2020/11/15
NIPPON RAMEN 凛 TOKYO@東京 「醤油らぁ麺」

週末は終日雨、それも「雨が降る」というよりは「雨雲の中にいる」感じの逃げ場のない雨。外出したくはありませんでしたが、チョイと丸善に用があって丸ノ内へ。ついでに8月にリニューアルしたグランスタ東京の「凛」に再挑戦。実は一度訪店しようとしたのですが、飲食店が集中する北自由通路側を探して見つけられず断念。その後再確認すると、物品販売店が集中する八重洲地下中央口脇(写真)だということが判明、コイツはちょいとトリッキー(?)。

公式HPによれば札幌「Japanese Ramen Noodle Lab Q」の関連店とか。メニューは「醤油らぁ麺」と数量限定の「塩らぁ麺」の2種類で、この日は14時過ぎで「塩」は完売。ま、初訪ゆえ最初から「醤油らぁ麺」(990円)狙いでしたので、入口脇の券売機でポチッとな。東京駅の八重洲中央口にして、しかも改札脇という信じられないほどの好立地ですが、外装が地味で目立たないせいか、この日は6割ほどの客入り。
このスープの色、これぞまさに「中華そば」。まずは、スープをひと口……なるほど、純「鶏水」系スープを、さらに進化させていますな。オープン時は地鶏だけを使っていたようですが、その後少し変えたようで、ベースは「北海道産新得地鶏を含む3種の地鶏と豚」、世の「鶏水」系とは少し異なり、鶏の豊かな柔らかさに、微妙に豚のソリッド感がにじんでいます。そして最大のポイントは「5種の本醸造生揚げ醤油」を使ったというカエシで、甘さを抑えて食材本来の苦みを敢えて微妙に残しており、ベースに仕込んだ豚のソリッド感をケバ立てて、さらにビビッドに引き立てています。コイツはなかなか……
麺は、松戸「とみ田」系の心の味食品製で、しなやかにゆで上げた中細ストレート。舌奥に一瞬まとわりついてはスッと消える見事なノド越し。食感も実にソフトで、噛めば国産小麦特有の純朴な甘味が広がって、それを「少し大人びた」、少しソリッドでビターなスープが受け止める。このコンビネーションは見事だなぁ……紙エプロンをお願いするのも忘れて、気付けばズバズバすすり込んでいました。
具材は、チャーシューとその下に隠れたメンマ、そしてネギと海苔。特にこのバラロール・チャーシューは見事な出来栄え、シッカリ味をしませた煮豚タイプですが、その味わいはスープ・麺と絡んでようやく本領を発揮する設定で、しかもスープの豚とも密かに呼応。シンプルな構成のラーメンですが、処々に仕込まれた伏線が、食べ進むうち交差して、結構最後まで飽きさせません。

純「鶏水」を極めて有名になったのは町田「69’N’ROLL ONE」でしたが、その後も優れた追従者が生まれて、その地平はさらに広がりました。しかし、ピュアであればあるほど、鶏の魅力に忠実であればあるほど、優しく柔らかく全てが調和した世界に近づいて……調和しすぎて記憶に残らないというジレンマに入ってしまったのも、また事実。それを回避すべく、他の旨味を絡める工夫がなされてきましたが……加えて、醤油の苦みと豚のコクでソリッド感を加える試みの一杯。次々と、こういったチャレンジが続いてくるのが、ラーメンの世界の魅力ですな。
店舗情報は、こちら。
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