2021/01/31
麺や 丸三@大久保 「醤油拉麺」

数カ月に一度ある新宿方面のお仕事、高年で持病持ちゆえ、コロナ感染の「震源地」には近寄りたくありませんが、これも仕事ゆえ致し方なし。ランチはちょっと新宿から離れて、大久保の「丸三」へ。

2020年8月オープンのこのお店、新宿で40年日本料理に携わったという店主が、無添加の素材で作るスープが話題に。メニューは「醤油拉麺」「味噌拉麺」の他に、「豚すき焼き鍋」や「鍋用チーズ」があったりするのが結構ユニーク、この日は寒かったので、「鍋」の文字には惹かれましたな……しかしまぁ、初訪ゆえ看板メニューの「醤油拉麺」(1,000円)をポチッとな。店内は7席ほどの一本カウンターで、厨房はこの日、女性おひとりで切り盛り。
厚焼き玉子の鮮烈な黄色とタマネギのフレッシュな赤が、地味な色のスープを盛り立てる、和食的な「ワザ」を感じさせる丼景色。まずは、スープをひと口……おぉ、和食らしからぬ「ゴージャス」な味わい。非常に印象的なのは食材の独特な一体感で、ラーメン業界的な「記号化」されたメッセージとは一切無縁の、唯一無二の味空間。特に動物系は、肉付きのよいガラか肉そのものを使って濃密な風味を引き出しており、そのふくよかな味わいを、魚介系を使ってスマートにあしらって、さらに粗挽き胡椒で動物系を引き締めて……店主専門の「和食」に加えて、どこか韓国的な方法論も感じられたり。いやぁ、コイツは美味い。
麺は、中細のストレート。中加水で、ゆで加減・食感・甘味も「中庸」的な仕上げ、スープが秀逸なのでさほど気になりませんが、どこか一つ「攻め」的な要素が欲しかったり。そこそこ粘度のあるスープですので、多加水麺を合わせたり太麺を合わせたり、いろいろ遊べると思うのですが……

具材は、豚・鶏肉2種と厚焼き玉子、山くらげに紫タマネギ、仕上げにカイワレをパラリ。豚は肩ロース肉にタレを絡めて焼いたもので、まぶした粗挽きのブラックペッパーのせいもあり、やはり韓国的な美味さを感じたり。しかし、蒸した鶏ムネ肉も味わい深く、山クラゲによるコリコリとした食感変化もまた見事。そして厚焼き玉子ですが……ラーメンに玉子焼きというのは、銀座の老舗「萬福」のトレードマークですがもっと薄く、ここまで本格的な厚焼きをのせた例は初めて見るかも。極上のスープをタップリ吸って、極上の味わい。

配膳時に、「花山椒旨油」も添えられて「お好みで」と案内されますが、コイツを後半投入すると、味がビシッと引き締まり、「無国籍」的な美味さがさらに広がります。この店には別館もあり、宴席用に和風にアレンジした韓国料理をだしているようですが……どの世界でも同じですが、ひとつの道を究めると、他の文化の受容性も高まって、さらなる高みに進めるとか。大久保から広がる味の世界に、ちょっとワクワクしてしまったオジさんなのでした。
店舗情報は、こちら。
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