2021/02/21
炭火焼濃厚中華そば 倫道@新橋 「鯖」

この週末も緊急事態宣言が発令中、天気もいいので週末ウォーキングは皇居近辺にして、まずは西新橋で腹ごしらえ。話題の新店「倫道」へ。

12月オープンのこのお店、炭火焼干物食堂「越後屋」などを展開していた越後屋から、2017年会社分割により生まれた株式会社弥七による新ブランド。それにしても「炭火焼」の「中華そば」とはこれいかに……メニューは「鯖 さば」「鰯 いわし」「鯵 あじ」「鮭 さけ」と「茸 マッシュルーム」と、その定食セット。とりあえず筆頭ボタンの「鯖 さば」(850円)を、ポチッとな。
カウンターで厨房に向き合い、伝票確認のかけ声を聞いていると、「マッシュ、マッシュ、マッシュでマッシュ3つ」と、注文は「茸 マッシュルーム」に集中……しかし、「マッシュ、マッシュ、マッシュ」と聞くと、脳内で「ガイア、オルテガ」が外挿され、ジェットストリーム・アタックが思い浮かんでしまうのは、リアルタイム世代のサガですな。
荒々しく泡立つ、濃褐色のスープがワクワクさせる丼景色。まずは、スープをひと口……おぉ、予想していたよりも結構スマート。モチーフは「焼きサバ」ですが、アレをそのままスープにしても、エグミと脂っぽさ満載で使い物にならないはずですが……なんとそれらをほとんど取り除いて、炭火焼特有のスモーキー&ビターなフレーバーと、サバ本来の淡白で素朴な旨味、それらが醤油カエシの深いコクに溶けこんで……名前と見た目からは想像もつかないスマートな飲み口。これなら昨今の「濃厚煮干し」の方が、よほどエグい。
麺は、三河屋製麺製の中細ストレート。スープがかなり濃厚ですので、断面の丸いストレート麺を使ってスープ持ち上げを調整し、さらに低加水で仕上げて小麦の甘さをグッと強調、その甲斐あって麺・スープのバランスは実に見事な仕上がり……いやぁ、コイツは具材なしの「素ラーメン」でも十分OK、多少スープの味濃さが勝るあたりも、別皿薬味の刻みタマネギで、十分カバーできますな。
具材は、チャーシュー、海苔と刻みタマネギ、そして箸休めの大根・アサリの和え物(これは日替わり的な存在の模様)。ちなみに、瓢箪に入っているのは和山椒ですが、実はコイツが驚きの効果。多少甘めのスープにコイツをふりかけますと……ウナギの蒲焼に山椒が合うのは常識ですが、実は脂強めでクサみのある魚介系素材には何でも合い、「焼きサバ」なんかはその典型であることを、スープとして実感できます。いやぁ、コイツは目からウロコ、家に帰ったら焼きサバで試してみよう。

かつて新宿南口「五ノ神製作所」が、西京焼きの銀ダラをそのままスープにして話題を呼び、その系統を神田「五ノ神水産」としてさらに発展させましたが……その地平を、庶民的な「焼きサバ」でかつ炭火焼という、ユニークな方向に突き詰めた一杯。これほどエグミを抑えられるなら、「イワシ」でも「アジ」でもイケそうですな……でもその前に、「マッシュ、マッシュ、マッシュ」を体験するのが先決と思える、ファースト・ガンダム世代のオジさんなのでした。
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