2021/07/10
来来来@三軒茶屋 「ちゃんぽん」

緊急事態宣言明けに向けて仕事が集中、なんと今日からマル2週間、休みなしの突撃労働が決定しました。せめて、毎日少しずつでも早く帰り、美味いものでも食って、体力を温存せねば……という訳で、茶沢通りを少し下り、三茶の名店「来来来」へ。

創業は1984年、ご主人は長崎・浦上の名店「宝来軒」で修業されたとか。ただ、厨房はそのご主人と息子さんと思われる方お二人で切り盛り、調理は主に息子さんが担当されています。メニューは「ちゃんぽん」「皿うどん」の2本立てですが、「ソボロちゃんぽん」があるのが「宝来軒」っぽいところだとか。まずは筆頭の「ちゃんぽん」(1,000円)を注文しカウンターにつきますが……厨房から、そこはかとなく漂う「豚骨」臭。ちゃんぽん屋さんを食べ歩いた方ならおわかりだと思いますが、こんな「本格体験」は滅多にありません。
ドバドバと湯気が立ち上る、なんとも麗しの「ちゃんぽん」景色。まずは、スープをひと口……いやぁ、私は食べ歩き範囲が狭いのでアレですが、都心部で食べ歩いた中では「ベスト」かな。キチンと炊き出された豚骨に、大量の野菜から出た優しい出汁が見事に融合、さらに魚介の旨味もそこはかとなく絡んで……これら豊かな味のバリエーションを、おそらく白醤油的なタレで、絶妙な加減にクィッと引き締めています。キレすぎずユルすぎず、充満した旨味で塩カドを上滑りさせることもなく……調理中、息子さんがなんども味見をされていましたが、「繊細」とも呼べる絶妙なバランス。
そして、特筆すべきはこの麺で、明らかにかん水として「唐灰汁(とうあく)」を使った本場の麺。本場・長崎でも、唐灰汁を自ら製造して使う製麺所は三軒しかないそうで、東京では渋谷で長崎県公認の麺をいただけますが、それとほぼ同じ食感。ただし、かなりカタめにゆで上げて、ドンドンとスープを吸わせようという作戦で、序盤はザラッとした麺肌がスープを持ち上げ、後半は吸ったスープとの合わせ技で「極楽」を味わえます。いやぁ、この感じも個人的「ちゃんぽん」体験としてはベストの部類。
具材は、キャベツ、モヤシ、タマネギに、豚肉、カマボコ、小海老にイカ。野菜類はシンナリ具合が絶妙で、汁ハネ防止とシャッキリ感を両立させた絶妙の仕上がり。スープを味わった後で魚介系の量を見ると、一瞬バランス感覚が狂いますが……やはり、これはタレに白醤油か何か、相当な仕掛けがあると思われ。変に魚介系の具材を強化するより、よほどバランスよく味が仕上がるという読みでしょう……そして、それは正解なのかも。

三軒茶屋にはもう一軒、「長崎」という「ちゃんぽん」の名店がありますが、プライスその他トータルで考えても、「勝るとも劣らない」一杯。1,000円という値段も、渋谷某店なら具材にアサリを足しただけでオーバーするので、まぁ標準的といったところ。それにしても、「ソボロちゃんぽん」(1,200円)が気になりますなぁ……アチラでは、ソボロとは「具沢山」といった意味で、「宝来軒」なら牡蠣などが入るとか。酷暑の夏を越えて、また涼しくなったら「ソボロ」イキます。
店舗情報は、こちら。
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