2020/11/29
麺処 大沼@湯島 「つけ麺」

自己ルールにより、時間制限つきの食べ歩きとなるため、どこか行きたいお店ができても、フラれたときのバックアップ店が比較的近くになければ、ちょっと見送り。そういう意味で、湯島はなかなかバックアップの確保が難しい街でしたが……珍しく整いました。

10月オープンのこのお店、池袋の有名店「GROWTH」の2号店になるとか。「GROWTH」は今年で創業10周年、その記念事業的な位置づけなのかしら。メニューは「つけ麺」「らぁ麺」と、それらの「辛」バージョン。まずは、筆頭の「つけ麺(並)」(850円)をポチッとな。ちなみに、紙エプロンは券売機の上にあります。
つけ汁や麺皿に、タップリ散らされた薬味類が、「うちのスープは濃いぜ!」と示唆する丼姿。レンゲはついてきませんので、丼を持ち上げつけ汁をひと口……いやぁ、じつに「獰猛」な動物系、こういうタイプは久しぶり。一応タイプとしては「豚骨魚介」ですが、圧倒的に動物系の主張が強く、鶏豚両方使っているようですが、豚骨の押し出しが非常に強い。しかも、豚足をかなり使っているのかスープはトロットロ、イメージとしてはスープというより、「極旨の動物性油脂」に近い。
麺は、褐色の太ストレート。非常にガッシリとした食感で、自ずと咀嚼を要求されますが、噛めばその甘みは実に上品で、ワイルドなつけ汁とは対照的。コイツをつけ汁につけ、ズバァ~~っとイキますと……これぞまさしく、「美女と野獣」。気品すら漂う麺の甘みを、獰猛さすら漂う豚の脂が包み込み、サバ節がソッと持ち上げる舞台の上で、実に華麗なステップを踏みます。いやぁ、コイツは美味い。特に、甘・辛・酸を抑えたソフトな調味(舞台照明)が、主役の演技を自然に盛り立てて……なんとも、溜息が出るカタルシス。
具材は、つけ汁側にチャーシューと、ネギ・刻み(おろしに近い)タマネギ、麺皿にはメンマと刻んだ三つ葉。チャーシューは食感カタメ、シッカリ味付けられて炙りまで入っており、アグレッシブな動物系のつけ汁にピッタリ。一方、メンマは調味を抑え、塩抜きや炒りなど丁寧な仕事がダイレクトに伝わる極上の仕上がり、そのナチュラルな風味が、気品漂う麺に実にピッタリ。
スープ割りをお願いすると、ご覧のような姿で再登場。割りスープは魚介系のようですが、節系っぽくはないので昆布出汁なのかな? 豚のアグレッシブさがウソのように消えて、スープ単体で実に穏やかでエレガントな味わいに。「美女と野獣」が仲睦まじく微笑み合い、その周りで子供達(胡麻)が賑やかにはしゃぐ、実に微笑ましい「ラストシーン」。

食べ歩きに時間制限をつけているため、「GROWTH」はギリギリ活動範囲外で、未訪のままになっていましたが……10年前の自分を叱ってやりたい、それほどの輝きを放つ「珠玉の名品」。湯島の交差点そばで、地下鉄出口(4番)のすぐ脇という絶好のロケーションですが、この日はお客さんもまばら……池袋(立教大学側)とは、街行く人のペルソナが違い過ぎるからなのか。だったら近いうち、「らぁ麺」もいただいておこうかしら。
店舗情報は、こちら。
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