ汁・麺のコンビネーションが緻密に計算されているからこそ、こういう「揺らぎ」がドラマを生みますなぁ……最後は、昔から変わらぬ「そば湯割り」。基本的にホッコリとした味空間の設計が、さらにそば湯のホッコリ感に包まれて迎える、クライマックス。

桃の木@新宿御苑前・20200517・テイクアウト
 緊急事態宣言の延長から1週間、けれども御苑の人通りはいつもの日常を取り戻しつつあり、この日の「桃の木」も満員で、店内には立ち待ち客すら。一方、店主さんはワンオペで奮闘、以前クレープ屋さんだった窓口も今はテイクアウト用になっており、テイクアウトメニューもご覧のようにずいぶん充実。コロナのような「ブラック・スワン」にも耐えながら、「地に足つけて生きていく」って、本当に大変ですよね……4月以降生き方が大きく変わった私には、眩し過ぎる光景でした。

 店舗情報は、こちら

【記事ご参考になりましたら、こちら(↓)の方をポチッとな】
FC2 Blog Ranking

プロフィール

miles

Author:miles
 千葉南西部や都心のラーメンを食べ歩きながら、某サイトへ5年にわたりアレコレ書いてきましたが、都心に引越し連載も1,000回を越えたあたりでこちらへシフト。他の話題についても「So What?」な気分で、アレコレ書いていこうと思います。
 とはいえ、ほとんどラーメンの話題になってしまうのか……

年齢:マジ・オッサン
仕事:銀座・新橋から離れ、今は世田谷系・半フリーランス
オッサンゆえの自己ルール:
 ・6人以上の店外行列はパス
 ・週3杯以内、日1杯以内
 ・連食・副食・大中盛NG
 ・移動は電車&徒歩
 ・移動時間30分以内
 ・飲み後のシメNG

カレンダー

04 | 2020/05 | 06
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -

月別アーカイブ

検索フォーム

Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR